ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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タフな交渉が求められる拉致問題

『週刊朝日』先週号にコメントを採用していただきました。武器輸出関連です。
また、『週刊新潮』今週号にコメントを採用していただきました。イラク情勢関連です。

 日朝協議で北朝鮮が拉致問題の調査委員会の構成を伝えてきたことで、日本側では早くも制裁の一部解除を決めました。国防委員会や国家安全保衛部の幹部が参加することになったことを評価しての措置です。
 前回の「調査」では権限の小さい人民保安部の幹部が責任者だったことで調査が不充分だったとされているので、今回は同じ言い訳ができないということになります。
 ただ、それで早くも楽観論が広がっているようですが、それはまだ早計であろうと思います。拉致被害者の現状などは北朝鮮側はとっくに把握しているはずですし(情報が漏れたりしないように厳しく監視されているでしょう)、あとはトップの金正恩の判断次第。保衛部が入るとかはあまり関係ないですね。
 日本側としては「情報」で勝負するには限界がありますから、経済制裁解除のカードを有効に使うしかないでしょう。あまりやすやすと譲歩の姿勢を見せれば足下を見られるので、タフな交渉が求められます。
 もちろん希望を持つことは重要ですが、希望的観測に頼る甘い態度は厳禁です。
  1. 2014/07/03(木) 13:55:33|
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イラク・シーア派(マリキ政権)=イラン=アサド政権=ロシアの枢軸ライン

▽イラク:露軍機を購入…首相「米、納入遅い」(毎日)
▽「クルド独立へ住民投票」自治政府外相が意向(読売)
 混沌のイラク情勢ですが、敵味方関係がいよいよ複雑になってきています。
 大元の原因は、イスラム過激派ISISの攻勢です。スンニ派過激派であるISISの攻勢を脅威とするのは、マリキ政権、イラン、それにアメリカです。なので、イランとアメリカが反ISISを支援しています。ただし、温度差はあって、イランは同じシーア派のマリキ政権を強力にバックアップ。対するアメリカは、ISISがバグダッドを落とすようなことがなければさほど全面的な軍事介入には向かわない姿勢の、制限された消極的介入に留まっています。
 と、そこに割り込んできたのがロシアですね。マリキ政権とイランの密接な関係が主ですが、ロシアもマリキ政権に肩入れしてきました。
 シリア情勢とも絡み、事態はかなり奇奇怪怪な展開ですね。ちょっと整理します。
 まず、ISISと組んでいるのは旧バース党勢力です。スンニ派繋がりでもありますが、反マリキ政権繋がりですね。ただし、旧バース党勢力よりはやはりISISの戦闘力が抜きん出ています。
 マリキ政権を支援しているのは、まずはイラン。イランはシリアのアサドの同盟者でもあり、その流れでマリキ政権とアサド政権も協力関係にあります。シリア内戦ではイランの革命防衛隊、イラクのシーア派戦闘グループがアサド支援で部隊を送っています。これまでアサド政権はシリア国内で勢力を拡大してきたISISとは、対反政府派戦術としてさほど真剣に対決してきませんでしたが、今回、ISIS叩きに参加しています。
 ロシアもアサド政権の同盟者でしたが、今回、マリキ政権支援に乗り出しています。つまり、マリキ政権=イラン=アサド政権=ロシアという繋がりです。このいわば悪役同盟に、反ISISということでアメリカも加わってます。
 他方、アメリカはシリアの反体制派支援に乗り出してきました。
▽米大統領:シリア反体制派へ5億ドル支出 議会に承認要請 (毎日)
 オバマ政権はシリア内戦への介入には消極的でしたが、さすがにISISの台頭には危機感を覚えたのでしょう。ISISを叩くにはシリア反体制派を強化する必要があります。この金額だけではいっきに形勢逆転とはいかないでしょうが、それでも反体制派にとってはありがたいことです。この動きがもっと本格化すればよいのですが。
 
  1. 2014/06/30(月) 05:52:00|
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北朝鮮ミサイル発射の思惑???

▽北朝鮮:ミサイル発射 日本海へ2発 政府、日朝協議は開催(毎日)
 こうしたことが起きるたびに必ず「北朝鮮の狙いは?」という推測が浮上します。
 ということで今回も「日朝協議への牽制だ」とする推測もあるようです。事実は誰にもわからないことですが、それでもまあ、いつものごとくこうした推測に根拠はないですね。たいして牽制にもなっていませんし。
 日朝協議のモチベーションが高いのは拉致問題を最重要課題とする日本側で、それに対して北朝鮮側はいわば「関係継続に意味がある」というところですから、こんなかたちで牽制する意味もあまりありません。
 北朝鮮側は通常の訓練だとの主張ですが、可能性としてはまあそういうことなのではないかと思われます。もちろんこれも推測ですが、発射訓練そのものは北朝鮮軍としては定期的に実施したいものではあります。
  1. 2014/06/30(月) 04:15:40|
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不明マレーシア機はやはりゾンビ・プレーン説が濃厚

 まだ明確になったわけではないですが、
▽乗員、酸欠で無反応状態だった可能性 マレーシア機不明(CNN日本語版)
だそうです。
 やっぱりそうか・・ということのようです。

(追記)
 昨日、TBSの夕方ニュース「Nスタ」で音声コメントを採用していただきました。北朝鮮軍の関係です。
  1. 2014/06/28(土) 15:56:10|
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集団的自衛権と集団安全保障と人道主義

 24日、日本テレビ「ニュースevery」でVTRコメントを採用していただきました。北朝鮮軍の関連です。
 また、現在発売中の『週刊現代』でコメントを採用していただきました。集団的自衛権の関連です。
 また、現在発売中の『月刊宝島』に寄稿しました。中国軍サイバー部隊の関連です。
 また、本日発売の『フライデー』でコメント提供しましたが採用されたかどうかは未確認です。安保とか中国とかの関連です。

 ところで、集団的自衛権は政府が突破の構えですね。反対派は公明党の抵抗に期待しているようですが、まあこのまま行くでしょう。
 また、それ以外にも集団安全保障の話が出てきています。これも徐々に拡大されていくことでしょう。
 こうした動きに反対の方も当然いらっしゃるでしょう。今のところ政府は日本の安全保障に直結したケースに限定するような雰囲気の言い方を強調していますが、なんとなく曖昧でもあるので、「日本のためだけの武力行使しかイカン!」という考え方もあるかと思います。
 私は違う考えですが、日本の軍隊を外に送るわけですから、日本人が戦死することにもなるわけで、それに対してあくまで「大事なのは日本人の命だけ!」と固執する考えがあるのも理解できます。世界中の多くの国はとっくにそんなことは経験してきているわけですが、「そんなことは関係ない」と日本人のことだけを考える考えがあっても、まあしかたないかなという気がしないでもないです。
 ただですね、自衛隊の海外派遣に対して、人道的観点から反対するという一部の論調、これはまったくの的外れだと思いますね。
 人道主義とエゴイズムは反対の概念ですから、一国平和主義というナショナルなエゴは、人道主義の対極にあります。国外でたいへんな暴力・人権侵害が行われているときに、それを見てみぬふりをして、「絶対に武力では介入しないのが人道主義だ」というような考えは、論理が破綻しています。
 SNSで紹介されていたいくつかの文章の中に、「日本人には人を殺して欲しくない」というような文言がありました。これはつまり、「日本以外のところで大虐殺が行われていても、日本人は知らんふりしましょう」ということですね。なので、これは人道主義の反対の意見ということになります。
 また、こんな意味の文章を目にしたこともあります。
「日本が手を組むのは、世界中で悪行の限りを尽くしているアメリカ。日本はこれからそんなアメリカの悪行に手を貸すことになる」
 あまりに単純すぎて眩暈がします。悪行というのは、どちらかといえばボコハラムとかISISとかアサドとかサダム・フセインとかカダフィとか、そういうのでしょう。アメリカの対外政策にも批判すべき点はありますが、では上記したようなワルモノたちとアメリカでは、どちらを排除するのがより人道的なのでしょうか。
 アメリカ主導のさまざまな多国籍軍のミッションに多くの国がこれまでも参加してきましたが、それらの民主国家たちは、自分たちのミッションを「悪行」とは対極に考えています。
 とにかく今日も、イラクやシリアでは人々が殺害され続けています。
  1. 2014/06/27(金) 08:55:50|
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『満州国の真実』

 先月発売の別冊宝島『太平洋戦争 超兵器大全』で、陸軍登戸研究所関連の記事を採用していただいています。
▽太平洋戦争 超兵器大全 (別冊宝島)
 別宝『艦これ』編集チームの制作で、内田弘樹氏も執筆されています。

 また、今月発売の別冊宝島『黒い皇帝プーチン』で記事を3本を採用していただきました。
▽黒い皇帝プーチン (別冊宝島)
 拙稿タイトルは、以下。
「青年時代のプーチンにみる忠誠心とロシア式官僚処世術」
「クリミア併合で発揮したプーチンのインテリジェンス」
「シリア内戦死者16万人のA級戦犯こそプーチンだ」
 本当は、当ブログでも再三書いているように「プーチンは北方領土を返す気は全然ない!」という分析記事を寄稿したかったのですが、なかなか紙媒体では難しいかも。まあ、いろいろ反発が来ますからしょうがないです。分析記事に感情的に反発されても困るのですが(苦笑)

 また、久々の構成・執筆ですが、やはり今月、別冊宝島『日本人なら知っておきたい満州国の真実』が発売になりました。
▽日本人なら知っておきたい満州国の真実 (別冊宝島)
 企画自体は編集部ですが、全体の構成と執筆を担当させていただいています。インタビュー記事として半藤一利氏、奥野誠亮氏の2本があるのですが、うち奥野氏記事は編集部企画でライターの浮島さとし氏が担当されています。
 こうした分野も左右両陣営にさまざまな立場の方がいらっしゃるわけですが、私自身は半藤氏と非常に近い考えですね。
 いずれにせよ、長年の歴史マニアとしては、たいへんやりがいのある仕事になりました。できれば今後も、機会があれば日本史分野に挑戦していきたいと希望しています。
  1. 2014/06/16(月) 14:26:17|
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主軸は宗派よりも「敵の敵は味方」

 ブラジルW杯に世界中が注目している今も、各地で戦火が拡大しています。
 シリアでは相変わらず内戦が続き、政府軍機による市街地爆撃が継続中です。
 リビアでも紛争が拡大。治安が崩壊しつつあります。
 東部ウクライナでは政府軍と親露派民兵の戦いが拡大。親露派側ではロシアが裏でかなり暗躍しています。
 パキスタンでは、「パキスタン・タリバン運動」(TTP)によるカラチ空港テロに参加したウズベク人民兵組織「ウズベキスタン・イスラム運動」(IMU)のパキスタン北西部の拠点を、パキスタン軍が攻撃。ウズベク人ゲリラ多数が殺害されています。IMUはこのところ中国国内での活動が強化された可能性のあるウイグル人テロ組織「東トルキスタン・イスラム運動」(ETIM)との関係が深いですが、今回のパキスタン軍の攻撃によって、ETIM兵士が死亡した可能性もあるようです。

 で、もっとも風雲急を告げているのがイラクですね。
 スンニ派イスラム最凶過激派「イラクとシャームのイスラム国」(ISIS)と、シーア派主体のマリキ政権軍の攻防が激化。ISISには旧サダム・フセイン政権派残党が協力し、他方のマリキ政権側にはシーア派繋がりで事実上の後見人でもあるイランから革命防衛隊が参戦。さらにISISの勢力拡大を阻止したいアメリカも、対ISIS戦を支援するようです。対ISISで、奇しくもイランとアメリカが同じ陣営に入るという珍事となっています。
 ということで、イラクではおおまかに言えば「スンニ派過激派VSシーア派」の構図がさらに拡大したことになります。
 ただし、これは宗派対立が戦いの主軸ということでもないですね。スンニ派のクルド民兵は同じスンニ派のISISと戦っていますし、イラクのスンニ派ではISISの強引な恐怖支配に反感も強くあります。要するに、「敵の敵は味方」「敵の味方は敵」の徹底ともいえます。
 中東は昔からそうですね。

(追記)
 少し補足します。
 もちろん現地にもいろいろな考えの人がいますし、対立構造も単層要因ではなく複合的なものではあるのですが、パレスチナ問題などもそうですが、日本の中東研究者や、私より一世代前のジャーナリスト、あるいはその影響を強く受けた方々には、どうもイズム偏重の傾向があるように感じます(もちろん全員ではありませんが)。
 その点、私の現地経験での印象は、イズムよりももっと打算的な要因が強いわけです。
 ただ、「すべて打算だけ」でもないです。これは現地の人にも多い考えなのですが、「どうせみんな金儲けのため」だけでもないように感じます。紛争の深層を経済的利益の視点だけで見る言説もありますが、それも違うように思います。
 要するに、中東の紛争地域でサバイバルするということは、かなり熾烈なもので、表面上のイズムを逸脱しないように気を遣いながら、「敵の敵は味方」「敵の味方は敵」が基本形になる、と。もちろんその裏では本音の打算もある、と。大雑把に言えば、そのような構造が主なのではないかな、と思っています。
  1. 2014/06/16(月) 07:14:05|
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中国軍暴走説の根拠はない

 今朝のTBS「あさチャン」で文字コメントを採用していただきました。中国軍機異常接近事件に関してです。
 これで思ったのですが、こうした事件が起こると必ず出てくる「中国は巨大な国家で、中央の統制が地方にまで行き渡っていない。とくに各地方の軍は独自勢力を持っていて、自身の王国を築いており、軍中央・党中央に従わない。こうした事件は、現地の軍上層部が勝手に暴走しているのだろう」との見方の、その根拠がまったくわかりません。
 かつて予算不足の時代、軍区ごとに自前でビジネスをやっていて、その部分でかなりの自己裁量が認められていたわけですが、それで指揮統制も軍閥割拠のようなイメージなのでしょうか。たしかに中国軍の内情は不明な点が多いのは事実ですが、習近平体制でもそんな無統制など、ちょっと考えられません。
「中国軍は訓練ができていない」という俗説も疑問です。自衛隊の優秀さを評するに「世界一厳しく訓練され、世界一統制のとれた部隊」みたいな言い方をたまに聞きますが、それもどうかなと思います。世界中に、厳しく訓練された部隊はいくらもあります。中国軍のたとえばSU27の操縦士が、中途半端な訓練しか受けていないとは考えにくいですね。日中操縦技能競争をやったわけではないので、実際のところはわかりませんが、「現地の軍が暴走」説も、「訓練できていない」説も、やはり具体的根拠のない憶測にすぎません。

 また、6月10日、TBS「ひるおび」で音声コメントを採用していただきました。ブラジルのテロ対策に関して。
 また、6月7日、フジテレビ「ワイドナショー」に出演させていただきました。スノーデンのその後、です。
 スノーデン事件を扱った『暴露』では、メインではないですが、日本に関する情報もちらりとあります。
 ひとつは、ニューヨークの国連代表部から情報がとられていたこと。具体的な方法は不明ですが、どうやら代表部内に情報奪取のための特殊な機器が仕込まれていたようです。
 2つめは、NSAは主に海底ケーブルのアメリカ東西海岸の陸揚げ拠点などを中心に、ごっそりとインターネットのトラフィックをモニタリングしていたわけですが、その標的のなかに挙げられた外交や経済情報のターゲット国に、日本の名前もありました。
 3つめは、文章内にはないのですが、NSAがマルウェアなどを仕込んだPCやサーバーの数を表す表記を各「地点」に記した世界地図で、しっかりと日本にもその痕跡がありました。つまり、日本国内の相当数のPCやサーバーがNSAによって侵入口を作られていたわけです。
 まあNSAにとっては日本など「その他大勢」の部類ですが、無防備では困りますね。
 ちなみに、ワイドナショーのユーチューブ映像は以下。
▽【松本人志】ワイドナショー B面② 2013年6月 世界が騒然!元スパイの内部告発


  1. 2014/06/13(金) 15:45:54|
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アサド再選「得票89%くらいにしておきますか?」

 仮定の話。
 たとえば北朝鮮で指導者の選挙が行われたとします。個人独裁との批判をかわすため、金正恩はどうでもいい対立候補を2人くらい立てます。ですが、選挙結果は圧倒的支持で金正恩当選になります。当然ですね。それが独裁体制というものです。

 さて、北朝鮮同様の世襲独裁秘密警察国家シリアの場合。
 アサド大統領が88・7%の「得票」で再選されました。独裁政権の官製選挙だと90%超えがあたりまえなのですが、内戦中でもあるし、「ここは少し少なめにして80%台後半でどうすか?」と側近グループが話し合って「設定」された数字ということになります。
 シリアのような国では、こういった選挙は民意とはまったく何の関係もありません。開票もちゃんと行われず、「選挙をした」という体裁と、後は政権側が「どのくらいの得票にしちゃおうか?」と随意に決めるだけの話です。
 もっとも、実際に投票した人の多くは、おそらくアサドに投票しています。今回の投票は政権側支配エリアだけで行われたわけですが、アサドと書かないと酷い目に遭うからです。
 在外公館での投票もそうですね。じつは内戦が3年をすぎ、海外に逃れたシリア人には「パスポート期限切れ」という問題が生じています。旅券が切れるといろいろ不都合なことが出てくるので、シリア大使館とはなかなか敵対できません。それで今回も、在外公館でアサドに投票した人が少なくありません。
 比較的民意が現れるのは、難民キャンプでの世論ですね。こちらも本国の親族が人質にとられ、思うように発言できない人が少なくありませんが、それでもシガラミを断ち切って本音で話せる人の割合が多いので、こうした人々の世論動向がもっとも真実に近いということになります。
 難民キャンプはこれまでさまざまなメディアが取材してレポートを発表していますので、とにかく反アサドが大勢ということは明白ですが(いつぞやテレ東でかの池上彰氏も取材していました)、参考になるのがこのレポート。まあ数字は妥当な線でしょう。
▽Syria's 2014 Presidential Elections: Internally Displaced Syrians and Refugees Give their Verdict (アラブ調査政策研究センター (ACRPS)の世論調査)
 難民を対象にした世論調査です。
 今回に選挙については、17%が「有効」、78%が「無効(非合法)」と回答しています。
 内戦の解決に必要なことについては、回答者の64%が「体制変更」、23%が「和解」、6%が「政権勝利」との回答です。
 また、民衆蜂起6ヶ月目までと、3年後の意識比較では、反体制支持が52%から60%へと増。アサド支持が19%から13%へと減。中立派が28%から15%へと減(この他、3年後だけの調査で「どちらも反対」派が11%)。
 希望する将来のシリアは「世俗国家」が50%、宗教的国家が30%。
 現在のシリアをもっとも支配している勢力については、28%がイラン、22%が「アサドとアサド家」、16%がロシア、10%が秘密警察、6%がヒズボラ、4%が軍部、1%が富豪との回答でした。
 以上をみると、大雑把に言えば、反体制派支持が6割、アサド支持が1割、どちらも反対派が1割、その他が2割といったところですね。

 欧米主要国などが「選挙は茶番」と断定していることについて、反米バイアス方面からは反発もあるかもしれませんが、まあシリアの実情をご存じないだけのことでしょう。
  1. 2014/06/11(水) 15:50:50|
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パキスタン・タリバン運動(TTP)はカラチ最凶のマフィア組織

 カラチ空港が武装集団に襲撃さて、少なくとも5人が殺害された模様です。おそらくパキスタン・タリバン運動(タフリーク・エ・タリバン・パキスタン=TTP)でしょう。TTPは今年3月1日にパキスタン政府と停戦しましたが、停戦は1か月で破れています。
 カラチでは2011年にもパキスタン海軍基地が襲撃され、10人が殺害されています。
 
 もっとも、TTPの存在はこのところ、こうした反政府ゲリラ組織というよりは、都市部を縄張りとする犯罪集団という面が非常に強くなっています。
 なかでもカラチは、とくに2007年に紛争を逃れてパシュトゥン人が大量に流入し、現在は約1300万人のカラチ市の人口のうち、400万人にも達しているとみられていますが、TTPはその中の事実上の最凶マフィア組織となっています。とくにパシュトゥン人の伝統的な部族社会の長老・有力者を脅迫・殺害して影響力を強めており、日常的に誘拐、殺人、恐喝、銀行強盗、密輸などを生業としています。
 もちろん政治的には反米イスラム過激派なので、アメリカおよびパキスタン政府と対決しています。パキスタンの政治勢力、公安機関もテロの対象となっています。
 かつての極左組織にもあった例ですが、政治的過激派が見通しのない闘争の中で分裂し、一部が先鋭化し、むしろ犯罪集団化に突き進んでいくというコースを辿っているようです。
  1. 2014/06/09(月) 08:18:44|
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天安門事件から25年

『週刊新潮』先週号にコメントを採用していただきました。中国のネット監視についてです。
また、『週刊現代』今週号にもコメントを採用していただきました。中国問題です。
また、まもなく発売になる『SAPIO』と『週刊朝日』にもコメントを採用していただきました。こちらもいずれも中国問題です。

 さて、6月4日は天安門事件25周年でした。もう四半世紀なのですね。
 当時の取材の様子は以下です。
▽写真館23 中国民主化運動
 なにぶん四半世紀前のことなので、細かいことはうろ覚えなのですが、あれは確か1989年4月末か5月はじめのこと。友人と痛飲して爆睡し、遅く起きた朝にテレビのニュースで天安門広場の学生デモの様子をみて、「あ、これは行かねば」となったように記憶しています。当時は、半年に及ぶニカラグア内戦の長期取材から帰国したばかり。久しぶりの日本に連日、友人たちと飲み歩いていた頃です。
 それで北京に行こうとなったわけですが、ちょうど大型連休ということもあって、ビザ取得も時間がかかるし、北京便も満席。それでいったん香港に飛んで、ビザを即日入手。ただ、香港=北京便も満席だったので、その日の船の夜行便で広州に行きました。船はたしか未明到着で、時間調整で港で朝まで停泊。その後、広州空港に行って、混雑する窓口でちょっとしたバトルをし、なんとか国内便でその日の午前中に北京に入れました。結果的に交通費がかなり安くつきました。
 天安門広場、いくつかの大学などを取材しましたが、とにかくたいへんだったのは、北京が広いこと。市内の移動ですね。結構歩きました。
 あと、広場では混雑ですね。足場がないので、脚立が必須ですが、持っていなかったので撮影に難儀しました。
 取材そのものはそう難しいものではありません。学生さんたちは外国人記者ウェルカムですから、話を聞くのは容易です。当時は私もほぼ同世代ですから、友達感覚で受け入れてくれます。当局側の取材はできませんでしたが、それはしかたがありません。
 そういえば、同じホテルに宿泊していた香港のTV局のインタビューを受けましたが、何を話したかは覚えてません。

 私が行った頃は、デモ側にもまったく緊張感はなく、楽しい学園祭のような雰囲気でした。趙紫陽なども学生側に立っていましたし、後に軍が投入されるなど、誰も想像もしていなかったはずです。
 大きなデモをいくつか取材し、帰国しました。私は週刊誌で訓練を受けたので、基本的には「ニュース取材」スタイルでした。その週の事件を取材し、旬のタイミングで記事化するわけです。前述したニカラグア内戦の従軍取材は長期戦になりましたが、そういうのは自分では例外的で、たいていは短期決戦ですね。
 それで5月中に帰国したため、6・4は日本でTVニュースで見ました。6月中の北朝鮮取材が決まっていて、その準備があって(一時旅券取得とか)その頃は動けない状態だったからしかたなかったのですが、やはり6・4を現場で目撃できなかったことは、自分では忸怩たる思いはあります。
 事件1周年はちょうどニューヨークに住んでいたので、アメリカで亡命活動家を取材しました。ワシントンの集会では上記の写真館23にあるように、柴玲さんも取材しました。ただですね、亡命活動家の間でもいろいろあるらしく、当時から内部では結構バトルがありました。まあ人間ですからしかたないですが。
 それにしても、もう25年! いやもうそんなになりますか・・・
  1. 2014/06/08(日) 07:27:53|
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シリア選挙国際監視団の噴飯

 シリア大統領選挙の茶番劇に付き合う国は、ロシア、イラン、レバノン、タジキスタン、ベネズエラ、ボリビア、ジンバブウェ、ウガンダ、フィリピンだそうです。
 ロシアとイランはアサド政権と極悪枢軸の同盟国。レバノンはヒズボラの国内事情。タジキスタンはロシアの顔色伺い。ベネズエラとボリビアは反米仲間。ジンバブエとウガンダはダメダメ腐敗国家。フィリピンはちょっと謎です。

 さて、反体制派を支援しているのは欧米主要国とカタール、サウジだけ!というような言説を散見しますが、他の国はいずこに?
  1. 2014/06/02(月) 13:35:42|
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スノーデン情報の核心は「盗聴」より「ハッキング」

▽NSAが大量の顔写真を収集 米紙報道(cnn)
 つい先日は、中国ハッカー部隊の個人5人をアメリカが訴追するなど、サイバー戦がどんどんインテリジェンスの主戦場になってきていことが伺えますが、スノーデン情報の核心も、要はNSAによるネット情報へのハッキングとデータ処理にあります。
 スノーデン事件は当初、携帯電話の盗聴などがクローズアップされましたが、スノーデン情報をスクープしたグレン・グリーンウッドの「暴露~スノーデンが私に託したファイル」などを読むと、とっくインターネット監視がインテリジェンスの最前線であることがわかります。スパイの世界もかなり変化しているということです。
 なにせデジタルデータですから、処理自体は可能なわけです。分量との戦いになりますが。
「暴露」(原題は「No Place to Hide」だから「すべては監視されている」のほうが良かったのでは? バムフォード本の邦題「すべては傍受されている」と似てますが)には彼ら(スノーデンやグリーンウッドたち)の理想論も書かれていて、なるほどと思う部分もありますが、要は「脅威のリスクを負っても自由優先」がいいのか、「自由を制限しても脅威排除優先」がいいのか?ということです。
 もっとも、これはそれを「ゼロか、100か?」で極論する必要はなく、その間で「少しの自由制限で少しの脅威排除」を目指すという道もあります。それもその匙加減は無数の選択肢があるわけですが。
 学校に例えると、「自由な校風だけど不良だらけの暴力校」と「不良皆無の少年院みたいな厳格校」のどちらがいいのか、というようなことでしょうか? うーん、個人的にはまだ前者のほうがマシかなあ・・・
  1. 2014/06/02(月) 13:03:32|
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中国は今後もおかしくなりそう

▽中国軍機:自衛隊機に30メートル 異常接近…東シナ海上(毎日)
 中国は防空識別圏を設定しましたから、こうした行為に出てくることは必定。少しずつ頻度を上げていくでしょう。
 尖閣奪取のための波状攻撃をまだまだ続きます。海軍艦艇を領海ギリギリまで進めるとか。偽装漁民の上陸なんかもありそうですね。
  1. 2014/05/25(日) 08:00:57|
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プーチンが日本に揺さぶり

▽プーチン氏、制裁同調に不快感 共同通信などと会見(共同)
 領土問題に関しては、従来の姿勢となんら変わらずですね。ウクライナ問題でまあ揺さぶりをかけてきただけです。
  1. 2014/05/25(日) 07:36:54|
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北朝鮮の砲撃は核実験の布石か?

▽北朝鮮軍が韓国海域に2発砲撃 韓国軍は応射(聯合ニュース)
 150メートル。近いですね。
 今回の砲撃の意図について「韓国の朴槿恵政権に対するメッセージ」というような見方があります。まあ、その程度であればいいですが、ここではちょっと違う見方を考えてみます。
 北朝鮮はこれまでもいろいろ挑発行為はやってきていて、それらに対して「隠されたメッセージ」の裏の裏を推測するのが日韓メディアなどではよく見られるわけですが、その可能性はあるとしても、それはそれとして、従来の北朝鮮の言動に関しては、「オモテの公式声明」と突き合わせても、ほとんど矛盾は見られません。
 北朝鮮の行動はしばしば「暴挙」と形容されますが、北朝鮮はそれなりに大義名分というか、彼らなりの理屈を必ず通して行動します。なので、今回も「隠されたメッセージ」を出したということではなく、自分たちの理屈で動いている可能性があります。
 たとえば、かの海域は南北双方が自国領域と主張してる海域で、かねて北朝鮮は、そこを事実上実効支配している韓国軍を非難してきました。北朝鮮側としては、当然の主張ということになります。
 そのうえで、昨日、公式に攻撃予告の警告声明を出しています。それを韓国側が無視したということで、警告攻撃を本日したという「形式」になっています。
 本日、韓国側も北側に報復の警告砲撃をしていますが、北側はそれを「理不尽な攻撃」と見なすことになります。
 つまり、北朝鮮側の理屈としてはあくまで韓国側が悪いとなるわけです。
 となれば、北朝鮮の理屈としては、それに対して正当な報復をしても構わない、ということになります。なので、今後、さらに何らかの軍事的挑発を強行する可能性があります。
 もしそうなれば、韓国側はさらに報復しますから、緊張はさらに高まります。そのうちアメリカも北朝鮮に何らかの圧力をかけるという事態に発展するかもしれません。
 もしもアメリカが北朝鮮に圧力をかけた場合、どうなるでしょうか?
 北朝鮮はかねて公式に、アメリカの理不尽な圧力には、抑止力強化で対応することを明言しています。つまり核実験やミサイル発射実験の口実とできるわけです。
 とくに北朝鮮は核実験の準備をすでに整えているとみられますが、現在、中国がその中止を強く働きかけている形跡があります。しかし、アメリカの圧力という口実があれば、北朝鮮は「しかたなく追い込まれた」との理屈で中国の反対を押し切りやすくなります。
 これはあくまで北朝鮮の従来の言動を振り返っての推測ではありますが、北朝鮮の挑発行為は、「隠されたメッセージ」ではなく、彼らなりの理屈に則った「手順」である可能性があります。核実験の話はなんとなく小休止状態になっていますが、決して「終わった話」ではありません。今後も注視していく必要があるかと思います。
  1. 2014/05/22(木) 23:57:42|
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2005年の国防論

 インテリジェンスの基本ですが、「人は誰でも、限られた情報をもとに不完全な分析をして、間違った判断を下しがち」ということがあります。どんな優秀な人でも、常に正しいなどということはありえません。
 なので、情報が更新されれば、判断をどんどん変化させていくのが、じつは健全な態度ということになります。「私はブレない!」などと自慢する人が、インテリジェンス的には落第になります。そういった意味で、以前も書いたことがありますが、鳩山元首相の「学べば学ぶほどわかった」との最高権力者としての画期的な発言は素晴らしいです。学ぶべきことがもっといっぱいありそうですが。
 ということで、政治家の方々も、ときの情勢、ときの立場で発言を変えるのは、私は全然アリだと考えています。むしろ、状況が激変してもずっと同じ主張に拘泥しているほうが害悪が多いようにすら感じます。一般論ですが。

 ということで、憲法解釈変更が話題になっている今、2005年に私が編集・構成(インタビュー)を担当した『日本の防衛7つの論点』を読み直してみたら、なかなか感慨深いものがあったので、当時の何人かの政治家のインタビューをご紹介します。

 まずは石破幹事長。当時は最初の防衛庁長官をやめたばかりで、自民党国防部会防衛政策検討小委員会委員長という立場でした。以下、記事中より抜粋。

――このアメリカとの付き合い方ですが、まさに現在、防衛問題でいちばんの話題といえば、日米の戦略的パートナーシップの問題です。アメリカが今、進めようとしているのは、日本を極東だけを対象とする同盟国ではなくて、世界戦略レベルで同盟国にしていこうというプロセスと思われますが、これについては賛成ですか?
「基本的には賛成ですが、『わが国としていかなる国益のためにどのようなことをやるのか?』……逆に言えば、『このようなことはやらないのだ』というメルクマールのようなものを整理しておくことが前提となるべきです。
 たとえば、テロ特措法やイラク特措法に基づく活動は、日本の国益に大きくかかわる話でしたが、では日本の国益にとってなんの関係もない話にも乗るべきなのかといえば、無条件にそうはならないでしょう」

(中略)

――ところで、石破さんは防衛庁長官在任中に、先ほど順位付けしていただいたような、さまざまな相手との折衝の経験があったと思いますが、そのなかでもっともやりづらかった相手はどこですか?
「うーん、やりづらかった相手、ですか……」
――たとえば、トップ3でいえば……。
「そうですねえ。やっぱり、『公明党』→『政界の実力者』→『外務省』といった順ですかね」
――公明党はやりづらそうですね。
「政界の実力者、といわれる方たちでも、個人的に法案採決の本会議を欠席したりはされていましたけれど、派閥まで動かして決定に絶対反対という行動はなさらなかった。外務省は当然、官邸とは連動していますしね。ですから、交渉がいちばん難しかったのは与党・公明党でしたね」
――長官自ら公明党に説明に行ったりということもしたのですか?
「それはありますよ」
――私の印象では、公明党も執行部は防衛問題で自民党や防衛庁とそんなに考えが違うわけでもないんだろうなという気がします。ただ、護憲・平和主義という旗がありますし、創価学会婦人部あたりに気を遣わなければならないだろうし、そういう意味では板ばさみなんじゃないかと思うんですけど。
「公明党の関係議員さんは、とても明晰な方たちでしたね。でも、公明党の支持者の皆さんが納得するような政策で初めて、バランスが取れるものになるというところもあったように思います。われわれだけだと、どうしても急進的なものになりがちですから」

(中略)

――ところで、イラク特措法などをめぐる国会審議では、相変わらず奇妙な議論がありました。有名なのが戦闘地域、非戦闘地域をめぐる議論ですね。『他国の物資や兵士を輸送するとダメ』とかいうのもありました。
 また、前任の中谷元長官のときには、その前のアフガンでの対テロ戦で、『油の補給はいいけど弾丸はダメ』とか、『普通の護衛艦ならいいけどイージス艦は出しちゃダメ』とか、なにかホントに不思議な議論がありました。イージス艦のインド洋派遣は結局、石破長官の時代まで論争がズレ込み、ようやく実現したという長期戦になっています。
 このように、石破さんと前原さんでやった敵地攻撃能力はどうするなどという議論はかなりマシなほうで、実際には特措法を重ねるごとに与野党はハッキリ言って言葉尻をめぐる攻防に相当なエネルギーを費やしていたわけですね。イラク派遣などのときにはまさに石破さんは長官としてその最前線にいた。でも、長官という立場にいる以上、たとえ茶番劇と思っていても、『そんな議論はくだらない』とか言うわけにはいかなかったと思います。まるで内閣法制局の人がずっとやってきた世界みたいなわけですけど、どんなお気持ちでしたか?
「開き直ってましたよ。『この法案をとにかく通さなきゃいけない』『インド洋へのイージス艦派遣を実現させなきゃいけない』とかの具体的な目的を実現するのが優先でしたから、そのためにはとにかくどんな奇妙な議論でも、それを切り抜けなければならないとハラを括ってましたね」
――ああいうやり取りというのは、国民の側からしても、『あの政治家たちは何をわけのわからんことでやり合ってんだろうね』と見えると思うんですね。
「それはこちらのほうだって疲れますよ。でもしかたないですね」

(中略・オマケ)
――でも、すでに防衛庁長官を経験した石破さんにとっては、たとえば再登板などということは政治家としてのキャリアを考えればほとんど旨みがない話ですね?
「まあ、政治家としてエラくなろうとすればそうですね」
――政治家として総理・総裁を目指そうとするなら、それよりも党の3役をやったりするほうが断然有利なわけです。もしも次の改造のときに、幹事長か防衛庁長官かどっちか選べと言われたらどうしますか?
「迷わず防衛庁長官ですね」
――ホントですか? 石破さん自身がそうでも、後援会や地元の支持者が許してくれないんじゃないですか? そもそも、こんなに国防問題にのめり込んでいて、いいんですか?
「たしかにときどきは『もっと農林や建設の分野をやってくれ』とは言われますが、大方の人は、ウチの代議士はこんなもんだと思ってるんじゃないかな」

 続いて前原誠司・民主党元代表。当時はまだ代表になる前で、民主党「影の内閣」のネクスト防衛庁長官という立場でした。

――防衛に関する法律をテーマに伺います。まずは基本的なところで、憲法9条と集団的自衛権行使からですが、このあたりは早急に変えていきたいということですね?
「そうですね。まあ、何かがあったときにはもう憲法改正しかないと思っています。国民にとってわかりやすいのは、9条変更ですよね。1項は残してもいいと思うんですね。で、2項はなくすと」
――2項というのは、戦力を保持しないという項目ですね。
「そう。1項はいいと思うんですよ。専守防衛の考え方が書いてあるんですね。でも、2項はどう読んだってこれは自衛隊は憲法違反ですよ。これは排除しないといけないでしょうね。
 それに、憲法には国民の権利と義務は書いてあるんですけれど、国家の義務と権利はひとつも書いてないんですね。そこで私は、国家の権利である自衛権はしっかりと憲法に明文化させることが必要だと考えてます」
――そこで2点お聞きします。ひとつは、本当は憲法改正がしたいのだけれども、憲法改正は結構面倒なので、とりあえずは解釈変更で集団的自衛権行使を認めるという道を目指すのか、いきなり本丸の改憲に持ち込もうというのか、そこはどう考えていますか?
「安全保障の問題というのは、いかに国民に理解してもらえるかということですから、『あるとき気がついたら、なぜか憲法解釈が変更されていて、やれることが拡大されていた』というのは、私は健全ではないと思ってます。もし解釈変更をやるのであれば、徹底的に国民的議論を重ねたうえでなければならない。そんなことも考えると、はやり憲法改正が望ましいと思うんですね。
 ただ、私には、9・11テロの後に政府は憲法解釈変更の絶好のチャンスを逃してしまったなという思いもあるんですね。というのも、日本はそのとき米軍のアフガニスタン戦争に参加することになったわけですが、あれは誰がどう考えたって集団的自衛権の行使なんですよ。つまりアメリカは自衛権行使ということでアフガニスタンを攻撃した。それに日本が軍事協力したわけですから。だからあのときに憲法解釈の変更がなされなかったというのは、ひとつのチャンスを逸したのではないかと思うのですね」
――米軍に給油するということは、軍事作戦の兵站に参加したということですから、あのときをもって事実上、日本は集団的自衛権行使に踏み切ったということになりますね。
「それでもとにかく、内閣法制局は武力行使の一体化はしていないと逃げているのですね。しかしですね、給油なんてことだけではなくてですね、そもそも基地を提供することも広い意味での集団的自衛権行使なんです。ですから、武力行使の一体化はしないという一点で集団的自衛権は行使してませんよというのは、私からみるとまったくのナンセンス。逃げ口上であって、屁理屈でしかありません」

(中略)

――有事法制についてですが、これを実際に機能するものに整備していくにはどうすればいいと考えますか?
「有事法制はやはり、憲法改正を経なければ魂の入ったものにはならないですね。たとえば、有事法制策定でいちばん苦労したのは、国民の主権制限をどのように求めていくかということだったのですね。そこで、公共の福祉という有事にはあまり関係のないような概念を引っ張り出してきて、それを膨らましてようやく主権制限にもっていくという非常にまだるっこしいことをやったんです。それはなぜかというと、憲法に有事とか非常事態だとかに対する緊急の概念がまったくないからなんです。
 ですから、私は憲法を改正し、平時と有事の規定を設けて、そのスイッチによって国家と個人の権利・義務関係が変わる制度をしっかり作らなければならないと考えています。そのことが憲法になければ、どんな有事法制でも有事に対応できないと思っています」
――その他の法整備についてはどうですか?
「やっぱりおかしいのは武器使用基準ですよね。これは見直していかなければならない。
 緊急避難、正当防衛あるいは自衛隊法95条の武器等防護、これがベースではやはり国際貢献活動はできないですよ。われわれが自衛隊のイラク派遣に反対した大きな理由のひとつも、危険地域に武器使用の制限を自衛隊員に強いて行かせるというのはいかがなものかということだったんですね。国際標準での武器使用基準というものを、日本にもあてはめることが不可欠です。それにはマイナー自衛権という概念を導入するのがいいと私は思っています」
――マイナー自衛権とは何ですか?
「自衛権というと、日本ではすぐに国家の自衛権の話にワープしちゃうんですよ。これは内閣法制局の悪い習慣だと思うんですが。つまりは部隊が任務を遂行するうえでの自衛権というものを認めていないわけですね。
 国家の自衛権は認めている。個人の自衛権も正当防衛とか緊急避難とかで認めている。でも、部隊が任務を遂行するうえでの自衛権というものを認めていないために、世界標準というか、国際慣習に基いた武器使用ができないというおかしな仕組みになっちゃっているわけです。
 同じようなことが、自衛隊法84条の対領空侵犯措置にもあります。法的に、領空外では自衛隊機は相手に一切手出しができないように規定されているんですね。だから領空外で仮に自衛隊機が相手を撃ち落としたら、その操縦士はおそらく刑事責任を問われることになるわけです。つまりそれは、任務遂行のための武器使用を認めてないからなんです」
――ロックオンされても逃げるしかないですものね。
「普通の国の空軍なら、ロックオンされたら反撃していいというのが常識ですが、空自の場合はロックオンされても撃ってはいけないというのが内規です。だから、他の国の戦闘機はよく自衛隊機にロックオンして遊んでいるようですよ」
――武器使用基準を新たな任務追加ごとに細かく設定していくものだから、今ではあまりにも複雑すぎてワケわかんなくなっちゃってますよね。防衛白書の資料編には武器使用基準の一覧表があるんですけれども、もうあまりにも細かすぎて読んでて頭痛がするほどです。どうして政治がこれをすっきりさせることができないのでしょう?
「内閣法制局段階で突き当たるからです。ですから自衛権の解釈を変えなければならないわけです」
――それを変えないと、結局はどこまでも細かな規定を重ねていくことになるわけですね。
「はい。ですから、集団的自衛権行使と同じなんです。最後は内閣法制局の憲法解釈あるいは自衛権解釈という壁にぶち当たっているわけです」
――法制局が自ら解釈を変えるわけもないですから、それを変えようと思えば、実際には国会で政治家がコンセンサスを作って政府に迫るなり法律を作るなりしてやらなければなりませんね。
「そういうことです。さらにそれに付随して、軍事裁判所のようなものも造らないといけないですね。おそらく一般の裁判所では対応しきれない。ある事例について、任務遂行のための武器使用であったかどうかというところで見解が分かれてくるような場合には、専門的な裁判施設でそういった判断を行なう必要性があると思うんですね。だからそういったことも整備をしていかなければならないですね」
――そういった話をすると、戦争準備だなどと言い出す人もまだいますね。
「海上警備行動や対領空侵犯措置など、日本の警戒監視にあたっていて、それで危害射撃を行なって、相手が死んじゃう可能性もあるわけですね。
 たとえば海上保安庁が奄美大島沖で北朝鮮の工作船と撃ち合いになって、最後は向こうが自沈しましたけれども、仮に海保の弾が当たって沈んだとなった場合には、あの場合は正当防衛で処理されるんだろうけれども、私はちゃんとその行為が法的に妥当であったかどうかを検証するものをむしろ設けることのほうが、実力組織にしっかりとしたコントロールを常にかけておくということで必要なことだと思います」

(中略)

――専守防衛、あるいは非核3原則、武器輸出3原則といった、いわゆる国是と言われているものについてはどう考えていますか?
「専守防衛と非核3原則はこれからも堅持すべきだとは私は思っているんです。しかし、専守防衛というのは、時代とともに中身が変わるんですね」
――そこがわかりづらいところなんです。前原さんはもちろん御自身の考えに基く専守防衛の考えがあるわけです。でも、専守防衛という言葉をもっと硬直的に、どんなことがあっても一切他国に手は出さないことだと考えている人もいる。政府は過去の国会答弁で専守防衛の定義をしたことはありますが、それでもそれが法的に明確になってるわけではないと思うんですね。結局、それぞれ主張の違う人たちが、それぞれ自分に都合のいいように解釈して使ってるのですね。
「私は、憲法9条の1項の考え方が専守防衛だと思っています。つまり、国権の発動たる武力の威嚇または行使は行なわないと。でもやられたらやり返すんだということは専守防衛の範囲内です」
――でもそうすると、世界の国はみんな専守防衛だということになりますよね。
「それはそうです。国連憲章にも同じようなことが書いてあります」
――どこの国でも軍隊は国防軍だと。自衛のためにやってるんだということですよね。そうすると、専守防衛という言葉にいったいいかほどの意味があるのかなと思うんです。逆に専守防衛を盾にして、いくらこちらに多大な犠牲が見込まれても、向こうから攻撃されるまでは絶対に手を出さないという閉じこもり戦術の根拠に利用されるとすれば、こんな曖昧な言葉やめちゃったほうがすっきりしませんか?
「専守防衛の考えそのものはいいんだと思いますよ。ただ、先ほど言ったように、時代の変化とともにその中身が変わってくる。軍事技術の革新によって、戦い方も変わっているわけですから。
 以前は海を渡って押し寄せる侵略軍を想定していたから、こちらはそれを迎え撃っていればよかった。でも今は、瞬時に飛来するミサイルがあるわけですからね。専守防衛の戦術的な内容が変わるのは当たり前のことだと思います。われわれの側から戦争を仕掛けるということはしないということに捉えればいいのではないでしょうか」

 最後に加藤紘一・元官房長官・自民党幹事長。当時は「加藤の乱」での失脚後。自民党議員。

――ところで、加藤さんといえば、いわゆる“ハト派”政治家の代表格として知られていますが、憲法改正には賛成なんですか?
「社会主義の崩壊などで国際情勢は変わりました。私は過去十数年、憲法9条もそろそろ論議の対象とすべきだと述べてきました。6、7年前に中国に行ったときにも『憲法9条は改正します』と向こうのテレビで話してます。
 ただ、諸外国に信用されることも大事だと私は思うんですね。ですから、国内での議論はもちろん、外国への説明も欠かしてはいけないと思います。ちゃんと話せばわかってもらえると思いますし」
――では、集団的自衛権行使は当然、容認という考えですね?
「そこは2点に分けて考えるべきです。2国間の安全保障と、国際社会という枠組みのなかでの集団安全保障ということですが、いずれも集団的自衛権行使を容認しないと正しく機能しないと思います。
 たとえば、日本にとっての2国間の安全保障を考えた場合、現実的には日米安保しかあり得ませんが、それを確実なものにするには、集団的自衛権行使を容認するように憲法を改正したうえで、安保条約を双務的なものにしなければならない。このとき大事なことは、それと同時に安保条約に強い事前協議制を導入することです。
 他方、国連などを中心とする国際警察活動に参加するケースも考えなければなりません。私は、国連中心のコンセプトでの集団安全保障への参加は構わないと思っています」

(中略)

――とすれば、今の憲法解釈のままでも、国連軍あるいは国連決議に基く多国籍軍なら、集団的自衛権行使ではなく集団的安全保障あるいは国際警察活動というまったくべつの概念のものとして参加できませんか?
「それも理屈だなとは思いますけれども、今の憲法というのは、『わが国は2度と海外では戦闘行為を行ないません』と決めてあるものだと思うのですよ。ですから仮に警察軍だとしても、どうしてもそれに派遣しなきゃならんとなったら、憲法改正しなきゃならないと私は考えています」

(中略)

 ――アーミテージ氏をはじめアメリカの国防当局者は、小出しに『日本は憲法改正すべき』だの、『いや、そういうことを言ったわけじゃない』だのと日本に揺さぶりをかけていますが、アメリカとしてはだんだん日本をそういう方向に引き込んでいこうということなんでしょうね。
「たとえば97年の新日米防衛協力ガイドラインといったものも、実はそうした狙いだったと思うんですよね。それに『日本の平和と安全に重大な影響を及ぼす場合に限る』というタガをはめたのが、当時の自民党執行部なんです。具体的に言えば、政調会長の山崎拓さんと幹事長の私でした」
――アメリカから『それはやめてくれ』と言ってきませんでしたか?
「それは抵抗は強かったですが、当時は自社さ政権でしたし、そうでないと通りませんでしたからね」

(中略)

――テレビでよく浜田幸一さんが『日本はアメリカの植民地なんだ』と発言してますが、戦後の占領期から現在に至るまで、ずっと日本はアメリカの言うなりになるしかなかったということでしょうか? 
「ノーと言おうと思えば言えた部分もあったと思いますよ」
――それは条件闘争のような部分に留まるのか、それとも日本の独自の戦略でアメリカに対することが本当に可能だったのか。その点はいかがですか?
「まず、実際に日本が必ずしもアメリカの言うなりにはならないようにしてきたこともあったと私は思います。
 たとえば、そもそも日本がサンフランシスコ講和条約で事実上独立したとき、当時の吉田茂首相が日米安保条約を戦略的に使おうとしたんですね。軽武装で経済を発展させる道を進もうということです。その後、岸信介首相は安保条約にしっかり事前協議を入れようとしたんですが、国内左翼の力が大きい時代で、なかなかうまくいかなかった。でも、吉田さんにしても岸さんにしても、日本の独自の戦略というものをどう実現化するかということを模索しつつ、現実の日米関係に対応していたんだと思います。
 ところが、その後、その日米安保体制の路線がごく自然なもの、あたりまえのものになり、しかもそれが日本にも好都合なシステムであったから、国民はみんなそれを享受したわけです。
 しかし、ある一点以上のことをアメリカに要求されると、そのときにはタテマエを使ったんですよ。それが憲法9条であり、社会党の存在ということだったのです。
 ところが、冷戦構造の終結とともに、冷戦構造の国内版たる自社対立路線が崩れたのですね。ちょっとタイムラグはあったけれども。そうなると、もはや『社会党がうるさくて』という方便がもう使えなくなってきたわけです。まして自社さ政権のときには社会党も政権与党になったから、対米的に口実に使えなくりました。それでだんだんとアメリカの要求をタテマエでかわすということができにくくなっていったのは事実ですね」
――政権を運営する側は、同時に2つの相手に気を使わなかったということですね。ひとつは日本国内の左翼の存在をネタに、アメリカといわばバーゲニング交渉をしなければならなかった。もうひとつは、日米同盟という基軸を揺るがせずに国内の左翼と渡り合い、国内をまとめなければならなかった。そういうことですね?
「その通りですよ」
――それにしても、つい最近まで、日米同盟で実際に軍事協力が機能していた現実と、左右陣営が言葉尻をつつき合う論争で紛糾していた日本国内での議論は、なにかものすごく温度差があったなという感じもあります。
「そうですね。今でもその名残を感じるのは、国民の中に、いまだに自衛隊を強力な軍隊だと認識していない人が多いことです」
――自衛隊は軍隊ではないという言葉を、字句通り受け止めれば無理もないことでしょう。
「政治集会などで、いまだによく日本と北朝鮮が戦争したらどちらが勝つのか?という質問を受けるんですよ。『それは力の差は歴然としてますから、北朝鮮が勝つなどということはあり得ない。あっという間に日本勝利で決着がつくでしょう』と私が言うと、『エッ、まさか!』という反応なんですね。
 彼らは、日本が瞬時のうちに打ち負かされると思っているのです。『いや、米軍に助けてもらわなくたって、自衛隊だけでも北朝鮮軍なんかに負けませんよ』と言っても、信じない人がけっこう多いんです。『北朝鮮はGNP全体でも3兆円弱。日本の防衛予算の半分しかありません。防衛費に至ってはわずか2500億円程度で、日本の20分の1なんです』というようなことを言っても、そうした集会で会う普通の人にはなかなか信じてもらえないですね」
  1. 2014/05/22(木) 14:28:24|
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ウイグル過激派のテロ先鋭化

▽ウルムチで爆発、搬送者多数の情報 市中心部(日経)
 犯行グループはウイグル過激派でしょうが、どういったグループかはわかりません。トラディショナルなウイグル人のイスラム反政府組織は中央アジア~トルコにかけてネットワークを持っていますが、そういったネットワークのセルなのか、あるいは地元の仲間内グループなのかは、現地点では不明です。もちろんある仲間内グループが主体で、でも彼らは東トルキスタン・イスラム運動などと連携している可能性もあります。いわばアルカイダ型ですね。
 ウイグルでは、こうした単発のテロが続いています。ですが、こういったテロ作戦は少人数のグループでも可能なため、一概にウイグル過激派が勢力を伸ばしているということは言えません。少人数グループが先鋭化するというのは、テロリズムではよくあるパターンです。
 今回のテロは、中国当局の取締まりに対する報復という可能性もあります。大義云々ももちろん重要ですが、報復連鎖に入ると、テロはまた先鋭化し、過激化することがあります。
▽ウイグル自治区で200人超拘束、「テロ動画広めた」疑い 中国(AFP)
  1. 2014/05/22(木) 12:39:59|
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集団的自衛権と憲法改正と積極的平和主義の個人的意見

先々週、「夕刊フジ」とテレビ朝日「ワイド・スクランブル」に、ボコ・ハラムに関してコメント提供しましたが、いずれも採用されたかどうかは未確認です。
 5月16日のTBS「ひるおび」ではコメントを採用していただきました。北朝鮮空軍についてです。
 また、18日のフジテレビ「ワイドナショー」に出演させていただきました。集団的自衛権に関してです。
 また、昨日のフジテレビ「ニュースJAPAN」で音声コメントを採用していただきました。中国サイバー部隊に関してです。
 あと、現在発売中の『軍事研究』に「北朝鮮の新型核兵器/新型ミサイル」という記事を寄稿しました。

 上記のうち、ワイドナショーの映像がユーチューブにアップされていました。
▽【松本人志】ワイドナショー 泉谷しげる×岡江久美子×八塩圭子④ 集団的自衛権 安倍首相が会見
 私は解説役で、コメンテーターではないので、自分の意見は言っておりません。集団的自衛権について、私個人の考えは以下です。
 まず、集団的自衛権行使は解禁しないよりは解禁したほうがベターだと思っています。自衛隊と米軍の共同作戦の部分で、やはり妙な足枷のせいでおかしなことがいろいろ出てきているので、それは現実として是正したほうがいいという考えです。反対派の中にもいろいろな意見がありますが、「戦争準備だ!」という極端な意見はどうかと思います。
 今回、安倍首相は集団的自衛権だけでなく、いわゆる武力行使に関しても柔軟に対応すべきだと主張しましたが、それには賛成です。これは集団的自衛権ではなく、集団安全保障などに関わる分野ですが、憲法が海外での武力行使を禁じているので、現実的には絶対必要であると考えています。
 ただですね。これを憲法解釈でどうなの?とは思いますね。憲法9条はもうとっくに死文化しているのに、トンチにさらにトンチを重ねるのは、これはもういくらなでもブラックジョークにしか思えません。なので、さっさと改憲すべきと考えます。
 安倍首相も石破幹事長もそんなことは百も承知で、それでも改憲の政治的ハードルが高いので、まずは解釈変更ということなのでしょうが、私は政治家ではないので、改憲支持。解釈改憲は邪道だと思っています。
 憲法9条は死文化していると書きましたが、「憲法9条を世界遺産に」とかの主張もよくわかりません。日本は憲法と現実が乖離した不思議な国家であり、死文化憲法など詐欺行為みたいなものと思われるのではないかなという気がしてなりません。もちろん日本は民主主義国家なので、国民の過半数がそれでいいと決めるなら、日本国民としてそれには従いますが。
 今回の安倍首相の主張は、公明党対策、世論対策ではあるのでしょうが、なんだかチョイ出し感を感じます。例えも、日本人の生命が危険に晒された場合しか想定していません。武力行使を目的にとした戦闘には加わらない。イラクやアフガニスタンでは戦わないとも明言しています。
 ということに、個人的には不満がありますね。やっぱり一国平和主義の延長だなあと。
 日本では少数意見なのは私も自覚していますが、私は安倍首相の言う「積極的平和主義」に、安倍首相が言っている範囲よりももっと大々的な意味で大賛成です。ボコ・ハラムとかアサド政権とかの極悪武装集団が実際に人々を殺害しまくってるという現実に、国際社会の一員として立ち向かってほしいと考えています。
 だいたい日本では、イラクやアフガンのケースを「アメリカの悪事」と前提した議論ばかりですが、ではアフガンでアルカイダが跋扈していたほうが良かったのか? あるいはイラクでサダム・フセイン政権が続いていれば人々は幸せだったのか? アメリカの手法に失敗は多々ありますが、放置すべきだったということでもなかったように考えています。
 何度か拙ブログに書いていますが、「巻き込まれる」という言葉、なにそれ?といつも感じます。
 いじめを見ても、巻き込まれないようにしろよ、とは私は子供には伝えたくないなあ・・・。
 まあ、ほとんどの方は同意されないでしょう。あくまで私の個人的な意見です。

 ところで、先月にスタジオに呼んでいただいたときのワイドナショーですが、以前、拙ブログでユーチューブのリンクを紹介しましたが、そのときは音声のみだったのが、その後、映像もアップされていました。同じ内容ですが、記念に貼っておきます。
▽【松本人志】ワイドナショー 中居正広×百田尚樹×乙武洋匡② 北朝鮮が砲撃

(追記: そういえば、当ブログの過去のコメント欄の投稿に対して、投稿した方と管理人を混同して抗議してくる方がおられますが、管理人は実名投稿のみですのでご理解ください)
  1. 2014/05/21(水) 15:58:01|
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ロシア軍投入は不可避?

 一時小康状態だったウクライナ東部ですが、親露派が攻勢を続け、キエフ側が鎮圧に乗り出したことから、いっきに戦闘モードに突入しました。
 これを受けて安保理が緊急会合を開きましたが、
▽ロシア、「深刻な結末」不可避と警告=ウクライナ情勢で安保理緊急会合
 ロシア、やる気まんまんですね。いや、やるでしょう。
 問題はその規模ですね。両サイドの戦力を考慮すれば、ロシア軍は空挺軍の一部投入だけで事態を掌握できますが、その後の対NATO交渉なども考えれば、いっきに大部隊を侵攻させて東部を占領してしまうことを選択するかもしれません。
 ロシアはどちらも選択できます。

(追記)
 4月29日、TBS「ひるおび」で文字コメント提供しました(採用されたかどうかは未確認)。北朝鮮核実験の関係です。
 また、現在発売中の『週刊現代』にもコメント提供しました(採用されたかどうかは未確認)。韓国船沈没事故に関連し、海自・海保の救難部門についての話でした。

  1. 2014/05/03(土) 12:37:46|
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黄炳瑞が崔竜海追い落としてナンバー2を不動に

▽北朝鮮軍の総政治局長に黄氏(日経新聞)
 拙ブログでの予想通り、黄炳瑞・党組織指導部第1副部長が崔竜海にとって代わりました。崔竜海の去就は不明ですが、彼は実績のないお飾り的なナンバー2だったので、張成沢失脚のときのような大きなインパクトはないですね。
 これで金正恩体制のナンバー2は黄炳瑞で本決まりです。
 崔竜海は軽量級の幹部だったので、どこまでも正恩崇拝を貫けば、かつての実力者のように処刑されないで、このままフェードアウトするでしょう。いずれにせよ今後しばらくは黄炳瑞を中心に、党官僚中心の政治になります。
 おそらく次は金元弘・国家安全保衛部長、あるいは他の秘密警察系の幹部が失脚するでしょう。
  1. 2014/05/02(金) 04:43:25|
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北朝鮮核実験への手順?

北朝鮮が西海海域に砲撃区域を設定したことを韓国に通知しました。
準備がほぼ整ったらしい核実験への布石でしょうか? 仮に北朝鮮が核実験をやりたい場合、本気の戦闘にならない程度の緊張を醸成し、アメリカに敵対的行動をとらせる必要があります。ので、こうした限定的挑発は要注意です。
もし私が正恩だったら、まず西海でちょっと派手に衝突し、そこからムスダン試射。安保理決議を待って核実験でしょうか。
  1. 2014/04/29(火) 11:16:59|
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黄炳瑞と新「チーム正恩」実力者たち

 北朝鮮の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)組織指導部第1副部長が朝鮮人民軍次帥の称号に引き上げられ、さらに党中央軍事委員会委員に就任していることが確認されました。政権ナンバー2格の崔竜海・軍総政治局長(国防委員会副委員長、党政治局常務委員、党中央軍事委員会副委員長)も次帥ですが、黄炳瑞もほぼ肩を並べたことになります。
 北朝鮮では昨年に当時ナンバー2だった張成沢が粛清されたことで金正恩の側近度序列が大きく変化しています。なかでも重用されているのが黄炳瑞で、彼はすでに金正恩の視察・行事同行頻度において、崔竜海を抜いて側近ナンバー1となっています。つまり、黄炳瑞の昇格は既定路線です。
 朝鮮日報によれば、「出身地や正確な年齢は判明していない。中国メディアは黄炳瑞氏が65歳だと報じたが、韓国統一部が発行した北朝鮮主要人士人物情報によると、1940年生まれ(74歳)となっている」「2010年9月に人民軍准将、11年3月に上将へと急速に出世したのに続き、今月15日には大将への昇進が確認された」とのこと。
 張成沢粛清後の北朝鮮では、表の権力では党組織指導部、ウラの権力では国家安全保衛部の権限が非常に強まっています。張成沢失脚を主導したのも、この2組織で、その中心にいた金元弘・国家安全保衛部長と黄炳瑞・党組織指導部第一副部長が重用されているわけです。 
 すでに金正恩は黄炳瑞をもっとも重用していますが、今後もしばらく最側近として重用し続けることになりそうです。
 ライバルの崔竜海は、もともと張成沢の側近で、張成沢の意向で引き立てられ、軍を押さえるために軍内監視機関である軍総政治局の局長に送り込まれた人物です。軍部の実力者というような解説もありますが、そうした立場ではなく、権力基盤はそれほど強くないと考えられます。
 また、今や北朝鮮の恐怖支配の代行人である金元弘・国家安全保衛部長ですが、こうしたウラ権力を握ったポストの人間はやがて粛清されるのが北朝鮮の恒例で、こちらも金正恩の機嫌次第ではサバイバルが危ういポジションにいます。
 現在、金正恩は比較的政治色の薄い党・軍のテクノクラート系を重用しています。党では朴泰成、馬園春、金炳鎬、姜寛一、ホン・ヨンチルら各部副部長クラス。軍では李永吉・軍総参謀長、張正男・人民武力相らですね。
 その他の実力者としては、人民保安部の崔富日部長、人民保安部隷下の政治警察である人民内務軍の李炳三・政治局長、憲兵部隊である軍保衛司令部の趙慶喆司令官などがいます。
  1. 2014/04/28(月) 15:15:18|
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ウクライナ東部で激化する流血と、ロシア軍介入へ秒読み

▽ウクライナ政権側作戦で5人死亡 ロ、「重大な結果」と警告(共同)
ロシアのプーチン大統領は同日、テレビの対話番組で、ウクライナ政権が自国民への攻撃を始めたのであれば「極めて深刻な犯罪」だと非難、「重大な結果を招く」と警告した。

▽ロシア、ウクライナ国境地帯で軍事演習開始(ロイター)
ショイグ国防相は「ウクライナ当局は一般市民に対する武力行使を決定した。武力行使を止めなければ、死傷者の数は増える」と指摘。

▽「ロシアが仕掛けた戦争」=武装集団、徹底排除を-過激政党幹部・ウクライナ西部(時事)
東部の親ロシア派武装勢力による行政庁舎占拠は「ロシアが仕掛けた戦争」と明言。「武力を使ってでもテロリストを撃退すべきだ」と断固とした対応を訴えた。

 かねて予想していたとおり、武力衝突⇒ロシア軍介入への流れですね。というか、それ以外の展開を期待できる根拠がほぼ見当たりません。
  1. 2014/04/25(金) 05:18:59|
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北朝鮮が核実験?~日本に迫る安全保障最大の脅威

 JBPRESSに寄稿しました。
▽北朝鮮が濃縮ウラン型核実験を敢行か?~日本に迫る国家安全保障上の最大の脅威(JBPRESS)
 本日4月25日はオバマ訪韓に加え、北朝鮮軍の創設記念日ということで、「今日にも実験」という見方が出ていますが、どうでしょう。
 上記記事に細かく書きましたが、どんな可能性も排除はできないものの、北朝鮮としてはこのタイミングよりはむしろ“アメリカによる追加の圧力を待ってから”という気がします。
 ただし、単なるブラフではない、というのが私の推測。近い将来に“新たな形態の核実験”を計画している可能性はきわめて高いと思います。
「北朝鮮の脅威」については、なんとなくもうみんな慣れてきてしまっていますが、核ミサイルの技術レベルは着実に上ってきています。前にも書きましたが、日本人にとってはもっと警戒すべき問題のはずなのですが・・。
  1. 2014/04/25(金) 00:55:05|
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シリア政府軍が塩素ガス使用?

 シリア政府軍が化学兵器を再使用との情報がさかんに流れていたのですが、どうも非即死性のガスを使用しているっぽいので、窒息性、嘔吐性、あるいは塩素系あたりかなと思っていたところ、少なくとも塩素ガスが使用された可能性がきわめて高いようです。
▽シリアで塩素ガス攻撃か、化学兵器廃棄での合意に抜け穴も(ロイター)
▽「シリア政権が塩素ガス使用の疑い」 米当局者(CNN)
被害エリアには直接のアクセスがないので、同情報の真偽に関して私には独自情報はありませんが、状況からみて、そういうことでしょう。
 塩素ガスは廃棄処分リストに載っていない⇒だから使用OK・・・・いかにもアサド軍の考えそうなことです。
 それに、ジュネーブ2で「樽爆弾での民間人無差別爆撃禁止」となったはずなのに、その後もどんどん使っていますね。
 前から出ていたアサド政権による捕虜拷問・大量処刑の件ですが、それもこういうことです。
▽「シリア政府、1万人超拷問・殺害」=明白な証拠と専門家チーム-安保理会合(時事)
 アサド政権がこうしたことをやっていることは、シリアではとうの昔から常識です。これは証拠写真がある部分だけで、実際にはこの何倍もの虐殺が行われています。
 もっとも、反政府軍でもイスラム過激派系の部隊のなかには、捕虜の即時処刑を行っていた部隊が、少数ですが実在します。そこでアサド政権側メディアやロシア・メディアなどは、ことさらそれを強調し、「反政府軍は暴力的」との宣伝を盛んに行っています。一部を全体に誇張する初歩的なプロパガンダですね。
 反政府軍にもいろいろいますし、全員が清廉潔白なわけではもちろんありませんが(とくに外国人主導のイスラム過激派にはひどいのが多い)、反政府軍の主流は、独裁打倒に生命を賭した志願兵です。反「反体制派」プロパガンダでは、あたかも「反政府軍は私利私欲のためだけに戦っている」「利権のために主導権争いをしている」かのような言説を垂れ流していますが、間違いです。
 外国人兵士を除けば、反政府軍兵士の多くは、なにも好き好んでゲリラになったわけではありません。独裁政権打倒のためにやむなく銃をとった人々です。政府軍兵士とは違って強制されたわけでもない志願兵ですが、反政府軍に身を投じるということが、どれほどシリアでは危険なことかを知っていれば、その覚悟のほどが理解できます。私は直接、そうして戦ってきた兵士を何人か知っていますが、死地に向かう彼らは、そんな目先の利益で動いているわけではありません。
 ついでに言えば、海外にいる活動家の多くも、ちゃんとした人々です。いまやシリア国内の反体制派からも「ホテル革命家」などと揶揄されていますが、カタール資金などに群がっているのは一部の人で、多くの人は自腹持ち出しで活動しています。私自身、そうした在外活動家を何人も知っています。主張が乱立してまとまらないのは事実ですが、カネの取り合いに血道を上げているわけではありません。とにかく誰もが命がけでやっているのですが、そこがなかなか外国の人には理解されないようです。

 そんななか、こんな情報も。
▽米・サウジ、最新式ミサイルをシリア反政府勢力に提供(ウォール・ストリート・ジャーナル)
 反体制派の中から反米系を排除し、選別して武器を流そうという試みです。戦争の趨勢は兵器レベルでほぼ決まるので、これはひとつの朗報ですが、やはりMANPADSはアメリカが認めないそうです。
  
 ところで、アサド政権は6月3日に大統領選挙を行うそうです。
 立候補者は10年以上同国に居住している人に限るそうなので、反体制派の有力者はすべて排除されます。
 というか、国際的な監視もなく、これまでどおり完全にアサド政権が管理する選挙となるので、アサド政権支配地域内のみで、アサド軍・秘密警察の監視下の選挙になります。いまや国民の半分が避難民状態ですが、その人達も投票しません。大量の難民など国外にいる人は、アサド政権側の在外大使館で秘密警察の監視の下で投票できます。
 何と言うか、まさに民主主義のパロディですね。アサド政権はこんな茶番をもって、国民の虐殺を継続していこうとしているわけです。
 いずれにせよ、アサド軍による国民虐殺は相変わらず進行中ですが、欧米諸国はウクライナ情勢にかかりきりで、シリアの危機的状況は相変わらず放置されています。国際メディアでの報道も目に見えて少なくなっているのが残念です。
  1. 2014/04/24(木) 08:13:28|
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北朝鮮が濃縮ウラン型核実験か?

▽北朝鮮核実験場の動き活発化=韓国、タスクフォース設置(時事)
 これまでの、「宇宙開発名目のテポドン発射⇒国際社会の非難・制裁⇒アメリカの圧力を口実に核実験」というパターンとはちょっと様相が違いますが、形式としては「米韓軍演習への対抗としてノドン発射⇒国際社会の非難⇒アメリカの圧力を口実に新たな形態の核実験を示唆」と、似たような手順を踏んでいます。
 北朝鮮は「言わないでやる」(例・過去の核実験)とか「言わないことは、やるふりをしてやならい」(例・昨年のムスダン)ことはよくありますが、「やると言ったことは実行」(例・衛星打ち上げ)する傾向にありますから、今回もやる可能性は充分にあると考えて対処すべきでしょう。
 新たな形態の核実験ですが、韓国国防部では「濃縮ウラン型とプルトニウム型の同時爆発」「連続爆発」「強化型爆弾」のどれかを想定しているようです。私としては、もっとも可能性が高いのは濃縮ウラン型と考えています。
 いずれにせよ、この問題は、日本の安全保障においては最重要な問題なのですが、どうもあまり注目されないのが歯がゆいですね。
  1. 2014/04/22(火) 12:04:17|
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プーチンが軍投入の布石

 プーチン大統領という人物は、嘘でもいいから「形式」を重視していることは、拙ブログでも指摘してきました。なので、なにはともあれプーチンの言動に注目すべきです。とくにその言葉の示す意味について。
 ということで、本日はこんな発言が出ています。
▽ウクライナ東部への軍投入は「深刻な犯罪」、ロシア大統領が非難(ロイター)
▽ウクライナ東部問題、武力行使の必要ないことを望む=ロシア大統領(ロイター)
(大統領は、国民とのテレビ対話で、ウクライナ東部でロシア系住民を支援するため可能な限りのことを行うと表明。ただ、ウクライナ東部で軍事力を行使する権利を使うことは望んでおらず、政治と外交的手段でウクライナの問題を解決できることを望んでいる、との考えを示した。大統領は「東部ウクライナの人々の権利を守り、彼らが自主的に自分たちの運命を決定することを支援するため、われわれはできる限りのことを行う必要がある」と語った)
 わかりやすいですね。
 プーチン大統領は、
「地元のロシア系住民から支援要請があれば、必ず助ける」
「キエフ側が武力鎮圧に出れば、しかたなく武力行使する」
と宣言しているわけです。これはやるつもりですね。
  1. 2014/04/18(金) 00:24:45|
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ウクライナ無政府状態化

 ウクライナ情勢について、昨日の『夕刊フジ』にコメントを採用していただきました。
 それにしても、ウクライナ東部の騒乱は、前々回のエントリーで予測したような展開になってきました。プーチン大統領が動くとすれば、電光石火でいっきに状況が変わる可能性が高いと思います。
▽ウクライナ東部マリウポリ、政府部隊基地を親ロシア派が襲撃(ロイター)
▽親ロ派がウクライナ軍装甲車を手中に、政府は東部の事態掌握しきれず(ロイター)
(6台の装甲車のうち1台を警備していた兵士はロイターに対し、ウクライナ軍の第25落下傘部隊に所属していたと明らかにした。同部隊はウクライナ政府がスラビャンスクとクラマトルスクを占拠している親ロシア派勢力の強制排除に向け配備した部隊。この兵士は「われわれは自国民に対し銃を向けない」と話しているという。分離派の広報担当者、および地元住民は、ウクライナ軍の兵士は分離派との話し合いの後、自主的に装甲車を明け渡したとしている)

(ご紹介)
 以前、歴史群像でお世話になった敏腕フリー編集者Mさんから、新刊をいただきました。
▽『世界最強兵器 TOP135』(竹内修 あかぎひろゆき著・遊タイム出版)(⇒アマゾン
 戦車や戦闘機など小火器以外の兵器のランキングです。単なるスペック上の優劣ではなく、その時代時代の特徴を重視した評価ですね。入門者向けの注目兵器図鑑としても読みやすいです。
  1. 2014/04/17(木) 12:56:24|
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甘い見立てはプーチンには通用しない

 さて、東ウクライナで戦闘が始まったようです。ロシアが本格介入する条件が整いました。当ブログでかねて指摘しているように、条件さえ整えばプーチンはやるでしょう。
 前エントリーでも指摘しましたが、諸々の損得勘定からプーチンもそこまでするまい、というのは甘い見立てと思います。ロシアが実際に動いてきた流れは、明らかに「ウクライナ介入」です。公式に「連邦制」と言っていますから、最低でも連邦制までは強引に持っていくでしょう。あのプーチンが決めたことから引くということは、最近のプーチンの言動から見て考えにくいと思います。
 それだけではありません。プーチンはロシア系住民の守護神を自認していますから、現地の親ロシア派がロシア編入を要求した場合、受け入れるでしょう。これもプーチンの言動からすると、そう考えざるを得ません。クリミアとは条件が違うのはそのとおりなのですが、プーチンの言動はそれなりに一貫性があります。
 ウクライナ報道をみていて、いろいろ異論はあるのですが、根拠が薄いなと感じた点を2点。
 ひとつは、「東ウクライナの状況は、そこに世界の耳目を集めて、クリミア編入を既成事実化するための策謀」という見立て。そうかもしれませんが、そう判断する根拠がまったくありません。単なる想像でしかないわけです。率直にいって、そんなことではないように思っています。
 もうひとつは、「東ウクライナをロシアが編入すると、西ウクライナが完全にNATO側になるので、ロシアは東ウクライナを編入しない。ウクライナ全体を緩衝地帯にしたいはず」との見立て。なるほど合理的に考えればそうかもしれませんが、あのプーチンが今更、西ウクライナを緩衝地帯にできると考えていると判断できる根拠が弱いです。プーチンにとっては、限りなく独立に近い連邦制でもいいですが、状況次第では東西分裂で東部を手に入れるのも選択肢です。
 どういうかたちにせよ、東ウクライナをプーチンはとりにいく・・・ロシアの動きとプーチンの言動からすれば、その可能性がもっとも高いと思われます。
  1. 2014/04/16(水) 05:46:23|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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