ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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シリア政府による停戦破りの裏ワザ

 最初からあり得なかった「停戦」ですが、アサド政権の停戦破りの手法に関して、重大な疑念が出てきています。
 停戦期間中にいくつもの爆弾テロが発生し、「反政府側の停戦違反だ」と政権側は主張しているのですが、これは実は、政権側の自作自演の可能性がきわめて高いと思われます。というのも、これまでシリア国内での爆弾テロの多くに犯行声明を出していたイスラム過激派「ヌスラ戦線」が、今回は明確に関与を否定しているからです。
▽Islamist group denies carrying out Damascus bombing(AL ARABIYA 28 October)
ヌスラ戦線はそもそも今回の停戦に合意していませんし、爆弾テロは肯定どころか誇示していたぐらいの組織なので、もしも関与していたら否定することはないでしょう。ヌスラ戦線以外の新規の反政府過激派による犯行の可能性がゼロではありませんが、今回は国内の深刻な対立状況から考えても、動機の面から考えても、アサド政権の工作機関による偽装破壊工作の可能性がきわめて高いと考えていいでしょう。
 現時点ではエビデンスがありませんから、状況を考慮しての「可能性の順位」ではありますが、少なくともかなりの確率で「反体制派のテロ<<<<アサド政権の自作自演」ですね。

 ところで、それともうひとつ気になることに、ここ数日、アレッポのアル・アシュラフィーヤ地区で、地元のPKK(クルド労働者党)部隊と自由シリア軍の戦闘が激化していることがあります。
 トルコ政府と戦っているPKKは、もともとアサド政権ともそれほど近い関係ではありませんでしたが、シリアを対トルコ戦の後方拠点とするかわりに、反政府軍にも加わらないという立場をとってきています。
 もっとも、砲撃事件でシリアとトルコの対立が顕著になってきてからは、アサド政権はPKK取り込みを図ってきているようです。クルド人にも様々な立場がありますが、PKKがアサド政権の傭兵化すると、シリア内戦は余計な抗争がひとつ増えることになります。
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  1. 2012/10/29(月) 18:13:06|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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