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ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

尖閣問題で初めて寄稿

 尖閣問題で初めて寄稿してみました。
▽領土問題に「希望的観測」は通用しない~日本が後れを取ってはならない既成事実化競争(JBpress)
 今もほぼ毎日、あちらは何かやってきますね。今後も何かやってくるのは確実です。甘く見てはダメだと思いますね。

 ところで、所用で福岡に来たのですが、中国人観光客の姿がほとんど見えません。溝はけっこう深いのでしょう。

(追記)
 と寄稿した矢先に再び海監が領海侵犯しました。

 このまま無策の場合のシナリオだと「中国公船と海保が尖閣海域に常駐」⇒「香港、台湾の活動家・漁船、中国漁船の領海侵犯常態化」⇒「両国にらみ合いのまま、どちらかというと『中国のモノ』的な雰囲気に徐々になっていく」⇒「日本の実効支配が完全崩壊」というところでしょう。いずれ取られてしまうでしょうね。
 日本側が実効支配を固めたいなら、「海自派遣」⇒「日本国政府の施設として船だまり&避難施設建設」⇒「海保が魚釣島に半常駐」⇒「総理大臣上陸パフォーマンス」。中国側は猛反発しますが、あちらが打てる手は現実には限られています。
 ここまで迅速に済ませれば、尖閣争奪戦はゲームセット。相手は侵略(軍事攻撃)しか選択肢はなくなります。

 と、上記2つのシナリオしかない感じです。
 後者シナリオで、「中国に攻撃されるから大変なことになる」と考えがちですが、いくら中国でも今は「侵略」はそんなに簡単にはできません。攻撃者=中国という一方的な図式になりますから、多少のごたごたはあっても、現状維持で固まっていくでしょう。
(国際社会の「空気」が重要になってきますから、日本は「領土問題は存在しない」とか言うより、中国が何か仕掛けてくるたび、「中国が侵略を企てている」ことをあらゆる手段でアピールすることが肝要です)

 今、日本政府や親中派の方々が期待しているのは、「棚上げ復活」⇒「日本の実効支配継続」ですが、無理でしょうね。
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  1. 2012/10/25(木) 01:47:18|
  2. 著作・メディア活動など
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  4. | コメント:4
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コメント

日本政府はすでに細かく反論しています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/qa_1010.html#qa09
なので、べつに日本人が知らないわけではありません。
(知らないのに単にナショナリズムなだけの人もそれはいるとは思いますが)
  1. URL |
  2. 2012/10/28(日) 12:23:45 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

同じ力で押し返せ

領土問題というのは、ただ守るだけでは維持することさえ出来ない。
押されたら同じ力で押し返して、やっと現状維持が出来るのだと思います。

もし日本政府が言葉通り現状維持を望むなら、旧満州国の独立運動を支援して起こすくらいのことはしないといけないのでは無いでしょうか。

「武力」によらない解決を望むなら、そういう方法になるのは当然の事と思うのですが...
  1. URL |
  2. 2012/10/28(日) 21:12:41 |
  3. plex #GCA3nAmE
  4. [ 編集]

>日本政府はすでに細かく反論しています。

 足りないのは,海外へ向けての発信能力だけですね.
 たとえば冷泉氏は,こんなこと言うてます.

>尖閣を巡るPR合戦をどう戦えば良いのか?  冷泉彰彦(作家・ジャーナリスト)
>ニューズウィーク日本版2012年10月3日(水)11時49分,
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121003-00000301-newsweek-int
  1. URL |
  2. 2012/10/29(月) 00:09:01 |
  3. 消印所沢 #-
  4. [ 編集]

冷泉氏の記事を拝読しました。たいへん興味深い指摘ですね。なるほど単に声をデカくすればいいというわけではないというのは納得です。アメリカのメディア論調を制した者が勝つとすれば、中国のテクに学ぶべきことも多い気がします。
  1. URL |
  2. 2012/10/29(月) 08:01:36 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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