ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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シリア政府側の映像

 情報は多方面から入手したほうがベターではあるので、アサド政権側の情報は何かないかとときどき探してもいます。シリアの政府系メディアは、ニュースソースとしてはほとんど役に立ちませんが、シリア政府の考えとかを知るぶんには有効です(バシャールのアピールばかり見せられるのは、朝鮮中央通信と同じで、辟易しますが)。
 情報戦でファクトを知るために有力なのは、証拠性の高い「映像」なので、映像的にどうかなと探すと、反体制派のようなナマ映像のネット投稿は非常にレアです。きちんと数えたわけではありませんが、10:90とかいうより、たぶん1:99くらいの大差です。まあ、このあたりの落差をきちんと実感できれば、シリア政府のプロパガンダに惑わされたりはしないはずなのですが・・・。
 政権側の映像情報は、そういうわけで、ネットでも政権側メディアがソースの映像がアップされていることがほとんどです。「加工済み」の情報ですね。そういうのはいろいろありますが、シリア政府系TVよりはロシアのTVのほうがわかりやすいものが多いです(あと、イランの英語放送「プレスTV」とかもありますが、ほとんど役に立ちません)。こういうのをソースとすると、インテリジェンス的には落第なのですが、いちおういくつか紹介します。
▽アメリカが認めた過激派への武器輸出
 10月16日。ロシア・トゥデイ(RT)。RTは実質的にロシア政府所有の外国語放送。ダマスカス、ベイルート、テルアビブなど世界中に特派員が常駐していて、ネットにもアップされるので、シリアの政府側の情報を知るのに便利。なるほどこればかり視ていれば、反政府軍はテロリストと信じてしまうかも。
▽シリアの英語放送
 10月15日。上記とほぼ同じ内容。この手のもいろいろあります。フランス語も多いです。番組の作りはロシアのTVのほうがやはり上ですね。
 RTは下記のような映像も強いです。
▽トルコに強制着陸したシリア機の内部
 10月13日。RT。トルコ警察は目出し帽姿! ロシア人はロシア大使館とのコンタクトなしでは何も話さないと言ってますね。
 最近の映像モノでは、先月アップされた下記がいちばんわかりやすいです。
▽ロシア24のシリア最前線レポート
 9月24日。ロシアの国営放送「ロシア24」のドキュメンタリー。オリジナルはロシア語ですが、ユーチューブ版では英語字幕がついています。
 これまで流れた「反体制派はテロリスト」宣伝に使われたネタが全部詰め込まれた作りなので、それを総ざらいするには便利です(というか、これら以外には政権側が使えるネタはないということですが)。
 基本的にはヌスラ戦線らの爆弾テロなどのレアケースを大フィーチャーして「反体制派はすべてテロリスト」と繋げる、いつもの手口です。反体制派の映像もバンバン流用しているのは、それらがホンモノと認めているからでしょうが、「アッラー・アクバルと叫んでいるから過激派」とか、シャビーハが屯所にしていた元病院への反政府軍の攻撃の映像を使って「テロリストが病院を攻撃して民間人を殺害」とか、どうしても無理やりな解説になっています。
 ただし、政府軍やシャビーハへの直接取材は、ロシア・メディアならではのものなので、そこは参考になります。とくに取材班は実際にアレッポの最前線に従軍していて、従軍シーンはなかなか見応えがあります。政府軍側への従軍映像は非常にレアなので、それも非常に興味深いです。装備や動きを見た感じでは、やはり現役の正規軍なだけに、反政府軍より統制がとれているのは否めない気がします。でも、どうせ従軍するなら、市街地を無差別砲撃するシーンとか、戦闘機で市街地を無差別爆撃するシーンとかも撮ればいいのに・・・。
あと、これだけ従軍していれば、政府軍兵士に囲まれた住民のインタビューなどというものではなく、政府軍を大歓迎する最前線の群衆を撮影する機会はいくらでもあったはずですが、まったくないですね。現実にそんなシーンはなかったからです。反体制派が酷いことをしていると言うのなら、当然地元の人が自発的に撮影しているはずの現地発映像を使えばいいのですが(逆パターンはもう数千点単位でありますが)、それもまったくないですね。こういうものを視る場合、当然使われているべきシーンが使われていないことに気づくと、事実が見えてきます。
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  1. 2012/10/17(水) 11:29:16|
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  1. 2012/10/17(水) 18:06:59 |

プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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