ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

ビンラディン襲撃の押収データ

 ディスカバリー・チャンネルの「ビンラディン襲撃作戦 押収品の全容」を興味深く視聴しました。米軍特殊部隊がビンラディン邸から持ち出したPC5台、ハードドライブ10台、USBメモリ、書類などからわかったアルカイダの真の姿(の、もちろんその一部)を紹介しています。
 ビンラディンはアルカイダの方針をめぐってザワヒリと主導権争いがあったようです。ビンラディンはあくまで対米テロを志向。対するザワヒリはアルカイダ戦闘員の現場を知っているため、それは無理と判断。中東・中央アジアでの活動に絞っています。ビンラディンはアルカイダ幹部との連絡はキープしていて、それなりに詳細な情報のやりとりもしていましたが、戦闘部門の作戦とは事実上、切り離されていたようですね。
 ただ、ビンラディンが正しかったこともありました。ビンラディンは最初から、攻撃はアメリカに絞ることを主張しており、市民を巻き込む無差別爆弾テロには「イスラムの同胞の血が流されれば、自分たちはやがて孤立する」として反対。結果はビンラディンの言ったとおりになりました。
 組織としてのアルカイダは、CIAが思っていたよりずっと細かく組織されていたようです。戦闘部門だけでなく、財務部門、サービス部門、組織管理・運営部門などが整備されていて、非常に細かい予算の記録がありました。ちなみに、支出額は作戦準備・実行、あるいは訓練の予算よりも、いわゆる人件費がもっとも多額になっています。
 アルカイダは豊富な資金源があるわけではなく、けっこうカツカツだったこともわかりました。主な収入源はパキスタン北西部などでの勝手な徴収。つまり「追い剥ぎ」だったようです。
 ビンラディン邸からはビデオ映像も押収されましたが、アルカイダの宣伝映像や軍事教則などは一切なく、家の中の様子を写した「ビンラディン家のホームビデオ」ばかりだったそうです。また、どういうソースなのかは番組では明示していませんが、ビンラディン家は妻たちのトラブルがあったようです。ビンラディン邸では3人の妻が同居していましたが、ビンラディンと同衾するのは29才のいちばん若い妻ばかり。62歳と54歳の妻の間で深刻な問題が生じていた形跡があるとのこと。一夫多妻もたいへんそうです。

 番組ではアメリカ側の動きも解説していました。
 ビンラディン追跡は、オバマ政権になってCIAに強力に指示が下されたこと。アフガニスタンの基地内での自爆テロでCIA要員多数が殺害された事件の後、CIAがいわば弔い合戦に本気になって取り組んだことなどが紹介されています。
 対テロ戦に関しての情報で面白かったのは、ビンラディン殺害後、アルカイダ幹部が次次とパキスタン北西部でCIAの無人機で爆殺されていったカラクリです。
 番組によると、ビンラディン襲撃で押収したデータの中に、メンバーの携帯電話番号があり、アメリカ側はそれで簡単に幹部たちの居場所を特定できたといいます。なるほど、とは思いますが、そんな情報をテレビで公開していいのかな? あるいは、ホントはそんな単純なカラクリだけではないのかな?
 そのうち再放送があるかもしれませんので、そのときはぜひお薦めです。
スポンサーサイト
  1. 2012/09/28(金) 11:10:32|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<ロシア人が撮ったシリア軍参謀本部襲撃の現場 | ホーム | 自由シリア軍の手作り武器工場>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://wldintel.blog60.fc2.com/tb.php/937-5c2cf411
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

月別アーカイブ

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。