ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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故・金正日が国家安全保衛部に金正男暗殺指令

『朝鮮日報』によると、金正日生前の2010年7月、国家安全保衛部の工作員が、中国で金正男を暗殺する指令を受けたものの失敗していたことが判明しました。今年6月に韓国に潜入し、9月12日に逮捕された、この工作員の供述です。
 当時、国家安全保衛部の指揮官は、禹東測・第1副部長。金正日の直接の指揮下にあたりますが、制度上は張成沢・党行政部長の指導下になります。ただ、金正男暗殺ともなれば、間違いなく金正日の承認があったでしょう。金正日はすでにその頃、正恩への世襲プロセスを着々と進めていて、2010年9月には正恩を朝鮮人民軍大将とし、世襲を公表しています。
 ところで、北朝鮮はその2カ月後の2010年11月、延坪島砲撃で韓国との緊張を著しく高めますが、国家安全保衛部ではその直後、柳京副部長が2010年12月から2011年1月にかけて韓国を秘密訪問し、南北首脳会談開催などの対話促進で合意したものの、帰国直後に銃殺されるという事件が起きています。柳京副部長の自宅から多額のドル紙幣が発見され、スパイとして処刑されたなどといった情報が流されていますが、対南融和を望まない軍強硬派による陰謀説、あるいは金正恩世襲プロセスの邪魔になったと判断した張成沢黒幕説などもあります(真相はわかりません)。
 ちなみに、上記の柳京処刑の裏側のついて報じた『朝鮮日報』今年7月28日付によると、韓国当局は、柳京はかつて小泉訪朝を当時の田中均・外務省アジア大洋州局長とお膳立てした謎の人物「ミスターX」だったと見なしているそうです。これも真相はわかりませんが、ミスターXの正体については、これまで諸説ありました。
 朝日新聞の船橋洋一氏の著書『ペニンシュラ・クエスチョン』では、国防委員会幹部の軍人で、金哲(キム・チョル)と名乗る人物だったとされています。
 重村智計・早大教授(元毎日新聞記者)の著書『外交敗北』では、国家安全保衛部第一副部長の金チョルという偽名の人物だとされています。
 コリア・レポートの辺真一編集長は『ワールド・インテリジェンス』第3号での私の取材に「ミスターXは軍人。軍を代表する立場で、軍から出向のかたちで金正日の側近となっているような人物だろう」と解説しています。
 いずれにせよ、金正恩世襲が本格化した2010年夏から2011年初頭にかけて、北朝鮮内部では水面下で凄まじい権力抗争があったことが窺えます。

 ところで、このところきな臭くなっている日中韓の領土問題などに関し、韓国メディアも関連記事を連発しています。韓国ならではの視点で、なかなか興味深いものがあります。
(以下、最近の『朝鮮日報』日本版の注目記事)

▽自民総裁選:安倍氏が首相になれば韓中両国との関係は?

▽中国に押された日本、軍備増強の可能性

▽独島:「日本の測量船に衝突・撃沈せよ」盧武鉉前大統領が指示

▽尖閣の次は離於島、中国が紛争地域化の動き

▽フィリピン「中国無人機、領空侵犯なら撃墜も」

▽独島:橋下氏の「共同管理発言」に日本極右派が反発

▽尖閣:「日本は戦後最も好戦的」=米紙

▽大統領選:3候補、日中対立に無関心

▽空母配備急いだ中国、周辺国に武力誇示

▽【社説】独島・離於島問題に臨む大統領候補らの力量は

▽【社説】中朝日ロのミサイル大国に囲まれた韓国
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  1. 2012/09/27(木) 16:47:16|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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