ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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シリア反体制派の特殊作戦

 昨年春の早い段階で、シリア反体制派SNS内で「バシャールとマーヘルの2人を殺せば、国民は死ななくてもいい」という書き込みを見たことがあります。そこで、「なんとか暗殺作戦ができないものか」との議論が少し起きましたが、「非現実的だ」として、まもなく話題から消えました(「バシャールに死を!」といったスローガン的な書き込みはずっとあります)。
 ところが、ここ数ヶ月、「バシャールを暗殺すべし」との主張が非常に増えてきています。とくに、7月にアサド政権の最高幹部4人の爆殺事件の後、その傾向は顕著になっています。
 もっとも、ネットに書くのは誰でもできますが、実行はそう簡単なものでもあるまいというのが大方の見方でした。しかし、反体制派の一部は着々とそうした特殊作戦の準備を進めていたようです。
 現在発売中の『ニューズウイーク日本版』が、そうしたシリア反体制派の特殊作戦について書いています。日本語版のタイトルは「アサドに近づく暗殺者の影」。元記事のタイトルは「A Campaign of decapitation in Syria」です(decapitationは「斬首」のことですが、この記事の場合は「政権中枢の人物だけを抹殺する」ことを意味します)。
 記事中に解説されていますが、現在の状況をみると、この特殊作戦は非常に有効だと思います。「暗殺」と聞くと、なにやらダーティな犯罪のイメージを持つ人もいらっしゃるかと思いますが、「大量殺人犯が、脅迫した周辺の人間に大量殺戮を命じている」状況ですので、下っ端を殺すよりも、責任のない、もしくは希薄な人間の殺害を減らすためにも、よほど正当性があります。
 好記事ですので、ぜひお薦めします。
 英文元記事はネットにもあります。
▽A Campaign of Decapitation in Syria
 同誌のマイク・ギグリオ記者は、反体制派の各派、さらには暗殺作戦部隊のメンバーまで取材しています。グッジョブ!

(追記)
 道楽Q様から当エントリーにいただいたコメントに対するコメントをアップしようとしたのですが、なぜかどうしてもうまくアップできないので、こちらに貼ります。

 政権中枢の内部の実態はよくわかりませんが、私が知人から聞いているところと、反体制派SNSをみるかぎりでは、人々はあまりバシャールを「アラウィ派の利益代表」とは見ていないように思います。「アサド家とその取り巻き」に対する敵意が顕著で、当初からバシャールとマーヘルとシャウカトが死ねばオーライ的な感覚の人が多かったです。バシャールが死んでも体制内の誰かが跡を継ぎますが、体制内からの離脱が発生して、勢力はいっきに弱体化するような気がします。希望的観測かもしれませんが。
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  1. 2012/09/12(水) 14:13:25|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
<<駐リビア米国大使殺害でシリアに悪影響かも | ホーム | シリア情勢のまとめレポート>>

コメント

アラウィー派の権益を人格化したのがバッシャール・アサドで暗殺は次のリーダーを見つけるまでの一時的な損傷でしょう。決してバッシャールが悪人であるとか好人物であるとかは全然関係無いと思いますが。
  1. URL |
  2. 2012/09/12(水) 14:32:24 |
  3. 道楽Q #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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