ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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竹島と尖閣は全然違う

「竹島」と「尖閣」がダブルで大騒動になっています。先月にメドベージェフ首相が訪問した北方領土と合わせ、なにやら日本の領土問題が一斉に火を噴いたようにも見えます。「民主党政権の弱腰外交のせいだ!」という指摘もありますが、3つとも先方が基本的には「国内事情から」(by森本防衛相)仕掛けたもので、べつに日本が自民党政権であっても結果はほぼ変わらなかったと思います。
 だた、ひとつ気になるのは、どうも日本の報道を見ていると、なんだか「竹島」と「尖閣」が同列のイメージぽく感じられることです。両者は全然違いますね。「竹島」は敵方が、「尖閣」は味方が、実力で実効支配しています。この2つは、この点で天と地ほども状況が違っています。
 日本としては、「竹島」は騒げば騒ぐほど好都合です。実際、実力行使(つまり戦争)以外に竹島を奪還する道はまずありませんが、騒いで係争地化したほうが、外交戦では実効支配側の不利になります。
 対して、尖閣はもう日本としては実効支配を緩めたら、必ずつけ込まれます。かつて「係争地化しない」ということで日中両国は手を打ちましたが、それを破棄したのは中国側であり、しかも中国はどうも本気でとりに来ています。外務省は、かつての手打ち条項はすでに存在していないことを自覚すべきかと思います。
 先に領土問題は「騒いだほうが実効支配側の不利になる」と書きました。なので、何も問題がない状態であれば、従来の「領土問題は存在しない」というタテマエは生きるのですが、中国側がどんどん迫っているときには「事なかれ」は通用しないでしょう。
 ここは日本は早い段階で実効支配を強化するのが得策です。外務省は中国の反発を恐れているようですが、もうここまで来たら腹をくくって早いうちに外交戦を覚悟すべきではないかなと思います。野田首相が上陸し、何らかの象徴的な自衛隊と海保の施設を建設すべきでしょう(常駐は技術的に難しいと思いますが)。中国側は当然大反発しますが、そんなことぐらいで、世界中を敵に回す戦争を仕掛けたりはしません。日本だって、メドベージェフや李明博の訪問くらいで武力報復しないのと同じです。
 中国側のコミットメントが積み重なるにつれ、敵方もどんどん引くに引けなくなってきます。時間が経過すれば、本当に武力対立になりかねない状況が生じていきます。
 竹島がどうでもいいとは言いませんが、いま日本にとって重要なのは尖閣だと思います。
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  1. 2012/08/15(水) 20:11:48|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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