ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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携帯SAMは導入されるか

 シリア政府軍の市街地への無差別砲撃の結果、ダマスカス市内のほとんどを政府軍は制圧しました。勝負を分けたのはやはり装備で、とくに装甲車、迫撃砲、機関砲、攻撃ヘリといった火力の差です。
 政府軍は現在、アレッポへの総攻撃を継続中で、そちらでも重火器やヘリ、戦闘機を総動員した殲滅作戦を行っています。
 先週、当ブログでは、現地のゲリラが「携帯SAMを欲しがっている」ことをお伝えしましたが、『ニューズウイーク日本版』今週号に同様の話が載っていました。一部引用します。

「ダマスカスの自由シリア軍軍事評議会のハレド・ハブス議長に言わせれば、アサド政権を崩壊に追い込めるかは、アメリカがハイテク兵器を供与してくれるかどうかにかかっている。
 例えば、スティンガーミサイルだ。80年代にCIAがアフガニスタンのゲリラに提供した、この携帯型対空ミサイルがあれば、『政府軍のヘリコプターや戦車を破壊することができる』と言う。『すべてはアメリカ次第だ。決定権は彼らにあり、これ以上犠牲者が出るとしたら彼らのせいだ』」

 オバマ大統領は先週、シリア反体制派への支援を指示しましたが、情報提供が重視され、武器の援助は公式には現時点では見送られています。
 上記記事でも解説されていますが、その最大の理由は「武器がイスラム過激派に流れる懸念」です。これはまったくゼロかというと、そういうわけにはいかないと思います。
 たしかに難しい問題ですね。世俗派ゲリラに充分な実力をつけさせ、革命軍の主導権を握らせるしかないですが、新政権のどんな「軍閥」でも、後々、反米に転じる可能性は存在します。
 アメリカにとっても警戒すべきはおそらく、どんな介入にせよ、アラブ社会でワルモノのレッテルを貼られないことでしょう。となると、もっと何万人、何十万人の人が無残に殺害され、もうシリア人もアラブ社会も国際社会もお手上げとなってから、救世主然として介入するのが得策ということになります。
 アメリカ人ばかりが常に世界の保安官役を押し付けられるのもおかしな話で、そこはアメリカの国益あるいは安全保障とリンクしないと事態はなかなか動きませんが、アメリカは世論で動く国でもありますから、そこに期待するしかないわけです。
 こうなってくると、すぐ介入しちゃっていたレーガン、父ブッシュ、息子ブッシュ政権などが懐かしい気がしますね。

(追記)
と書きましたが、「ダマスカス市内でまだ砲撃」の情報が入りました。情報確認中
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  1. 2012/08/06(月) 09:50:27|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

父ブッシュと息子ブッシュを同列に扱うのは如何な物でしょうね。父ブッシュは徹底的に国際社会で根回しをした後で効果的に軍を使い、深追いは避けました。国際関係の教科書的な模範政治家であるのに対して息子はただの馬鹿でしょう。

レーガンの時には自国で支援出来ない時にイスラエルを使う事が出来ましたがシリアはイスラエルの隣国ですから状況が違う。

で、オバマは選挙で頭が一杯。もし負けたら、シリアやイラン介入で手を汚さずにバイバイしようと考えている気がします。もともと、どこかの市長レベルの人間ですね。
  1. URL |
  2. 2012/08/07(火) 22:31:27 |
  3. 道楽Q #-
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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