ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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懸念されるアサド政権の宗派対立工作

『ニューヨーク・タイムズ』が、「オバマ政権が、アサド政権崩壊時の緊急対処計画を策定中」と報じました。なかでも懸念されているのが化学兵器の拡散で、いざとなればイスラエル特殊部隊が破壊工作に投入されることもありえるそうです。

 さて、それはともかく、今後もっとも懸念すべきは、以前も書きましたが、宗派対立が扇動される危険性ではないかなと思います。
 シリア社会はもともと宗派対立の少ない社会ですが、この1年半の騒動のなか、アラウィ派中心の民兵の暴力などにより、徐々に宗派間の対立が生まれています。
 アサド政権の暴力装置はいまだ機能してはいますが、最高幹部が爆殺される事態に至り、政権幹部はますます猜疑心を募らせています。政権幹部たちは、暴力装置の人間でもその多数がホンネでは反政府感情を持っていることを肌で感じていますから、おそらく既存の暴力装置だけに頼るだけでは終わらなくなるでしょう。そこで彼らがもっとも頼るのが、アラウィ派コミュニティとなります。アラウィ派住民の一部には「これまで政権側だった自分たちは国民の報復の対象になるかもしれない」との強い恐怖心があります。アサド政権はそれを利用するわけです。
 今後の予想としては、アサド政権は主なアラウィ派コミュニティをさらに大々的に民兵化し、他宗派弾圧を煽る可能性があります(実際、すでにアラウィ派武装化の情報があります)。
 これに対し、反体制派の主流派は非宗派系ですが、一部にはたしかにスンニ派色の強いグループもいます。こうした勢力がアサド政権の扇動に乗せられて反アラウィ派強硬路線に突き進むようだと、シリアがイラクのように宗派抗争の報復合戦が繰り返される国になってしまう可能性があります。シリアは今後、急速に混迷の度合いを深めることになるでしょうが、アサド政権が目論む宗派対立は、なんとしても阻止せねばなりません。
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  1. 2012/07/19(木) 15:49:02|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

ルアンダの虐殺を思い出しますね。政権対反政権の争いは、もはや仕方有りません。が、隣人同士が憎しみ合わない事を祈ります。
  1. URL |
  2. 2012/07/19(木) 16:30:23 |
  3. soneharayutaka #-
  4. [ 編集]

ルワンダやインドネシアのマルク諸島のような集団催眠のような感じにはならないと思いますが、イラクのように一部過激派の暴走は可能性あると思います
  1. URL |
  2. 2012/07/25(水) 14:20:41 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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