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ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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北朝鮮軍偵察総局の対日スパイ?

 6月21日に大阪府警に詐欺容疑で逮捕された兵庫県の運送会社役員兼大学院生が「北朝鮮軍関係者の依頼で外交・防衛情報の分析を行っていた」と供述しているそうです。
 この人物は、尼崎市東大物町の吉田誠一容疑者(41歳)。逮捕容疑は、同県の財団法人にアスベスト除去の新規事業用の装置を購入すると偽り、2010年2月に1000万円の融資金を振り込ませた詐欺容疑です。
 この吉田容疑者はなんだか謎の人物です。新聞各紙の報道によると、朝鮮大学校卒業。関東の複数の大学院を経て、2006年から神戸大大学院に在籍し、朝鮮半島情勢を研究していたとのこと。
 自身の供述によると、2008年頃から北朝鮮の軍関係者の要請で、日本国内で日本の外交防衛分野や北朝鮮に関する情報を集めて分析して、それを北朝鮮側に提出していた。中国や東南アジアに約20回渡航してその北朝鮮軍関係者と接触し、25万ドル以上の報酬を受け取っていたという。今回の詐取金の一部は、その海外渡航費や、資料書籍の購入費に充てていたという。
 また、昨年3月には、反北朝鮮民間団体(あそこかな?)にスパイとして1カ月間在籍。押収された電子データには、この団体の情報があったようです。
「吉田容疑者は主に日米の防衛に関する一般書籍や政府刊行物、北朝鮮に関する書籍などの公開情報を分析し、リポートにまとめていた。調査結果は、電子メールや面会で北朝鮮の軍関係者に渡していたとされる。家宅捜索では、北朝鮮情勢に関する情報も見つかっており、一般に公開されていない内容も含まれていたという。府警は今後、吉田容疑者が集めた情報の入手方法に問題がなかったか調べる方針」(読売新聞)
「大学関係者によると、吉田容疑者は平成17年秋、社会人枠を利用して神戸大大学院国際協力研究科の博士課程前期課程を受験した。現在は日本国籍を取得しているが、当時は朝鮮籍だった。
 面接試験では『北朝鮮による拉致問題が発覚して自分の人生に疑問を持つようになった』と志望動機を説明。『中立的な立場から北朝鮮をめぐる問題を勉強したい』と訴えたという。
 一方、受験時に提出した経歴書には、朝鮮総連の機関紙『朝鮮新報』の記者だったとする記載があった。一部の教員からは『工作員ではないのか』と懸念する声も上がったという。しかし、学問に対する姿勢が評価され、18年に入学を果たした。
 その後、20年には、軍事を優先する北朝鮮の先軍政治を題材とした論文を書き上げて修士号を取得。それからは博士号の取得を目指し、後期課程に進んでいた」
「ほかの院生らとの懇親会では『高校時代にスイスにサッカー遠征し、金正男氏と一緒にプレーした』『黄長ヨプ元労働党書記のボディーガードを務めたことがある』などと告白。北朝鮮との密接な繋がりを明かしたこともあったという。
 吉田容疑者はここ2~3年、家業の運送業が忙しいことや学費を支払う余裕がないことなどを理由に、数カ月単位で休学を繰り返していた。復学しても、週1回のゼミを3回に1回程度しか出席しないようになった。
 逮捕前日の20日には何かを察したのか、『しばらくゼミには行けません』とするメールを関係者に送信していたという」(以上、産経)

 ちょっと新鮮な驚きです。いまどき、こんなスパイが本当にいたのですね。25万ドルといえば約2000万円。20回海外渡航していれば、1回20万円として計400万円。かなり乱暴な計算ですが、すると実質報酬は1600万円。4年間ですから、1年で割ると単純計算で年棒400万円。どれほどのレポートを送ったか知りませんが、ほぼフルタイムのスパイですね。
 ですが、基本的に私たちが日常的に行っているような一般に手に入るOSINTにそこまで支払うものでしょうか? というか、普通に総連職員にやってもらえばいいような気もするのですが、そんなに価値のある独自の分析をする人物だったのでしょうか?
 あるいは、本当はウラでHUMUINTも密かにやっていたということでしょうか?
 あるいは、単なる誇張情報なのでしょうか?
 軍関係者というのは、どの機関でしょうか? 現在はおそらく偵察総局ですが、もともとは軍偵察局でしょうか? 軍偵察局がそんなOSINTに年間数百万円も支払うものでしょうか?
 なにやら疑問が大量に湧いてきます。これも続報を待ちたいと思います。
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  1. 2012/07/11(水) 16:39:10|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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