ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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『中央公論』&『軍事研究』

 しばし専門外の原発問題に関わっていましたが、本業復帰。まずは10日発売の『中央公論』8月号の特集「スパイ天国ニッポン!?」で、防衛研究所の小谷賢さんと対談させていただきました。題して「日本ほど盗みやすい国はない」。例の中国書記官事件を機に、日本の防諜体制の問題点を指摘しようという企画でした。
 同特集では他にも石破茂さん、佐藤優さんが寄稿&登場。なんだか『ワールド・インテリジェンス』ファミリー(いや、勝手に名付けてるだけですが)大集結みたいでちょっと嬉しいです。
 また、すでにちょっとだけ紹介しましたが、同じく10日発売の『軍事研究』で、「日本を侵食する中国スパイと共産党権力闘争 重慶重犯罪人とスパイ大使館員 薄熙来と李春光」という記事を寄稿しました。ちょっとわかりづらいタイトルですが、要は在日中国大使館書記官スパイ疑惑と薄熙来失脚事件の経緯、それに中国対外諜報機関の概要と対日工作の実態について考察しました。

 ところで、これもすでに紹介しましたが、軍研同号所収の桜木武史さんのシリア潜入ルポが、非常に秀逸です。
 彼はおそらく事前の先入観はあまり持たずに観光客としてシリアに入っていますが、政府軍の支配外の時期にドゥーマに滞在し、ダマスカス市内ではよほどのことがなければ外国人は聞くことの出来ない民衆の本音を聞き、政府軍の暴虐を目撃し、ドぅーマ陥落を体験しています。アナン調停の愚も直接目撃しています。
 こう言うと語弊がありますが、『軍研』『アエラ』『週刊金曜日』(なんか両極端なラインナップですね)あたりで発表するのは惜しい、すごい体験談です。取材直後であれば、BBCでもCNNでも絶対に欲しがった「ネタ」ですね。
 それだけではありません。アナン調停やドウーマ陥落の時期に、ドゥーマに滞在していた第三者(外国人ジャーナリスト)の証言というのは、シリア情勢をめぐる世界の報道のなかでも、「客観的な証言」として突出して貴重なものだったといえます。もちろんシリア国民にとっても、です。
 あの時期、シリア国内の弾圧の現場を目撃した外国人ジャーナリストがいたということは、いかにアサド政権のプロパガンダがインチキであるかを証明する格好の素材だったのですが…ああ、勿体無い…。
 読めばわかりますが、桜木さんは紛争の片方の陣営の論調に単純に同調することを自ら警戒し、自身の見聞のみを報告することに非常に強いこだわりをもっているように見受けます。私自身も紛争を単純な善悪論で語るのは抵抗があるのですが、それでもシリアの現状は「誰が悪玉か」は明確です。
「アサド悪玉説は作られた虚構」かもしれないなどと思っている方こそ、ぜひとも軍研の桜木報告を読んでいただきたいと切望します。

 まだ発売前なので内容の詳細は控えますが、どうしても一点だけ。アナン監視団が実際には、停戦のために撤退した自由シリア軍と、停戦を無視し、それに乗じて攻勢を激化させた政府軍という一方的で不公平な作用を生んだことを、反体制派フェイスブックでは以前から盛んに書かれていました。結果的に、アナン監視団は政府軍の弾圧の片棒を担いだようなもので、それゆえに反体制派はアナン監視団を害悪視しているわけです。
 桜木さんは、ドゥーマ陥落の際、まさにその一部始終を目撃しています。こういう証言は、単に報道だけでなく、シリア情勢の行方にとっても非常に貴重なのですが・・・・
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  1. 2012/07/07(土) 21:28:51|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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