ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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メキシコ凶悪麻薬組織「ロス・セタス」

 5月13日、メキシコ北部ヌエボレオン州モンテレイ近郊の幹線道路上で、49人の死体(うち6人は女性)が発見されました。ロイター通信によると、死体は積み重なるように放置され、手足が切断されたものもあったとのこと。麻薬カルテル「ロス・セタス」(セタは「Z」のこと)の犯行声明メモが残されていたということで、死体は他組織メンバーのものではないかと目されています。
 メキシコでは、2006年に大統領が「麻薬犯罪の撲滅」を宣言してから、すでに5万人以上が取締りや抗争などで死亡しています。この5月前半だけでも、4日には米国境の北東部タマウリパス州ヌエボラレドで23人、9日には第2の都市グアダラハラ近郊で18人が、虐殺死体で発見されています。
 また、やはり今月7日には、モンテレイでロス・セタスの女殺し屋マリア・ヒメネスが逮捕されています。ヒメネスは26歳で、警察官や他組織構成員など計20人の殺害容疑があるとのこと。
 凄い世界になっていますが、驚いたのは女殺し屋の報酬。月額たった13万6000円だそうです。
 ところで、ロス・セタスとはどういう組織でしょうか?
 ちょっと余裕がないので、お手軽に英語版Wikiそのまま抜粋しますが、本拠地はヌエボラレド。99年に、メキシコ陸軍精鋭部隊の一部が、有力マフィア「ガルフ・カルテル」の先頭集団として雇用されたのを起源としています(後述する初代司令官のWIKI解説には97年、現司令官のWIKI解説には98年とあります)。その後、2010年2月に、ガルフ・カルテルと袂を分かち、ロス・セタスとして独立しました。
 初代司令官はアルトゥーロ・グスマン・デセナ。グスマンは、対マフィア・対ゲリラ専門部隊である元メキシコ陸軍特殊部隊空挺団(GAFE)の元中尉で、99年(前述したように、97年との記述もあり)にガルフ・カルテルのボスだったオシエル・カルデナス・ギイェンの買収され、彼のボディガードに転身。グスマンはGAFEの同僚30人を引き抜き(98年との記述もあり)、ロス・セタスを結成。その後、組織は拡大されました。ちなみに、ロス・セタスという名称は、グスマンが現役将校時代に与えられていた連邦警察無線コード「Z-1」に由来していて、グスマンはロス・セタスでもトップを表すZ-1と呼ばれていました。
 2002年にグスマンは敵対カルテルに殺害され、Z-2ことロヘリオ・ゴンサレス・ピサーニャが2004年に逮捕された後、Z-3ことエリベルト・ラスカノがボスとなり、現在に至っています。現在、さらに多くのメキシコ連邦警察、州警察、市警察の腐敗分子や、隣国グアテマラの軍特殊部隊元兵士らが参加しています。
 現在、ロス・セタスはメキシコ最大最強の麻薬カルテルに成長していて、11の州を縄張りとしています。主なシノギはアメリカへの麻薬密輸と誘拐で、アメリカでもとくにテキサス、カリフォルニア、ニュージャージー、デトロイト、コロラド、イリノイに組織を広げています。中米のグアテマラ、さらにヨーロッパではイタリアにも拠点があります。
 元特殊部隊員が中心だけあって、その武装や情報機器などの装備は他の組織を圧倒しており、戦闘力がきわめて高いうえ、残忍さも際立っています。メキシコではカルテル間の抗争も凄まじいものがありますが、政府・軍にはこれを抑える力がなく、ますます無法の世界になりつつあるようです。
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  1. 2012/05/16(水) 09:06:05|
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黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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