ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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ウラン型核実験?

 放送では使いませんでしたが、先日「ひるおび」に呼んでいただいた際、事前取材で「核実験の可能性は何%と考えるか?」と質問され、「49%」と答えました。
 合理的な判断を北の指導部がするなら、さらなる孤立を深める核実験をこのタイミングで実行することはないだろう・・・というのは、単なる当てずっぽうでの分析ではなくて、北の核問題をそれなりに継続して追ってきた結果の推測です。
 ですが、実際には米韓のメディアから「核実験の準備が急ピッチで進んでいる」との情報が毎日のように出てきます。実験場の動きは常にあるものなので、その細かな評価の経緯がわからないと、なんとも判断ができません。
 が、あれだけ情報が連続して出てくるということは、それなりに根拠があるのだろうという気もする反面、報道の情報自体がどうもそれだけでは根拠があやふやなものだったりするので、これもなんともわかりません。
 前々回エントリーで書いたように、北朝鮮の指導部が合理的な判断をするとの保証もないので、現時点での私の分析としては、核実験が実行されるか否かは「ほぼ半々」。しかし、完全に半々かというと、どちらかというと「やらない可能性が少し高いのではないか」というところになります。

 そんなおり、こんな報道が韓国から出てきました。 
▽米国「北朝鮮、早ければ今週にも核実験」(中央日報 2012年04月30日)
 情報源は「ワシントンの外交消息筋」で、情報は「26、27日に米ペンタゴンで開かれた統合国防協議の内容」だそうです。
 で、注目すべきは、その会合で米韓国防当局は、北が今度はウラン型爆弾の爆破実験を行なうと判断しているということです。
 以上は事実かどうかもわからない匿名情報筋情報ですが、仮に事実だとすれば、いったいどういうインテリジェンスに基づく評価なのか、非常に興味があります。
 ウラン型の実験を北朝鮮がいま行う動機・利益がちょっと思いつきません。
 平和利用という隠れ蓑で緒についたばかりのウラン濃縮計画を、完全に軍事目的と認めることになります。ウラン濃縮計画に本格的に動いた期間を考えると、すでに兵器級高濃縮ウランを入手しているとは私には考えにくいですが、仮に入手していてもせいぜいまだ数発分でしょう。それでいきなり切り札をきってくるでしょうか。
 ウラン型の実験が成功となれば、準中距離・核ミサイル武装と同じことになります。北はまだ本格的な核ミサイル戦力の確立に至る前に、猛烈な包囲網に晒されることになります。新体制発足直後の微妙なこの時期に、政権の存続に関わるそんな大博打を打ってくるとは俄かには信じられませんね。
 プルトニウム型であれば、起爆装置小型化が完成していれば、いずれ実験を行なうはずですが、それももう少し本格的な核ミサイル武装のメドが立ってから実行するほうが、北の対米戦略としては有効だと思います。
 もっとも、あの国は何をやってくるか予測がつきませんので、断定はできません。上記報道によれば、今週にも核実験だそうなので、近いうちに答えは出そうですが・・・。

 ところで、韓国の聯合ニュースは、複数のアメリカの専門家による核実験の予想を紹介しています。
▽「北朝鮮の核実験実施は間近」 米国に警戒感 (聯合ニュース 2012/04/30)
 朝鮮半島問題の専門家ジョエル・ウィット氏(米AP通信インタビュー)⇒「衛星写真などを見ると、北朝鮮がこの数カ月間、核実験を準備してきたことがはっきり分かる」
 科学国際安全保障研究所(ISIS)のオルブライト所長(米メディアとのインタビュー)⇒「(核実験は)いつでも起こり得ること」
 CIAや米国務省などで勤務経験のある軍事・情報専門家のフレデリック・フライツ氏(聯合ニュースなどの取材)⇒「北朝鮮が近いうちに3度目の核実験を行う可能性は50%未満」「現場の土砂の動きは常に見られるもの」
 私自身は上記したように、フライツ氏に非常に近い分析です。
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  1. 2012/04/30(月) 22:18:05|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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