ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

「平和利用」作戦に警戒せよ

 本日、TBS「ひるおび」に、北朝鮮軍事パレード関連でコメントVTRを採用していただきました。あの軍事パレードに関しては、今週月曜日にもスタジオに呼んでいただきました。同番組はかなり北朝鮮企画に熱心ですね。視聴者の支持があるようです。
 ところで、先ほど流れたニュース。
▽北朝鮮、ミサイル開発続行を宣言 失敗原因「解明」(共同通信・平壌)
 このニュースのキーポイントは、北が「宇宙の平和利用をより一層進める」としたことですね。あくまでも平和利用というストーリーで、今後もミサイル開発を行っていくということです。完全にイラン方式の欺瞞作戦ですね。
 ですから、北朝鮮は今後しばらく、非軍事活動のタテマエを堅持します。衛星打ち上げはリベンジするでしょう。核実験はすぐにはやらないでしょう。
 ウラン濃縮に関しては、またのらりくらり交渉作戦に出るとは思いますが、イランに倣って進めるでしょうね。もし米朝協議を再開し、寧辺のウラン濃縮を本当に停止するなら、他に秘密施設があることを疑ってかかるべきです。

 今から振り返ってみると、2月の米朝協議で、たかだか24万トンの栄養食品供与だけで、ウラン濃縮停止や核実験停止などの大盤振る舞いを北朝鮮が呑んだことが、不自然といえば不自然に見えます。
 もしも、最初から4月の衛星打ち上げが外交問題になることを前提に、緻密に練られた計画だったらと考えると、辻褄が合います。
 考えすぎかなとは思いますが、仮に衛星打ち上げが成功したと仮定すると、北朝鮮は今頃「衛星打ち上げ成功」「ウラン濃縮継続」を手にしつつ、外交面では「自分たちは破格の譲歩を示したのに、平和的な衛星打ち上げにイチャモンをつけたアメリカのせいで妥協の道が閉ざされた」と、あたかも被害者のような言い分を強弁することができます。
 もちろん国連安保理決議違反ですが、北朝鮮としては中国の支持が得らて、国連安保理を議長声明どまりに出来れば、それでいいわけですね。もしそうだとすると、まんまと彼らの思惑どおりになっているわけです。衛星打ち上げ失敗だけが彼らにとっては想定外でしたが。
 実際のところはわかりませんが、とにかくあの国は核・ミサイル開発が最優先ですから、そのために有利な国際環境を作ろうとして、いろいろ企んでいた可能性はあります。
 ちなみに、こうした一連の北朝鮮の行動は、「援助を引き出すためのカード」ということはあり得ません。核・ミサイルの開発に要する資金は、瀬戸際外交で強請りとれる金額を大きく超えています。今回の衛星打ち上げは政治的な活動ですが、核・ミサイル開発は過去、純粋に軍事の要求スケジュールによって行われています。
 3度目の核実験は、小型起爆装置が完成したとき、行われるでしょう。ミサイル実験とセット、という見方をよく見ますが、事情が違うと思います。
 北朝鮮は今後、「自分たちは原発も衛星も、あくまで平和利用でやっている。なのに、アメリカがイチャモンをつけてくる。でも中国はわかってくれている」というスタンスで一貫して進めるでしょう。それで時間をかせぎ、その間に核&ミサイルの技術をますます獲得していくはずです。
 金正恩体制は改革開放に向かうのでは・・・という期待もあるようですが、それをやると世襲王朝がもちませんから、それはないでしょうね。改革のフリはするかもしれませんが。シリアと似たようなものです。
スポンサーサイト
  1. 2012/04/19(木) 23:05:20|
  2. 著作・メディア活動など
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:0
<<北朝鮮が核実験の準備完了? | ホーム | 世界は北朝鮮に(さほど)関心がない>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://wldintel.blog60.fc2.com/tb.php/729-6e357946
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

まとめteみた.【「平和利用」作戦に警戒せよ】

本日、TBS「ひるおび」に、北朝鮮軍事パレード関連でコメントVTRを採用していただきました。あの軍事パレードに関しては、今週月曜日にもスタジオに呼んでいただきました。同番組画に熱心ですね。視聴者の支持があるようです。ところで、先ほど流れたニュース。▽北朝鮮、...
  1. 2012/04/20(金) 00:22:23 |
  2. まとめwoネタ速suru

プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

月別アーカイブ

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。