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ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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ポスト田中防衛相は?

 昨日、TBS「ひるおび」に電話コメントを採用していただきました。北朝鮮ミサイル(衛星)問題と田中防衛相問責問題について話をさせていただきました。
 消費税国会の政局カードとして野党がぶち上げていた田中防衛相問責決議案ですが、どうも昨日頃からトーンダウンしています。報道によると、「北朝鮮ミサイル問題の最中での提出は時期尚早」論が出ているということですが、要するに政局カードとして今ひとつというところなのでしょう。

 もっとも、北朝鮮ミサイルの問題で、防衛相が独自に決断する局面はまずありません。実際のところ、政治判断は首相ですし、オペレーションは統幕長や航空総隊司令官となります。
 それよりも、防衛相のいちばんの役目は、防衛省・自衛隊と官邸・内閣の調整をきちんとやることで、とくに防衛相・自衛隊の要望を官邸・内閣に適切に伝達し、それを通すことが要求されます。他の省庁の大臣と同様に、そこは官僚(防衛省の場合は制服幹部含む)の代弁者という側面はありますが、単に代弁するのではなく、自ら大局的な政治的判断を行い、内閣での防衛政策をリードするとともに、政策を現場に適切に指示することも必要です。
 昨年の震災のときはちょっと例外でしたが、普段は、オペレーションよりはマネージメントの部分で、政治面での指導力が要求されるわけですね。もっとも、そこまで出来たら理想ですが。

 大臣のもっとも重要な役割はポリティクスですが、そうとなれば、今ならやはり懸案事項は米海兵隊再編&普天間移設です。
 田中防衛相は31日、名護市の稲嶺市長ら沖縄県北部12市町村の首長、続いて仲井真知事と会談し、辺野古移設への理解を求めました。この問題は、首相が路線変更しないかぎり、防衛相は何もできません。誰がやっても同じですね。できれば首相に政策変更を説得できればいいのですが、それは実際には田中氏以外でもなかなか難しいものがあります。
 一方、昨日はアメリカでF35調達延期が決定されました。これで空自のFX計画が大混乱に陥ることが確実です。海兵隊再編もそうなのですが、今後、アメリカの防衛予算削減を震源とする想定外の(F35遅延は想定内でしたが)難問が次々と生じる可能性が高いわけです。日本はその都度、それまでの防衛政策の変更を余儀なくされますが、そこで政治と現場を調整し、最適の政策を探る役目が、防衛相には要求されます。ただし、どんな政策をとっても誰かからは批判されるし、しかも上手くいかなかったときは責任者として徹底的に糾弾されます。
 いずれにせよ、今、防衛相というポストは地雷のようなものになっています。とくに普天間問題が好転する材料はなく、誰がなっても損な役回りになっています。
 政治家たるもの、この難役に挑んでこそ男子の本懐ではないか!などと批判するのはたやすいですが、自ら火中に飛び込むのはなかなか勇気の要ることでしょう。実際、ちゃんとした「なり手」がいないので、田中氏にババが廻ってくるような状況になっていたわけです。野田総理も、「私は素人」発言をきっかけに自爆した一川大臣の後任にさらに素人の田中大臣では、こうなることはわかっていたのでしょうが、他に人がいなかったのでしょう。主な防衛通の政治家の先生方も、外からは「逃げ回っている」ようにしかみえません。
 さて、いずれにせよ田中大臣は近い将来更迭されるでしょうが、沖縄県の方々からは罵声を浴び、国会では怖い怖い石破議員や、玄人の佐藤正久議員などから抜き打ちテストを受けなければならない防衛相ポストを、誰が引き受けるのでしょうか?
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  1. 2012/03/31(土) 17:47:11|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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