ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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「プーチン発言」報道の誤解

 ちょっと前のエントリーに書いたように、日本の新聞各紙が報道する「プーチンは2島返還で決着をつけたがっている」という分析に、私は大きく異論があります。権力者がプーチンであろうと誰であろうと、ロシアが「既得権益を手放すわけないじゃん」という確信があるからです。
 その根拠は、私自身の取材経験と、実際「プーチンは『2島返還したい』と言ったことは一度もない」事実です。「日本の外務省はなぜこちらが言明していない話を、いつも都合よく解釈するのですか?」と、かつて取材したロシア外務省の役人に言われたのはもうずっと前のことですが、まったく変わっていないと思います。
 プーチンの論点の裏読みについて(とくに平和条約の条件の内容について)、私とは必ずしも同じ分析ではありませんが、袴田茂樹先生が北方領土交渉楽観論を批判する鋭い論考を発表しています。
▽ロシア高官が驚いた日本のナイーブさ ~北方領土に関するプーチン発言の真意と日本の誤解(日経ビジネス・オンライン/袴田茂樹氏)
 私の見方では、日本外務省はナイーブなのではなくて、交渉継続しなければならない立場上、ナイーブなふりをしているのではないかなと思います(無意識かもしれませんが)。

▽野田首相:北方領土の2島返還、引き分けにならない(毎日新聞)
 ですから、プーチンは「2島返還する」なんて言っていません。その気があれば、きっちりと「日本側が2島を放棄すれば、こちらも2島返還する」となぜ明言しないのでしょうか? 言わないのは返す気がないからと考えるしかないと思います。
 これもインテリジェンス分析の基本ですが、誰かが「何を言ったか?」と同じくらい、「何を言わなかったか?」が重要です。明言を避けているフシがあれば、避けている理由があるわけです。
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  1. 2012/03/08(木) 19:38:11|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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