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ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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シリアで必要なのは反乱軍への武器支援

 シリアではマーヘル・アサド指揮下の第4機甲師団の突入により、ホムスのバーバ・アムル地区の自由シリア軍が壊滅し、現在は市街地の掃討と大量逮捕・処刑が行われているようです。自由シリア軍は大幅な戦力低下が避けられません。マーヘル軍はアル・ラスタンでも大規模な砲撃を開始しています。ひとつの街ずつ、着実に壊滅させていくのでしょう。
 この流れでいくと、シリアでは凄まじい犠牲の果てに、反体制派が敗北することになります。

 さて、それを防ぐ方法を国際社会がいろいろ話し合っていますが、アサド政権はそれこそ自身の生存をかけて戦ってますから、外国に何か言われたぐらいで旗を降ろすことはないでしょう。もう交渉で何かが変わるというようなレベルではないと思います。
 では、国際社会はもうシリア国民を見捨てるしかないのでしょうか?
 いまや一刻も早く、反乱軍に武器と弾薬を供給し、内戦化させるべき局面だと思います。
 平和的な解決法は、もうちょっと考えられない状況だと思います。
 たとえば、数日前のエントリーで英「フィナンシャル・タイムズ」翻訳記事を紹介しましたが、ここがちょっとヌルいなと思った部分がありました。
  
「むしろ諸外国は経済・外交ルートを通じてアサド家に圧力をかけるべきだ。一族はもう二度と世界的に受け入れられないということをはっきり伝えるのだ。
 だが、平和的な圧力の支持者は、正直でなければならない。現段階では、経済制裁と国連の非難決議は恐らく、自身の存亡をかけて戦っているシリア政府の残虐行為を止めるには、効果が出るのが遅すぎるだろう。
 このほか、難民のための避難区域設定や救援物資を届けるための「人道回廊」の確保など、やはり一見平和的に見える対策は、実際には軍事力の行使が必要になる。サウジアラビアが主張するように反政府勢力に武器を供給すれば、間違いなく対立を煽ることになるだろう」

 いったいどっちなんだ?といった内容ですね。
 よく聞く論調に「最悪の場合は内戦化か」というフレーズがありますが、今は虐殺が進行中のレベルなので、もう内戦化しかないだろうと思います。最終的にどちらの場合の犠牲者が多くなるかは、やってみなければわかりませんが、いずれにせよ大量死はもう避けられないという現実を直視すべきで、その場合、虐殺は内戦よりも「最悪」だと思います。

 それでも犠牲者を少しでも少なくするには、最終的には一刻も早いアサド政権の自壊を目指すべきですが、そのためには国内の潮目が劇的に変わることが必要です。それは外国の圧力程度では実現されません。反乱軍の台頭が必要ですが、シリアには反乱兵士もそれなりに出てきていますし、国民皆兵の国なので、基礎的な軍事訓練経験のある反乱軍予備軍は大量にいます。マンパワーはあるので、あとは必要なのは武器です。
 国際社会が反乱軍を大々的に武装化すれば、外国地上軍の派遣をしなくても、状況は激変します。政変後の混乱、たとえばアラウィ派住民に対する報復などを回避するために、軍事支援の段階から、政変後の国際平和維持軍の駐留などを根回しすることは不可欠ですが。

 というか、おそらくその方向で話は進むのではないかなと思います。しかも、すでにその布石は打たれていますね。サウジとカタールが武器支援を言い出していますが、当然、英米仏それにトルコあたりとすり合わせてのことでしょう。アラブの国をタテマエとして前面に出し、欧米とトルコがそのお手伝いをするという筋書きではないかなと思われます。 
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  1. 2012/03/03(土) 13:28:48|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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