ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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警察国家というもの

 前エントリーで、JBPRESSに寄稿させていただいたことをお知らせしましたが、JBPRESSでは、記事の横に、該当記事がリンクされたツイッターを紹介する欄があります。私はツイッターをやっていないので、あまり馴染みはないのですが、拙文を採り上げていただいているわけなので、パラパラ拝見しておりました。
 すると、ある方が「この筆者は、日本にいれば安全なのに、匿名でフェイスブックに登録するのはおかしい」というような意味のことを書かれていました。採り上げていただくことはとてもありがたいことですし、べつに批判するつもりはまったくないのですが、「なるほど日本では、そのあたりのことからなかなかわかっていただけないのかな」と、ちょっと考えてしまいました。

 もちろん、日本にいる私は、シリアのムハバラートに身元が割れようと、痛くも痒くもありません。可能性極小ですが、シリア現地取材の機会がないとはいえなかったので、当初はあまり大っぴらにはしていませんでしたが、今ではブログで散々「アサド死ね!」的なことを書いてきていますので、もう逃げ隠れするつもりもありません。
 しかし、私が当初から実名でフェイスブックで反体制派コミュニティに参加した場合、シリアやレバノンの知人がムハバラートに目をつけられる可能性がありました。
 私は1984年以降、何度かシリア、レバノン両国を訪問していて、それなりに知己がいます。当ブログでも以前書きましたが、知人の中には今回のことで治安局に逮捕され、長期拘束された人もいます。別の知人には、従兄弟が逮捕され、拷問死体で帰ってきたという例もあります。
 現在、シリア国内の知人とはある安全な方法で連絡していますが、騒動前の過去の通信記録などから、私と知人たちとの関係がムハバラートに露呈しないという保証はありません。そして、万が一露呈した場合、下手をすれば彼らの生命にかかわる問題になります。知人の多くは政治活動とは無縁ですが、そんな彼らを危険に晒すわけにはいきません。
 このあたりはおそらく「北朝鮮みたいなもの」と言えば、わかっていただけるのではないかなと思います。仮に私が北朝鮮内に親しい知人がいて、以前から連絡をとりあっていたとして、それで今「金正恩死ね!」と書けば、私自身は平気ですが、知人は消されてもおかしくないでしょう。
 私など一介の末端フリーライターにすぎませんが、シリアでは、今の時期に外国人との接触だけでも現地では危険です。しかも、私は『軍事研究』『ワールド・インテリジェンス』という媒体の出身ですが、これは現地のムハバラートからみると、「日本政府のスパイ」とカン違いしてもおかしくない話になります。
 実際、私は昨年夏にレバノンを取材した際、ある機会に情報省の幹部と会うことがありましたが、私が何の気なしに上記雑誌の名前を口にしたことろ、「オマエは日本軍の諜報員か!?」と散々尋問に遭ってしまいました。レバノン情報省だったからどうってことはありませんでしたが、もしも相手がヒズボラあたりだったら、かなり面倒になっていたと思います。冗談みたいと思われるでしょうが、本物のスパイがうようよしているアラブの世界では、そんなこともあります。
 あちらでは今、それこそ、いつ殺し殺されるかわからない状況だということが、なかなか実感として伝えられないのが少々もどかしくもあります。
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  1. 2012/02/15(水) 13:11:23|
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  2. 2012/02/16(木) 17:12:16 |
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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