ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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沖縄海兵隊グアム移転について

 沖縄海兵隊のグアム移転を一部先行することになりました。日本のメディアではあたかも「普天間移設の交換条件」のごとく語られていたので、違和感をもった方もおられるかもしれません。
 しかし、部隊配置などは、米軍は自分たちの都合ですべて決めます。普天間移設問題は、べつに現状維持でも米軍側はたいして困らないわけです。それより、米軍の全体的な再編が必要ですから、それをつつがなく進めるというだけの話です。
 周知のとおり、米軍再編の目的は経費削減で、それ以外ではありません。少ない予算で効率的に米軍の世界展開を再編することだけが考えられています。とにかく経費削減ですから、その再編経費も、在日米軍に関してはなるべく日本側に出させたという目論みがあります。
 大雑把にいえば、沖縄に関しては3つのことが日米で合意されていました。「普天間の辺野古沖への移設」「海兵隊戦闘部隊のグアム移転」「嘉手納以南の基地返還」です。次はまず、さっさと嘉手納以南の返還を実現すべきでしょう。
 普天間に関しては、このまま固定化の可能性がきわめて高いです。辺野古移設はもう無理ではないかなと思います。私は当ブログで再三書いてきたように、普天間問題ではいわゆる嘉手納統合派なのですが、このニュースを受けて、新聞各紙は「普天間固定化の可能性が高まった」とは書きますが、なぜどこも嘉手納統合案を書かないのでしょう? 

 ついでに言及すると、この1月に米オバマ政権が打ち出した新国防戦略ですが、アジア太平洋重視があたかもアジア太平洋での米軍のプレゼンスの強化のような解説は、違うのではないかなと私は思っています。
 これもアメリカの最大の狙いは、国防経費の削減です。もちろんその背後には、「外国のためにもう米軍将兵の犠牲は出さない」という限定的軍事介入への戦略転換があります。
 とにかくアメリカはイラクに続いてアフガニスタンからも撤退し、以後、中東・中央アジアから大きく手を引くことになります。ただし、いざとなれば即応介入できるように、最小限度の機動部隊とハブ拠点は確保しておきたい。それが新国防戦略です。米軍のアジア方面への前方拠点が、ハワイ、グアムになります。沖縄は中継ハブとして、常駐部隊は縮小しますが、ハブ拠点機能は残します。在韓米軍も現時点では据え置きですが、近い将来、削減されるでしょう。
 オーストラリア北部に海兵隊を置きますが、それも前方拠点ですね。べつに大部隊を常駐させるわけではありません。中東・中央アジアへの前方拠点ですが、当然、対中国前方拠点でもあります。
 たしかに中国海軍は増強されているので、せっかく米軍再編するなら、ついでに中国海軍対策シフトとなります。それで米軍削減が極東ではゆっくりなわけですが、べつに中国海軍を脅威と考えているわけではないと思います。というのも、米中の戦力はまだまだ差があり、少なくとも向こう半世紀くらいは安泰と思われるからです。

「普天間移設は、日本から海兵隊を減らすための交換条件」
「アメリカの新国防戦略は中国の脅威に対抗するもの」
 こういうのは、いずれも思い込みだと思います。

(追記)
 そういえば、1月半ば、民主党沖縄県連の喜納昌吉代表代行が嘉手納統合案を提案し、野田首相が「選択肢の一つ」と答えたところ、すぐに三市町連絡協議会(三連協)から非難の嵐が起きています。
 現在、対立軸は「県外・国外移設」(沖縄側)vs「辺野古移設」(政府・与党&野党自民党)で、それ以外はタブーになっています。沖縄側では嘉手納統合案はちょっと言い出せない雰囲気ですが(国民新党の下地幹郎幹事長だけが孤軍奮闘している感じですね)、政府・与党&野党自民党のほうで「辺野古移設もしくは嘉手納統合」としておいて、どうせ辺野古移転は無理なので、その後で「県外・国外移設もしくは普天間固定化」vs「嘉手納統合」という構図にすればいいのではないかなと思うのですが。
 本日、下地議員がテレビで発言していて、なるほどと思いました。
「とりあえず政府は辺野古移設の日米合意を撤回し、普天間移設を仕切り直すべき」
「このままでは普天間が固定化される、ではなく、すでに普天間は固定化されていると認識すべき」
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  1. 2012/02/06(月) 14:36:52|
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  4. | コメント:1
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コメント

self-will

太平洋戦争において、日本軍が十分な軍事力を示すことができていたならば、米軍は、沖縄に近づくことはなかった。したがって、沖縄戦もなかった。力を軽視する人間には、力量の判定はできない。テクニカル・ノックアウトの判定を下す能力のない指導者が権力を握っていると、民の命はいたずらに消耗するばかりである。力は正義である。力を軽視する風潮が人命を軽視する習慣につながっている。我々が自らの力を抑止力として十分に示すことができれば、正義はわが方についてくる。(Might is right).
昔、「コーラは○○○、ボクシングはヤマトダマシィ」という宣伝文句があった。
闘争には、大和魂が有効であるということであろうか。大和魂とは、負けじ魂のことなのか。大和魂を発揮して頑張れば、その結果は沖縄戦のようになるというものであろうか。

悪くないものを悪いと言わせようとする恣意がある。これも、腹芸か、大和魂か。
その恣意が政治問題を何十年も膠着させている。
普天間基地の環境がどうしても我が国民に許しがたいものであるならば、政府は福島の第一原発のように「長期帰還困難区域」に指定すればよい。
この国の政治には、恣意の人でなく、意思の人が必要である。
さすれば、腹案ではなく、成案をもって問題は決着できる。

問題を解決する能力はないが、事態を台無しにする (ちゃぶ台をひっくり返す)力は持っている。
だから無能力の我々は、常に耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで、もって万世のために太平を開かんと欲しなくてはならない。
和をもって尊しとなす。過ちは、繰り返しませぬから。
これは単なる感傷ではなく、我々自らの叡智をもって裏付ける行動に出なくてはならない。

日本人には意思 (will) がない。
意思は未来時制 (future tense) の内容である。
日本語には時制がない。
日本人には意思がない。

英米人の子供には意思がない。
この点で日本人のようなものである。
思春期を迎え、言語能力が発達すると、意思を表すことができるようになる。
英米流の高等教育 (大人の教育) が可能になる。これは、さらなる英語の教育である。
日本語脳の持ち主には、大人の教育の意味は理解できない。
日本人は英米流の大学教育を高く評価もしないし、効果も上がらない。

子どもには意思がない。
だから、子供には保護者 (chaperon) がついてきて、それを代行する。
日本政府にも、意思決定が難しい。
だから、アメリカ政府が意思決定を助けてくれる。
日本人の誰もが指摘する通り、我が国の政府は、アメリカ政府のポチである。
日本人が、この道を脱却できるかどうかは、英米の高等教育の習得の成否にかかっているといえる。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812
  1. URL |
  2. 2012/02/06(月) 15:10:07 |
  3. noga #sqx2p0JE
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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