ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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中国&ロシアのサイバー攻撃、無人機撃墜など

 ワイド内の短記事ですが、本日発売の『週刊朝日』に「米調査報告書で明かされた中国『対日サイバー攻撃」拠点」という記事を寄稿しました。11月11日に発表されたアメリカ国防総省の元中国部長と専門家2人の研究チームによる報告書は、人民解放軍総参謀部第3部に関しておそらくこれまででもっとも詳細なレポートで、同記事では紙数の関係でそのほんの一部を紹介しました(記事化が遅れたのは、読み込むのにしばらく時間がかかったため)。
 中国軍のサイバー攻撃拠点は、要するに日本海~東シナ海に沿って点在しています。なぜかというと、そこはもともと第3部の日本・朝鮮半島・極東米軍を狙うシギント拠点で、ゆえに日本語翻訳要員ないし日本の事情に通じた要員が揃っているからです。シギントとサイバー攻撃(というよりはサイバー・スパイ)は技術的なものだけでなく、語学という点でも通じるものがあるわけですね。

 ところで、サイバー攻撃はもう世界のあらゆるところで発生しています。
 たとえば、一昨日はロシアで下院選挙があり、プーチン=メドベージェフ体制の与党・統一ロシアが大幅に議席を減らしましたが、その選挙の際、政権を批判する反与党系のメディアのサイトがDDoS攻撃を受け、クラッシュしました。攻撃を受けたのは、有力紙『コメンルサント』、ラジオ局『エコー・モスクワ』、それにいくつかの有力なネット・メディアです。
 少し前の当ブログで紹介したノンフィクション『サイバー・クライム』に詳しいですが、ロシアは世界最大のハッカー大国で、しかもバックに闇組織が存在します。カネで動くハッカーはいくらでもいますし、そうした人脈が体制側の治安当局や軍部にも繋がっています。なので、こうしたサイバー攻撃は明らかに与党系の上のほうの勢力による犯行でしょう。ああいう国ですから、犯人が摘発されることはないと思いますが、こうしたことはおそらく他の国でも今後は普通に起こっていくのではないかなと思います。

 話が変わりますが、12月4日、アフガニスタン国境に近いイラン領空で、米軍の無人機「RQ―170センチネル」が撃墜されました。これに対し、ISAF筋はロイター通信に対し、「制御不能となってた米軍の偵察機のようだ」とコメントしています。
「制御不能となった」という部分は、あり得ない話ではなですが、おそらくウソではないかなという気がします。 RQ―170センチネルは米空軍の最新鋭のステルス偵察機で、かのビンラディン襲撃の際にも投入されています。攻撃力はありませんが、隠密偵察任務では絶大な力を発揮します。アメリカはイラン上空での飛行を否定していますが、実際のところは、イラン偵察を行なっていた可能性が高いのではないなと思います。
 無人機は高額なものですし、最高機密の技術情報の塊ですから、今回のように敵側に機体をとられるのはまずいわけですが、それでも人的被害が出ないことから、偵察任務でどんどんあちこちに投入されていくことは間違いないでしょう。見つかったら「制御不能になった」と言えばいいわけですし。
 ところで、かのFOXテレビ『24』の最終話であるシーズン8では、テロ対策ユニット(CTU)が無人機による偵察を常套手段としていましたね。『24』のこれまでのシーズンでは、偵察衛星によって「いつでも、なんでも見えてしまう」という設定になっていましたが、私は無粋な重箱ツッコミで「衛星が撮影できるのは、アメリカといえど数時間おき」「それも1回につき1~2分くらい」と『ワールド・インテリジェンス』映画特集その他で書いてきました。おそらく同じようなツッコミをする人がアメリカにもいて、それで無人機の登場となったのかもしれません。
 アメリカ政府の捜査機関が国内で無人機を使っているのかどうかはよく知りませんが、それは効果は絶大ですから、いずれは普通に使用されていくものと思います(ま、ヘリを出せば済むことが多いでしょうが、無人機も有効ではあるでしょう)。スパイ映画の世界でも現実の軍事作戦の世界でも、これまでは偵察衛星に対する期待が非常に高かったですが、実際は無人機がずっと使い勝手がいいのではないかと思います。
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  1. 2011/12/06(火) 08:22:14|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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