ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

オカルトと銃社会と移民社会

『ニューズウイーク日本版』今週号を購入。表紙は、霊能者E氏のにこやかな笑顔がどーんと出ていました。日本人のスピリチュアル・ブームについてイギリス人のジャーナリストが論考を寄稿しているほか、E氏のインタビュー(かなり敵対的な雰囲気)も掲載されています。
 弊誌今号『世界&日本の地下社会』では、陰謀論をテーマにした論考も掲載していますが、スピリチュアルとかオカルトとかを信じるというのも、陰謀論を信じるということと、まあ似たり寄ったりではないかと思います。
 ところで、オウム事件で一時下火になっていましたが、オカルトはまた日本のテレビで大復活を遂げていますね。ジャニーズのアイドルが司会者の同スピリチュアル番組に加え、これも別のジャニーズ・アイドルがレギュラーの豪傑女史の番組もあり、いずれも高視聴率を誇っているようです。(ちなみに、この女性占い師は拙著『謀略の昭和裏面史』にも登場!)
 そう言えば、飯島愛さんの引退を扱った某番組でもまた他の女性霊能者が登場していましたが、これも別のジャニーズのアイドルが司会者の高視聴率番組でした。なぜジャニーズばかり!?
 ところで、こうしたオカルト番組に対する批判として、「視聴率狙い」ということがよく指摘されていますが、筆者の経験では、どうもそればかりではないようです。
 筆者はかつてテレビ業界にいたこともあって、こうしたオカルト番組制作に関わっている人物も何人か知っています。なにかの間違いで、超常現象番組のスタッフ会議に紛れ込んでしまったことすらあります(あまりに場違いなので次回から辞退しましたが)。また出版業界でも、オカルトや陰謀論系を取り扱っていた人を何人も知っています。
 そうした現場をみてわかるのは、編成や経営サイドはともかく、現場のスタッフには、なにも視聴率や実売部数目的の商売狙いということでなく、彼ら自身がこうしたオカルト・陰謀論を信じている人がじつに多いということです。当初は筆者も「どうせ商売のためにやってんだろなあ。あざといよなあ」などと思っていたので、彼らがあまりにマジなので戸惑ったことが多々あります。実際には「ホンネでは馬鹿にしつつ、仕事だからやっている」という人もいるのでしょうが、そういう人はかなり少ないのではないかと思います。
(詳しくは言いませんが、この点では、制作現場がタテマエを使い分けてカマトトしている皇室モノとはだいぶ〝空気〟が違いますね) 
 興味深いのは、オカルトが好きな人は、前述したように実際に陰謀論好きが多いのですが、この人たちの流れというのは、民間療法好き、右翼左翼好き、反米言説好き、な人脈とシンクロしているということです。以前、当ブログでもイデオロギー好きな人と反米言説好きな人の共通点に触れたことがありますが、これらの人々も、たいていは商売というより、ホントに信じている人が多いようです。
 カルト宗教もおそらくそんな感じなのではないかと思いますが、気になるのは、その大元の仕掛け人たちはいったいどうなのか?ということですね。この人たちも本当に信じているのでしょうか?
 興味深いのは、カルト宗教とキャッチセールス業界の経営者がシンクロしていることです。彼らには大衆誘導・マインドコントロールの手法が受け継がれているのですが、その源流を手繰っていくと、かつての「天下一家の会」の残党人脈が浮上したりします。弊誌でもいつか、心理戦の特集をやってみたいですね。
 また、カルト宗教についても弊誌最新号で触れていますが、宗教というものはみな多かれ少なかれファナティックなもので、キリスト教やイスラム教などの世界宗教でも、インテリジェンスの観点ではその作用は共通しています。ところが、大宗教を扱うのはメディア業界ではまだまだタブーになっていて、少なくとも既存の宗教世界の解説書はすべて、「一面だけの記述」に留まっています。
 世界の権力構造における宗教の裏表についてきちんと検証したものは、少なくとも日本語メディアにはほとんどなかったように思います(たぶん英語メディアでもあまりないでしょう)。弊誌はインテリジェンス専門誌を標榜している身ですから、いずれ世界の大宗教についても特集してみたいものです(書き手を探すのが問題ですけど)。

 さて、バージニア工科大学の事件を機に、アメリカの銃社会が日本のメディア各紙誌で取り上げられています。アメリカには現在、銃が2億丁も出回っているそうです。これは凄い数字です。
 実際、アメリカはかなり怖い国です。筆者はよく、「これまでいちばん怖かった国はどこですか?」という質問を受けるのですが、答えは初海外旅行だったロサンゼルスのダウンタウンです。安ホテルの窓から、警察のヘリがサーチライト付けて上空を旋回している光景をビビリながら眺めていた海外初夜の衝撃は忘れられません。
 なお、この初海外旅行ではニューヨークまで行ったのですが、そこでも警官隊が黒人男を逮捕する瞬間に出くわしました。シェパード2匹が男に飛びかかり、マジで血まみれにしていました。ということで、筆者の海外初体験は「アメリカ恐怖の旅」だったわけです。
(ちなみに、筆者はそのとき気まぐれで帰国フライトを変更してニューヨーク滞在を1週間延長したのですが、当初搭乗する予定で予約していた便は、サハリン沖でソ連軍機に撃墜された大韓航空機便でした)


 それから5年くらい後のことになりますが、ニューヨークはブルックリンというかなりハードボイルドな町に住んだこともあります。ちょうど殺人件数でブルックリンがブロンクスを抜いてニューヨークのトップに立った頃です。
 筆者はキューバ系貧困層が多かったコブルヒルという地区と、プロスペクト公園近くの黒人地区の2カ所に住んだことがあるのですが、とくに後者は悪名高きスラム街のワシントン・アベニューの近くで、かなりハードボイルド指数の高い地区でした(ハイチ難民とアフリカ系ギャングが抗争していたようですが、詳しく知りません)。その頃はまた、ちょうど黒人と韓国人グロッサリーが殺し合いになっていて、ごく近所でベトナム人が韓国人に間違われて殺害された事件もありました。
 ところが、です。筆者はそんなところに2年弱くらいいたのですが、その間、銃声は1発も聞いたことがありません。強盗事件は頻発していましたが、どれもナイフ強盗でした。筆者のルームメイトも3夜連続強盗被害に遭ったりしてますが、拳銃で脅されたわけではありませんでした。
 もちろん、ブルックリン全体では拳銃強盗はそれなりに起きていましたが、ご近所で毎日のように起きているナイフ強盗のようなメジャーなものではありませんでした。これはどういうことでしょうか?
 アメリカの犯罪はそれは日本などとは比べものにならない凄まじいレベルにあります。ニューヨークの黒人街などに行けば、犯罪者はものすごい数がいます。ギャングのメンバーでなくとも、そこらの少年が平気で窃盗・ナイフ強盗を日常的に繰り返しています。
 けれども、犯罪の中で銃が使われる頻度は、実際にはそれほど多くはないのではないか。とすれば、銃を規制したところで、大量猟奇殺人は減らすことが出来ても、日常的な犯罪は減らすことはできないのではないか。
 アメリカの銃社会について、西部開拓時代からの伝統のようなことがよく言われますが、実際にアメリカのスラムに住んでみて思ったことは、アメリカ人は犯罪を失くすということ自体の現実性を信用していないのではないかということです。それは『刑事コロンボ』に出てくるような殺人事件ではなく、単純な貧困層の犯罪ということです。
 ですから、中流以上の所得者層は、自宅に銃を置き、貧困層犯罪者の侵入に備えなければなりません。サバイバルしていくための必需品ということです。
「銃をなくせ」という理想はいいのですが、生きるために犯罪を行なう者たちをそのままにして、各家庭や商店から銃を取り上げればどうなるでしょうか。
「犯罪にはしる貧困層を減らす努力を!」なんて言う人もいますが、まあアメリカのスラムはそんな生易しいものじゃないです。実際にご近所を見て思ったのですが、スラムの子供たちはおよそ道徳的な価値観というものがない家庭や社会に生まれ育ちますので、それが当たり前になっています。

 こういうことを考えていくと、人種問題にブチ当たります。要は黒人問題になるからです。人種差別は当然、許されないことですが、黒人問題を避けてこの問題を考えることはできません。
 人種問題というのは21世紀の今日でも歴然として存在するものです(私たち日本人でも、自分たちを世界の一等人種と思っている人が多いかもしれませんが、世界に出ればイエローとして扱われます)。
 ところで、フランス次期大統領にユダヤ系移民2世のニコラ・サルコジ氏が当選しました。移民やプア・ホワイトに厳しいということで、若者たちがサルコジ当選に抗議して暴動を起こしたりしていました。
 サルコジはかつてそういう連中を「社会のクズ」と呼んで物議をかもしましたが(実際には報道は言葉尻を誇張して伝えていたようですが)、まあ選挙で負けたからといって車両に火をつけるような輩は社会のクズと呼ばれてもしかたないでしょう。
(ただし、そういう連中もいての社会なので、なんでも排除すればいいとは筆者は思いませんが。自分自身、人間としては明らかにダメダメな系統ですし)
 いずれにせよ、フランスでもイギリスでもドイツでも、これからさらに人種問題が先鋭化する可能性があると思います。フランスではアラブ系、イギリスではインド・パキスタン系およびアラブ系、ドイツではトルコ・クルド系の数が多く、まずはそのあたりでトラブルが顕在化していくのではないか。
 ただ、欧州主要国の首都圏のスラムなどを歩くと、その犯罪社会の中心がすでに黒人系(アフリカ系)になりつつあることがわかります。ここでも黒人問題がいずれクローズアップされることになるのではないかと思います。
スポンサーサイト
  1. 2007/05/10(木) 13:49:30|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:0
<<タリバンの狂犬が戦死 | ホーム | 「女スパイ列伝」記事延期について>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://wldintel.blog60.fc2.com/tb.php/59-edbb3fee
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

悩める青年ギャングの救い主として犯罪歴のある元ギャングを採用

(記事概要) ベルリン・クロイツベルク地区は、移民地区として有名だ。中でも36...
  1. 2007/10/02(火) 12:45:16 |
  2. 専門家や海外ジャーナリストのブログネットワーク【MediaSabor メディアサボール 】

プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

月別アーカイブ

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。