ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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アラブ連盟がシリアの資格停止

 アラブ連盟自身には何の力もないですが、これはひとつの大きな進展です。リビアの場合も、NATO介入を実現させた原動力は、アラブ連盟の介入容認でした。アメリカもフランスも、アラブ社会の容認という大義名分がなければ動けませんから、アラブ連盟がアサド追放と国民評議会への支持を打ち出せば、いわゆる「国際社会」が大きく動き出します。
 アラブ社会はもともとひとつの強い求心力のある社会で、アラブ諸国のコンセンサスというのは、かなり大きな意味を持ちます。「外国の介入への拒否」という常に振りかざされる建前は、長い植民地支配への反感をベースとする「欧米の勝手な介入への拒否反応」であって、アラブ社会のコンセンサスというのは、非常に大きな大義名分になります。ですから、結局は欧米の武力に頼るにしても、あくまでもアラブ社会のコンセンサスに則って、腕力のある欧米が介入・・・というのが基本になるわけです。
 今のところリビアのような国内拠点と実質的な反乱軍がシリアにはありませんから、反体制派への軍事援助のようなことは現時点では不可能ですが、シリア国内ではこれまで国民を虐殺しつづけてきたアサド政権への怨念が充分すぎるほど高まっていますから、国際社会による政治的なアサド追放が明らかになれば、シリア国内の潮目も急速に変わるのではないかと思います。
 いくら鉄壁の恐怖体制で国軍を監視しても、怖い親分がもう余命わずかと見限れば、あるレベルを超えた時点で、雪崩を打って反旗を翻す兵士たちが出てくる可能性があります。あとはそのレベルをいかに早く、スムーズにもたらすかという問題になります。
 ただ、懸念されるのは、国内の潮目が変わりつつあることを察知したアサド政権が、これまでの1日平均数十人規模の殺害という抑制した弾圧から、いっきに数万人規模の大虐殺にはしることです。そうなれば、多くの難民が周辺国に流出し、おそらく国連安保理決議にもとづくNATOプラス周辺国の軍も参加する多国籍軍による介入へと事態は急展開することになるでしょう。
 そうなると、最終的に独裁が打倒されるにしても、それまで数十万人が命を落とすことになるかもしれません。そうなる前に民衆革命が成功することを願わずにいられません。
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  1. 2011/11/13(日) 00:27:58|
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  2. 2011/11/13(日) 17:41:10 |
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黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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