ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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印象操作

 最近、他人様の記事の紹介がやたら多くてすみませんが、面白いものは皆様にもご紹介したいので、お許しください。

▽嘘をつかずに印象操作をする手口には要注意
 先日、拙ブログにもコメントを頂戴しました企業研修コンサルタントの開米瑞浩氏の記事です。インテリジェンス分析そのままの情報整理技術について、非常にわかりやすく解説されています。
 上記記事で例に挙げられているのは、放射能脅威扇動派による印象操作の記述ですが(これがまた非常にわかりやすくて面白い!)、こういうことは、どの立場の人の文章にもしばしば見受けられますね。
 必ずしも主義主張が背後にある場合に限りません。出版業界でいえば、たいしたことのない情報を大きく扱うため(要するに、記事を商品化するため)に、じつによく使われている手法です。私たちライター/編集者は、あくまで商品としての記事を作っている以上、常に一般読者へのアピール、さらに言えばメディア間/メディア内での競争を意識しますが、そこでこの匙加減について、良心とプロ意識(いろいろな意味で)の狭間で葛藤することになるわけですね。
 読み手としては、タイトルをそのまま鵜呑みにしないことや、微妙な言い回し/不自然な記述はゴマカシの場合が多いことに注意して、文中のファクトを読み取ることを心がけると、かなり間違いは少なくなると思います。

▽パレスチナ分割決議拒否はアラブの犯した間違い(アッッバス議長の告白)
 元外交官の野口雅昭氏のエントリーです。パレスチナ問題について、一方的な立場からの言説を展開する論者が少なくありませんが、野口氏が当エントリーで書かれた認識・評価はたいへん現実的なもので、私も全面的に同意です。
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  1. 2011/10/30(日) 22:14:21|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

このブログ記事で黒井先生に御紹介頂いた開米瑞浩氏の記事を拝見。正にプロの情報整理技術を解説され非常に貴重なものでした。以前、私はごく個人的なある必要から(それから少しというか随分それましたが)外国の新聞を数紙購読していたことがありましたが、報告書等の提出先がある訳でも無かったので3のプロセスには至らず。2の部分も不充分で三部屋に渡り古新聞やネット記事が数年分溜り最終的に処分するのに何ヶ月もかかりました。悪夢悪夢....

さて、「28日付のharetz net の記事は、アッバス議長がイスラエルの2chTVとのインタビューで、47年のパレスチナ分割決議を拒否したのは、パレスチナ、アラブの間違いであった」と書かれた野口氏のブログですが、ポイントはハアレッツにしても2chTVにしてもイスラエルのメディア媒体という事です。

アラファトにしてもアッバスにしてもアラビア語メディアでアラブ大衆に向けて言う事(強気の発言が多い)とイスラエルのメディアに伝える(仲良くしませんかという様な)事と西側などその他のメディアに向ける事を使い分けている。つまり、彼らも英国に負けず劣らず三枚舌を身に付けているので海千山千の中東の政治家を舐めてはいけない。

イスラエルのメディアではイェディオット・アハロノットとハアレッツ両紙がアラブ関係者の「平和への努力」を誇大に取り上げる。特にイェディオット紙は部数が多く影響力があるので露骨にやるが、マアリヴやイスラエル・ハヨーム氏は無視するか疑問を持つ識者に語らせる。

テレビでは左から10ch、2ch、1chとなるが、1chでは9時からのメイン・ニュースの中で毎日数分程度アラブ・メディアからの映像をアラビストが解説するが、大概はアラブの政治家のイスラエルや国際社会に向けて言った発言とアラブ人内部で言う発言の不一致を皮肉を込めて伝えるので、平均的イスラエル人はアッバスの発言を真に受ける事はまず無い。
  1. URL |
  2. 2011/11/01(火) 05:16:28 |
  3. 道楽Q #-
  4. [ 編集]

道楽Q様 ご教示ありがとうございます。恥ずかしながら、イスラエルのTVに右・左があるということは知りませんでした。
 なお、リンクしたブログ記事は、アラブ側の戦術的失敗という認識が、善玉悪玉論の多い日本のジャーナリズムやアカデミズムにはあまり見られないものだったので、勝手に紹介させていただいたものです。私自身は、その背景には、アラブ側指導者間の確執・競争、あるいは場当たり対応や問題先送り体質など、政治的な合理性とあまり関係のないヒューマン的な要素もあったのではないかなと推測しているのですが。
  1. URL |
  2. 2011/11/01(火) 06:25:29 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

イスラエルのTVは一番「右」の1ch(国営)でも同国の基準では右で無く中道です。新聞メディアの方は、主要なのは左からハアレッツ、イェディオット・アハロノット、グローブス(経済紙)、マアリヴ、イスラエル・ハヨーム(無料紙で最大部数)となっており、その右には極右や超正統派の主要新聞が数紙ありますが、それらは余り考慮する必要も無いでしょう。現在発行部数でライバル関係にあるのが、ここ数年随分と左に寄ってハアレッツ紙と変わらなくなったイェディオット紙とリクード系のイスラエル・ハヨームです。右派のマアリヴ紙はイスラエル・ハヨーム紙に部数を喰われ廃刊も有り得ます。

さて、アッバスの発言ですが本当にそう思っている訳では無いでしょう。政治的意図を持ったレトリックです。パレスチナ自治政府などは以前からメディアを使ってイスラエル政府の頭越しにイスラエル国民に呼びかけて働きかけているが今回も同じ。考えられる理由の一つには今回のイスラエル兵士と囚人の交換で、パレスチナ自治政府が無視されている事への焦りがある。二つ目には次の選挙でリブニに首相になってもらう工作。

一つ目に関連して、何故2年間行わなかったのに急にこの時期にネタニヤフが1000人の囚人を解放する事を決断したのか?もし、2年前に交換をしたならテロ犠牲者の家族から相当突き上げを喰らった。対し、もっと遅いなら露骨な選挙対策と見なされテロ対策責任を負う秘密警察シャバックの反対に抗せない。故にこのタイミングは偶然ではないく、兵士解放でパレスチナ自治政府と話し合う気の無いネタニヤフへ国民の信頼は高まった。それを考えると、この時期に思い切った事をアッバスが言うのは筋が通る。
  1. URL |
  2. 2011/11/01(火) 13:12:07 |
  3. 道楽Q #-
  4. [ 編集]

インテリジェンス分析!

黒井様、いつもありがとうございます。
もちろん私はインテリジェンス畑の人間ではありませんので、「インテリジェンス分析そのままの情報整理技術」と評されるとはびっくりです。
多少の軍オタ的な趣味はありますが・・・(^^ゞ
インテリジェンスの本質はどの世界でも同じなんでしょうね。

あの記事の場合、少なくとも元ネタを提供した学者か、記事を構成したライターのどちらかは自分が数字のトリックを使っていることを自覚していたはずで、だからこそ悪質だと私は思っています。
  1. URL |
  2. 2011/11/03(木) 02:00:27 |
  3. 開米瑞浩 #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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