ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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サイバー攻撃対策の難しさ

 今度は各地の日本大使館がサイバー攻撃に遭っていたことが発覚しました。もうあちこち狙われてます。
 実際、ウイルスはどんどん作成されていますから、狙われたら感染自体を防ぐことは非常に難しいですね。検知して駆除しても、その頃にはもう未知の新ウイルスが送りこまれている可能性があります。ウイルス駆除はウイルスを特定してからの作業になりますから、どうしてもそこにタイムラグは生じるわけです。
 ただ、本当の機密情報はどこもそれなりにガードの厚いので、そう簡単に抜かれることはありません。しかし、それで油断はもちろん厳禁です。いずれにせよ、政府機関・先進産業界は非常に高度なサイバー攻撃で、意図的に狙われているという前提で対処する必要があります。
 問題は、サイバー攻撃は、攻撃者を特定できないということです。ネットをそこそこ利用している方はご存知のように、ネットは基本的には匿名で利用できません。トラフィックはログを完全に解析すれば、ほぼ完全に追跡することが、理論上は可能です。
 匿名でサイバー攻撃を行うには、いちばん簡単な方法は、使用者の身元を完全に偽装してネットカフェやどこかの第三者の端末を使用することです。こうすれば、サイバー攻撃に使用された端末は特定されても、使用者が特定できません。
 それ以外の場合は、サーバー管理者や通信事業者がデータ提供などで協力すれば、攻撃者までたどり着けることになります。ただし、事業者は信用が第一であり、通信の秘密も守らなければなりませんから、そう簡単には捜査当局に協力しません。ウィキリークスがスウェーデンの業者を使っていたのは、そのためです。
 ネット詐欺や愉快犯ハッカーなどの場合、司法当局による正規の捜査協力要請・命令などがあって業者が協力し、犯人逮捕にたどり着くことがあります。あるいは、用心深くない攻撃者であれば、不正アクセスを泳がせ、攻撃ルートの端末を逆ハッキングすることで、その先の攻撃者にたどり着けるかもしれません。
 しかし、国家機関によるサイバー攻撃の場合、その国が協力することはありませんから、攻撃者特定はまず無理です。いくらある国のサーバーにたどり着き、その国が怪しいからといって、「第3者の中継に利用されただけ」と主張されれば、そこでおしまいです。

 なので、サイバー攻撃の犯人を名指しするのは非常に難しいわけですが、状況証拠的には、中国が国家を挙げて、世界中でサイバー攻撃をやっていることは、まず間違いないと考えていいと思います。中国の機関が日本になんらサイバー攻撃をやっていないと想定することは、あまりに無防備すぎるでしょう。
 中国はかなり前から、サイバー戦能力の増強を国家目標として突き進んでおり、サイバー・スパイもその一貫として行っています。そのあたりを最近研究しているのですが、雑誌寄稿予定があるので、本日はこの辺で。
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  1. 2011/10/26(水) 11:43:43|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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