ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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イスラム・テロの源流「コプト教徒vsイスラム・サラフィスト」

 エジプトでコプト教徒のデモにエジプト治安部隊が発砲し、多数の死傷者を出した事件がありました。同地ではコプト教徒とイスラム原理主義者(いわゆる「サラフィ主義者」)との抗争が激化しています。ムバラク独裁が打倒された後、宗派抗争が激化するのではないかとの指摘がありましたが、そんな雰囲気になってきました。

 拙著『世界のテロと組織犯罪』(ジャパン・ミリタリー・レビュー)『イスラムのテロリスト』『世界のテロリスト』(ともに講談社)で詳述しましたが、現在のイスラム・テロを「人脈」という観点から検証すると、大雑把に分けて、3つの源流があります。
「エジプト中南部の好戦的イスラム」
「南アジアのイスラム原理主義」
「イラン政府の秘密工作機関」
の3つです。
 このうち南アジアでは、インド亜大陸での社会的主導権を多数派ヒンズー教徒と争った少数派のイスラム教徒が先鋭化し、対ヒンズー教徒の戦いのなかで、戦闘性を高めてきた経緯があります。
 また、イランの場合は、国の諜報機関・秘密工作機関が、世界に散らばるシーア派人脈や、中東・北アフリカの反体制テロ組織に浸透し、テロを煽ってきたという経緯があります。

 他方、アラブ系のスンニ派のテロリズムに関しては、オモテの部分ではサウジを中心とするワッハーブ派の教義やサラフィの過激な復古主義、タリーカというイスラム神秘主義の存在などがありますが、実際のウラの部分では、「血の復讐」の社会慣習が、過激なテロが育ってきた根っこにあるのではないか、というのが私の考えです。
 実際、アラブ系イスラム過激派人脈の源流を手繰っていくと、エジプト中南部の「血の復讐」にいき当たります。現代のイスラム過激原理主義はたかだか100年以下の歴史しかありませんが、エジプトのナイル川上流にあたるミニヤやアシュートといった地方では、隣接するコプト教徒の村とイスラム教徒の村が、もっとずっと以前から血みどろの抗争を繰りひろげてきました。
 復讐が復讐を呼び、常に抗争状態にあるこの土地から、やがてエジプトのイスラム過激派は誕生し、アラブ全域にその過激な思想を広めていったという経緯があります。このエジプトにおけるコプト教徒とイスラム過激派の抗争は、長い血塗られた歴史のある問題で、一朝一夕に解決は難しいでしょう。
 イスラム過激派というと、なんとなく「アメリカ&イスラエルと戦っている人々」というイメージがありますが、世界のイスラム過激派の大多数は、地元の敵と戦っています。

 ところで、当ブログのトップページのはるか右下のほうにリンク欄があります。これまでほぼ放置していましたが、私がしばしば参考にさせていただいているサイトをいくつか張ってみました。管理者の方を個人的に知っているサイトもありますが、まったく存じ上げないサイトもあります。
 他にもときおり覗いているサイトがいくつかあります。気がついたら随時リンクしていきます。
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  1. 2011/10/12(水) 18:33:36|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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