ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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ウィキリークスと報道

 先週土曜日の「読売新聞」に、一面ぶち抜きで「ウィキリークス25万件の波紋」と題する解説記事が掲載されていました。コピーには「無修正公電 危うい公開」とドーンと大書きし、他にも「訴追目指す米政府」とあります。識者2名のコメントも両者ともにウィキリークス批判派を採用していました。アサンジ氏をちょっと一方的にワルモノにした印象ですね。
 公電を入手してスクープをものにした朝日新聞に完全敗北した同紙の苦悩が滲み出た紙面、といったところでしょうか。会社としての選択なのでしかたなかったのでしょうが、現場の記者の方はそれぞれ各自なりの思いがあったこととお察しします。

 報道の末席に携わる者として、またウィキリークスをそこそこ研究してきた者のひとりとして、私だったらどうだろう?と考えます。
 たとえどんな経緯があったにせよ、価値ある情報があるのなら、それを入手して報道するという立場に立つだろうな、と思います。
 そこに検討を加えるとすれば、まずは「信憑性」、それから「誰かを危険に晒すことはないか」ということになると思います。基本的には、この2点に自信を持てれば、迷わずGOですね。ただし、情報提供者との約束事があれば、それはよほどのこと(テロの幇助になる等)がなければ守ります。倫理上の問題でもありますが、業務上も、情報提供者との約束を守れない人間にはその後、情報は集まらなくなるからです。
 上記記事に登場するガーディアン側担当記者のコメントでは、アサンジ側と情報公開方針をめぐって衝突したかのような印象ですが、私の知るかぎりでは、違いますね。ガーディアン側がアサンジを利用して独占スクープを狙ったのに、目立ちたがりのアサンジが他にもネタをまわしたのでケンカしたという単純な話ですね。
 以前も書いたように、私はそのガーディアンのハイエナ根性はプロとして当然だと思うのですが、大手マスコミがよってたかって食い散らかした今回の流れは、なんとなくアサンジが可哀想な面もあります。
 アサンジは原稿承認していない「自伝」を勝手に出版されたりもしています。もうなんでもアリのフルボッコ状態ですね。自分自身も「なんでもアリ」を売り物にしてきたから、ザマミロと思う人もいるかもしれませんが、これもなんだかちょっと可哀想です。
 私だったら、どんなに弱い立場の相手であっても、本人の協力を得た場合には、約束を反故にして勝手に自伝出版など考えられません。そういうことを平気でやる奴・・・となってしまっては、業務上もマズイわけです。
 ちなみに、私が編集責任の『ワールド・インテリジェンス』では、数多くのインタビュー記事を掲載しましたが、すべて取材先のチェックを経ています。他業種の方からすると当たり前のことと思うかもしれませんが、雑誌業界ではそうでもないです(なので、トラブルもよく聞きます)。
 協力を得られずにこちらで勝手に書く場合は、もちろん勝手に書きます。編集作業はずっとラクです。
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  1. 2011/10/05(水) 11:53:15|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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