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ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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普天間問題のまとめ

 シンプルに考えてみましょう。
 野田政権とオバマ政権は現在、すでに日米政府間で合意されている辺野古沖移設を履行しようという方向です。これは両国での合意ですから、あとは地元・沖縄が合意すれば問題なく実行される話です。
 しかし、沖縄県側はあくまで県外移設を要求する方針を崩していません。今後もその主張を変更する徴候はみられません。
 そこに最近、米上院軍事委員会から「嘉手納統合もあり得る」との案が出てきました。
ーー以上が普天間基地移設問題をめぐる現在の状況です。

 さて、では今後、どういう展開が予想されるのでしょうか?

▽日本政府があくまで辺野古移設の方針→沖縄県拒否→日本政府が沖縄県説得→沖縄県が受諾→辺野古移設実現ーー
 野田政権の希望的シナリオかもしれませんが、「沖縄県が受託」の可能性はちょっと現状では考えられません。よって可能性極小。

▽日本政府があくまで辺野古移設の方針→沖縄県拒否→日本政府が辺野古移設案撤回→米側が計画見直し→県外移設実現ーー
 沖縄県側の理想型ですが、鳩山政権時の騒動で明らかになったように、海兵隊ヘリ基地の県外移設を米側が呑む可能性はほとんどないでしょう。よって実現の可能性は非常に小さいです。

▽日本政府があくまで辺野古移設の方針→沖縄県拒否→日本政府が辺野古移設案撤回→米側が計画見直し拒否→日本側が主権国として普天間閉鎖を強硬に要求→県外移設実現ーー
 理論上は可能ですが、日米関係の現状を考えれば、現実的にはまず考えられません。私自身はこういうのもアリではないかとも思うんですが。 

▽日本政府があくまで辺野古移設の方針→沖縄県拒否→米側時間切れ→普天間固定化ーー
 確率的にはこれがいちばん高いことは明白です。

▽日本政府があくまで辺野古移設の方針→沖縄県拒否→日本政府が辺野古移設案撤回→普天間固定化ーー
 こういう展開もあるかもしれません。

 いずれにせよ、現状でもっとも可能性の高い展開は、ずるずると普天間固定化という将来です。財政難と米戦略の変化により、米政府としては軍の海外駐留を削減したい意向はあるのでしょうが、現状ではまだ米軍側は海兵隊の沖縄拠点を破棄するような状況にはありません。したがって、このまま話が進まなければ、米側は普天間固定化でもヨシとすることになります。
 今回出てきた嘉手納統合案は、米政府・軍は認めていませんが、上院軍事委員長の案ですから、米側の政治的ハードルはそれなりにある部分を越えています。米側に可能性があるわけです。
 嘉手納統合案は以前からありましたが、主に米軍側の事情でダメになってきた経緯があります。今回、米上院で出てきたというのは、画期的な変化といえます。
 しかし、今回、沖縄県知事は「難しい」という表現で拒否しています。沖縄世論もまず是認しない状況です。
 日本側の反対の理由は主に2つ。1つは、嘉手納周辺の騒音被害が増大するという、嘉手納町からの反対です。
 もう1つは、「県外移設でなければ沖縄の負担軽減にはならない」という沖縄県全体の反対です。しかし、後者の反対には、「このまま膠着が続けば、普天間固定化の可能性がきわめて高い」という冷徹な現実が立ちふさがります。
 また、日本政府の一部にも反対があります。沖縄の米空軍力の低下が「抑止力」を著しく弱体化させるので危険だという考えです。

 こういった状況のなか、現状では将来の見通しがないままに、「辺野古移設」と「県外移設」が対峙しています。嘉手納統合案はまだ具体的な遡上に乗った話ではないですが、日本側ではほとんど話題にすらならないのは何故なのでしょう?? 検討ぐらいはしてもいいのではないかなと思うのですが・・・。
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  1. 2011/09/25(日) 11:46:35|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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