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ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

三菱重工を狙った中国ネット軍のサイバー・スパイ

 三菱重工サイバー・スパイ事件。サイバー攻撃の宿命として、「敵が断定できない」ため、報道では敵国名を断定していませんが、標的が防衛産業ですから、まず中国軍によるものと考えていいでしょう。主犯が人民解放軍総参謀部の第3部(技術偵察部)か第4部(電子戦部)かはわかりませんが。
 読売新聞で報じられている情報しか私もわかりませんが、それから考えると、中国ネット軍がアメリカなどに行ってきたサイバー・テロのごく典型的な手口です。実行犯は民間ハッカーの可能性もありますが、標的設定から考えて、ネット軍のフロントと考えていいかと思います。
 あのアメリカでさえ政府機関・軍、防衛産業などが被害に遭ってますから、日本のサイバー防衛態勢ではなかなか防げません。中国の情報収集の特徴は「可能なところ軒並み」なので、他企業も侵入されていると見るべきでしょう。
 重工は新聞報道まで防衛省への通知をしていなかったそうですが、それはダメですね。こういうのは国家安全保障案件なので、政府中央で統制しなければなりません。また、そのための国家機関の整備・強化が急務です。サイバー戦能力は、もはや国家の防衛力の要といって過言ではありません。
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  1. 2011/09/20(火) 18:27:37|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

日本人は何かにつけて安全だと盲信したがる傾向がありますが
もっと危機意識を持った方がいいかもしれません
犯罪被害にあってる人も「自分があうと思ってもみなかった」という人が多くいます
「○○になったらどうしよう」と普段から考えるタイプの私には
安穏として思考停止した多くの人達は異常に見えます
  1. URL |
  2. 2011/10/01(土) 15:43:44 |
  3. 匿名 #-
  4. [ 編集]

 脅威のリアリティを案件ごとに検討することが重要ではないかな、と私自身は考えています。私は「アルカイダの対日テロ」とか「日本への侵略」はそれほど心配していませんが、「北朝鮮の核」「尖閣」「自衛隊海外派遣の際の保安」「サイバー戦」はもっと真剣に取り組むべきという考えです。
  1. URL |
  2. 2011/10/02(日) 11:53:31 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

すぐ中国にむすびつけるのは不自然。
それと、すぐ国家を持ち出すのもどうかと思う。
どういった組織、人達によるものなか特定すべき。
今や国家間の戦争じゃなくて、企業による戦争が主流です。
  1. URL |
  2. 2011/10/12(水) 02:47:48 |
  3. すぐに結びつける。 #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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