三菱重にサイバー攻撃、80台感染…防衛関連も(9月19日 読売新聞)
まあ、おそらく犯人は中国のネット軍あたりではないかなとは思うのですが、サイバー戦の難しさは、侵入経路が中国発信だったとしても、それが本当に中国発なのかを特定することが理論上非常に難しいということです。「ウチのサーバーは何者かに利用されただけ」と主張されれば、それを100%覆すのは至難のワザであるからです。
アメリカ政府は「サイバー戦は戦争と見なす」などと言っていますが、犯人特定できなければ、誰と戦争するのかという話になります。
サイバー戦の攻撃能力は中国よりもアメリカのほうが上ですが、アメリカは防御が弱いので、トータル戦力では中国がむしろ有利です。日本はこの点、攻撃も防御も非常に遅れているというのが、私の知るかぎり関係者の常識になっているようです。
折りしも読売新聞では本日付から「サイバーウォーズ」という連載がスタートしました。第1回もなかなかの力作で、今後に期待大です。
ところで、若者向け月刊誌『サイゾー』今月号で、「サイバー戦争の最前線」という私のインタビュー構成記事を掲載していただきました(偶然ですが、『サイゾー』様からは別途にネット配信記事のほうからも取材を受け、ひとことですがコメントを採用していただきました。こちらです→「
何を信じていいの? カダフィ政権崩壊をめぐる「偽造映像」騒動」)。
また、『SAPIO』誌で7月に寄稿した拙稿記事の一部抜粋が、小学館サイトでも掲載されています。
▽NEWSポストセブン
世界の工場・中国 世界各国の基幹システムに罠仕掛けている説 上記は一部のみですので、興味のある方は図書館などでどうぞ。『SAPIO』7月20日号です。
また、関連して中国のネット検閲制度を中心に分析したレポートを、『正論』5月号に寄稿したのですが、それも産経新聞社サイトで掲載されています。
▽MSN産経ニュース/
月刊正論 ここまでやるか!中国のネット監視 中国のネット監視システムあるいはサイバー戦部隊に関しては、他にも『週刊朝日』2月22日発売号、『軍事研究』4月号などにも書いてきましたので、これも興味のある方は図書館などでどうぞよろしくお願いします。
それともうひとつ、読売新聞本日付にひとつ気になった記事を発見。
ミャンマー、ネット規制緩和…ユーチューブOK (読売新聞9月19日)
今、ネット言論空間を解禁すれば、否応なく民主化圧力が盛り上がることは常識です。ミャンマー政府がそれでもネット規制緩和に乗り出したということは、政権内指導層に民主化志向の勢力が台頭してきたということかもしれません。
かつて民主派を殺しまくった世代は、民主化はそのまま自分の命取りになりかねない危険なものでしたが、長い年月が経って世代が順次交代してきたこともあって、そのあたりはかなり緩んできている可能性があります。
ミャンマーでも必ずネットを介した民主化要求の言論が高まることになりますが、そこでそのまま民主化に向かうのか、あるいは守旧派権力層が巻き返してひと波乱起こるのか、これも今後の展開が注目されます。
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- 2011/09/19(月) 14:50:51|
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