ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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写真館30 レバノン取材(シリア関連)

 シリアの「革命」は3月15日のダマスカスでのデモが一般には端緒とみられています(南部ダラアではその少し前から始まっていますが)。なので、もう半年が経過したことになります。
 反体制派はようやく内外の各グループが連携し、「国民評議会」が作られました。が、リビアの国民評議会と決定的に違うのは、国内で「支配区」を持っていないことです。なので、国民評議会の会合もトルコで行われています。
 今後、反体制運動はこの組織を中心に動いていくことになりますが、まだまだ先の見通しは立ちません。欧米・アラブ諸国と外交的に連携し、アサド政権に圧力をかけていくことになるかと思います。もっとも、今のところは反体制デモを継続する以外、国内での活動の方針は決まっていません。同じような状態で半年経過しましたが、このままでは埒があかない感じになっています。
 当然、反体制派も次なる展開を考えているのでしょうが、今後、国内でリビアのような内戦化を目指すのか、あるいはアサド政権に国連監視下の早期選挙を突きつけるなどの交渉路線に転じるのか・・・ただし、今のところそうした方向に進む徴候はありません。

 とにかく、シリア革命は中東民主化の天王山です。イスラエルやイランの情勢に直結するシリアが民主化されれば、そのインパクトはエジプトやリビアの革命など比べものにならないほど大きいと思います。シリアが民主化されれば、将来的には次はいよいよ本丸のイランが視野に入ってきます。
 世界は今、冷戦終結に次ぐ時代の大転換期を迎えていて、その第一幕のクライマックスが現在のシリアであり、第2のクライマックスが将来のイランとなるのではないかと私は考えています。シリアとイランが民主化されれば、世界はまったく違うステージに突入することになります。
 いずれにせよ、現在進行中のシリア革命は、それほど重大なものであると思っています。

 ところで、某月刊誌の寄稿記事が校了し、これでとりあえず夏のレバノン取材関連の発表は一段落です(シリア革命そのものはまだまだこれからですが)。そこで、レバノン取材時の写真をアップしておきます。
syria11_convert_20110916121140.jpg
 レバノン北西部のシリア国境地帯です。こんな感じの低い山というか、丘陵が続いています。レバノンのド田舎ですが、貧しい山村という雰囲気ではないですね。比較的立派な家が多く、そこそこハイレベルな暮らしぶりです。
syria22_convert_20110916121713.jpg
 シリア難民収容施設。ちょうど夏休み(向こうは7~9月の3ヵ月が休み!)だったので、地元の小学校が使われていました。左手にある車両は援助団体の医療支援車両です。
syria33_convert_20110916122147.jpg
 難民は教室内で雑魚寝&自炊生活。家族以外は男女別に分けられています。もともと出身地で友人同士だった人ばかりなので、それなりに楽しそうですが、シリア秘密警察と親シリア派のレバノン官憲人脈が危険なので、外出は難しいそうです。
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 難民女性。生活費が要るので、夫を地元に残して女子供だけ逃げた家族が結構います。ちなみにシリアの携帯電話で通話可。情報化はこんな田舎まで浸透。
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 凄い傷跡ですね。デモ参加していて治安部隊に捕まり、ナイフやナタで文字通り半殺しにされたそうです。
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 レバノン側国境から見たシリア領内の村。手前の林の中に小さな国境線の川があります。このあたりのシリア側住民の多くは密輸業者で、けっこう立派な密輸御殿が多いです。
syria77_convert_20110916124230.jpg
取材した人①
 ダマスカス近郊キスワトゥのデモ指導者(公安警察に追われてレバノン北部潜伏中)。顔出し・実名NG。
syria88_convert_20110916124544.jpg
取材した人その②
 今回の取材のメインの目的は、この人にインタビューすることでした。シリア各地のデモをコーディネートしている「シリア地域調整委員会」(LCCS)の中心人物のひとりであるオマル・イドリビー氏。ホムス出身の人権活動家で、今回のシリア革命の仕掛け人のひとりです。
 活動家のほとんどはシリア秘密警察を恐れて匿名・顔出しNGで活動しているのですが、イドリビーさんは数少ない実名活動中の人物。アルジャジーラなどの国際メディアも常連です(ただし、英語が不得手なのでアラビア語メディアのみ)。
 イドリビーさんは単に反体制運動のスポークスマンというだけでなく、国内で撮影され、持ち出された映像のネット配信でも中心的役割を果たしています。会見場所はベイルート市内の秘密アジト。
syria99_convert_20110916125922.jpg
取材した人③
 レバノンのオンライン・メディア「NOWレバノン」のハニン・ガダル国際部長。シリア革命発生当初から、いち早くシリア情勢専用ページ「NOWシリア」を立ち上げ、英語・アラビア語のバイリンガルで記事と映像を発信し続けています。なかでも英語ページは、シリア情報に関する英語ソースとしては、もっとも重要な役割を果たしているサイトのひとつになっています。なお、レバノンはアラブ圏のIT先進国であり、ガダルさんはアラブ地域のIT事情にも詳しい方です。

(追記)
発表メディアは以下。
「正論」
「軍事研究」
「フライデー」
「BSフジ」
「TBSニュースバード」
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サバイバルナイフのいろいろ

サバイバルナイフ関する情報。サバイバルナイフの入手法やサバイバルナイフと他のナイフとの違いなどを、初心者にも分かりやすく説明しています。   
  1. 2011/09/22(木) 07:38:57 |
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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