つい先ほど入ってきたニュースですが、シリアの首都ダマスカス南郊のダーライヤで行われた著名な反体制活動家の葬儀に、米仏およびデンマーク各国の大使とともに、日本大使も出席したとのことです。
▽アルジャジーラ英語版⇒Envoys to Syria 'attend activist's vigil' ~US, French, Japanese and Danish envoys visit Daraya in show of solidarity with protest movement, activists say. 葬儀の映像が早くもユーチューブにアップされました。鈴木敏郎大使の姿も見えます。
▽シリア葬儀のユーチューブ映像(参列者最前列左から5番目の白髪系の紳士が鈴木大使)
大使の独断ということはないでしょう。アメリカ政府と歩調を合わせてのことでしょうが、本省の判断ではないかと思います。であれば、わが日本国外務省も、なかなかやるではないですか。このまま外交団の先頭に立って、アサド政権を追い込んでいただきたいと思います。
(追記⇒大使らの退出後、治安部隊が葬儀会場に催涙弾を撃ちこむなどしたそうです。負傷者はナシとのこと)
ところで、上記のアルジャジーラ記事によれば、在英人権団体「シリアン・オブザーバトリー・フォー・ヒューマン・ライツ」の集計では、これまで7万人が逮捕され、現時点でも1万5000人が拘束されているとのこと。
その中で、私の古くからの知人で、シリア総合治安局に数ヶ月間拘束され、つい最近ようやく賄賂で釈放された人物が、ある第3国に出国し、連絡がとれました。
その人物から聞いた話のなかで、ちょっと興味深い点を以下に挙げます。
▽一般警察、および総合治安局(アムン)のなかで、拘束者を賄賂で釈放するのが、一種の裏ビジネスになっているとのこと。ムハバラート系だと、そういうわけにはいかないようです。
▽デモはとくに「いつ、どこで」という情報が住民に事前に行き渡ってはいないようです。なんとなく町の中心部に行くと、自然と人が集まってきて、誰かがシュプレヒコールを叫ぶと、それにつられてまた人が集まるという感じだそうです。各町村ごとにデモの調整委員会があるはずなのですが、それはどうなっているのか一般の住人はあまり知らないそうです。
▽ずっとビビって暮らしてきたので、とにかくデモは開放感にあふれ、気持ちが高揚するようです。曰く「お祭りみたいな感覚かなあ・・・」とのこと。
▽デモの中心になっている活動家は、実際にはデモ中も身辺を警戒しているので、民兵やアムンによる銃撃で犠牲になることは、じつは少ないそうです。どちらかというと、端のほうで参加している一般住民が、逃げ遅れて犠牲になるケースが多いとのこと。
▽現在、フェイスブックよりもツイッター、ツイッターよりもスカイプのほうが安全だということで、国外との連絡にはスカイプが広く使われているそうです。
▽経済が半ばマヒしているので、国民生活はかなりシンドくなってきているとのことです。
この知人も、とくに拘束の前半には、自白剤を使われるなど、非常に厳しい仕打ちを受けたといいます。もっとも、逮捕された後、死体で捨てられる人も多いので(私の知人の縁者にも、そうして殺害されたケースがあります)、生きて出られただけラッキーといえます。
なお、誤解なきよう書き添えますが、私はもう四半世紀前から中東各地を取材してきたので、各国にそれなりに知り合いがいます。が、ほとんどは普通の人々であり、もとから反政府運動をしていたわけではありません。シリアの知人たちもみな普通の人ばかりで、要はこれらの話はごく普通のシリア国民によくある話だということです。
スポンサーサイト
- 2011/09/14(水) 22:40:35|
- 未分類
-
| トラックバック:0
-
| コメント:3
管理人のみ閲覧コメントをいただいた方へ
コメントありがとうございます。ご指摘の件、とある方法でチェックしてみたところ、とくに問題なく機能していることが確認されました。場所によって違うとかあるのでしょうか? よくわかりません。
- URL |
- 2011/09/19(月) 12:41:30 |
- 黒井文太郎 #-
- [ 編集]