ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

911テロから10年

 まもなくあの911テロから10年になります。あの事件は、私個人にとっても人生の転機となる事件でした。
 その頃、私は『軍事研究』で「ワールドワイド・インテリジェンス」という欄を担当するかたわら、他の版元でもムックの編集などをやっていました。あの頃はなかでも自衛隊関連のムックを立て続けに手がけていた頃で、911当時もたしか別冊宝島で自衛隊ムックを制作している最中でした。
 911は発生直後に自宅のテレビで第一報を知りました。当時、ビンラディンやアルカイダは日本のメディアではメジャーな存在ではなかったので、テレビや新聞の記者から電話が殺到しました。まあ、そんなバブルも1週間くらいだけでしたが。
 アフガン取材も考えましたが、911から数日のうちに2つの仕事が決まりました。『世界のテロと組織犯罪』増補改訂版の出版と、『イスラムのテロリスト』の出版です。『世界のテロと組織犯罪』は当時、ビンラディンやアルカイダに関しておそらくもっとも詳細に解説されていた日本語の書籍で、在庫が瞬時に売り切れ、増刷が決まったのですが、すでに3年前の本だったので、その間のアルカイダ情報を付記することになりました。「ワールドワイド・インテリジェンス」でアルカイダ情報のストックは手元にあったので、数日で書きました。
 それからは、すでに進行中だった自衛隊ムックと並行で、『イスラムのテロリスト』にかかりました。じつは、イスラム・テロの興隆史を現代史ドキュメントの読み物にするという企画をだいぶ前から進めていて、途中まで書いていたのですが、その「商機」にそれを超特急で新書に組み直すことになったわけです。
 資料はすでに全部持っていたので、それを組み直すのに、だいたい3週間くらいかかったと思います。なので、緊急出版でしたが、べつに内容的には「やっつけ仕事」だったわけではありません。
 それから自衛隊ムック、さらに『世界のテロリスト』をすぐに出しました。『世界のテロリスト』は、『世界のテロと組織犯罪』からテロ分野だけを抜き出し、その情報を全面的に更新しました。とにかくテロリスト情報に対する注目がものすごく集まっていて、それだけ需要があったわけです。
 その直後に、今度はアメリカで炭疽菌テロが発生しました。私はちょっと以前に別冊宝島の『生物災害の悪夢』というムックに関わっていて、生物テロに関しての予備知識があったので、今度は急遽、『生物兵器テロ』という新書を書くことになりました。とはいえ、バイオや医療の分野の知識には自信がなかったので、医療専門紙記者出身のジャーナリストだった村上和巳さんに声をかけ、手分けして共著のかたちで出版しました。蛇の道はヘビといいますが、村上さんにはずいぶん助けていただきました。
 正確には覚えていませんが、この『生物兵器テロ』の校了は同年12月中だったと思います。9月のテロからの量産で、へろへろになっていた記憶がありますが、自分のいちばん興味のある分野だったので、あまり苦にはなりませんでした。
 911テロの頃、私はすでに38歳になっていて、それまでこれといった実績もない一介のライター兼編集者でしたが、このときテロ関連の書籍を続けざまに出版したことで、その後、その道を専門に進むことができました。
 アルカイダに関しては、それからも本籍である『軍事研究』をはじめ、『週刊エコノミスト』などにも書かせていただきました。3年後には『国際テロ・ネットワーク アルカイダの全貌』も上梓しました。
 私は当初、ビンラディンは早期に捕まるものだと予想していましたが、見事に外れました。私はアルカイダ情報をカバーするうち、アメリカのインテリジェンスの奥深さに興味を覚え、インテリジェンス研究に興味対象をシフトさせていき、やがて『ワールド・インテリジェンス』を出すことが出来ました。
 こう考えると、911こそ私自身の原点だったのだなと思います。10年間は、私にとっても長いようで短い年月でした。今年5月にはビンラディンが殺害され、私も『ビンラディン抹殺指令』を書きましたが、これでこの分野もひと段落という感じになっています。
 今、中東イスラム世界は、アルカイダの反米テロよりも民主化革命に焦点が移っています。歴史は新たな時代に移行したということなのだと思います。
スポンサーサイト
  1. 2011/09/06(火) 01:11:35|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<カダフィ大佐、ニジェールへ逃走??? | ホーム | 日米同盟建て直し?>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://wldintel.blog60.fc2.com/tb.php/488-ea6c658d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

月別アーカイブ

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。