ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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シリア弾圧続く

 シリア情勢が大きく動き始めました。
 17日、国連事務総長と電話協議したアサド大統領は「軍や警察の作戦を停止した」と約束しました。
 18日、米英仏独加+EUが、「アサド退陣要求」を表明。さらに米英(※訂正⇒英仏独葡)は国連安保理で制裁決議案を提出する考えを表明しました。
 で、本日未明の拙ブログ前エントリーで、「日本政府も同調を!」と書いたところ、19日中に、さっそく松本外相がアサド退陣要求を表明しました。素早い動きで、たいへん良かったと思います。
 一方、国連人権高等弁務官事務所がシリアでの人権侵害を認定。「『人道に対する罪』にあたる可能性がある」として、国際刑事裁判所に調査・捜査を促すとともに、国連調査団を今週末にシリアに派遣することを決めました。
 こうした動きに、シリアのジャファリ国連大使は「軍・警察の作戦が停止されているのに、おかしい」と反発しましたが、実際には18日も19日もシリア各地でデモ弾圧は続いています。とくに同国南部のホラン地区で軍事作戦が続いているほか、首都ダマスカスでもアムン(公安警察)が大々的にデモ隊を排除しています。他にもホムスなど各地で弾圧の事実が報告されています。

 国連安保理では、おそらくこれまでと同様に、ロシアと中国がシリア制裁に反対するでしょう。しかし、「弾圧停止を約束したのに、約束を守っていない」となれば、ロシアや中国としても、いつまでも庇い切れるものではないでしょう。
 デモ隊側は、抗議行動を緩める気は毛頭なく、大掛かりな街頭行動を今後も続ける計画です。独裁政権はそれを放置できませんから、必ず弾圧を強化するでしょう。流血は続きますが、アサド政権は確実に追い詰められていきます。

(そもそもアサド政権が「改革」とか口先で言っていることに、まともに期待するほうがおかしいと私は当初から考えてきました。国中にアサド親子の肖像画飾って「大統領万歳!」としか言えないような国ですからね。国外向けの口約束なんて初めから守る気ないです。北朝鮮と同じです。
 メディアの人と話すと、だいたい皆さんそのことはわかっていても、情報鎖国国家の場合、証明する材料が不足しているので、報道機関としての建前上、独裁政権の言い分も併記しないといけないということです。90年代くらいまでの北朝鮮報道と似たようなジレンマですね。当時、私も何度か北朝鮮を糾弾する記事や番組の企画を提案したことがあるのですが「一方的な内容だ」と却下された経験があります。まあ、そこを説得する材料を準備するのが本来のプロの仕事なのでしょうが)

 本日、反政府運動を担ってきた本当の主役である44のグループが結集して「シリア革命総合委員会」(SRGC)という組織が結成されました。各地でのデモの組織化、あるいは映像ネット配信などを命がけで行ってきた匿名の若者たちが中心です。シリアの反政府運動は核となる統一組織の欠如が弱点でしたが、今後、このSRGCが中心になります。今はまだ国内の活動家が実名を出して活動できる状況ではないですが、いずれこの中から指導者が出て来るでしょう。国際社会は彼らを支援すべきではないでしょうか。
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  1. 2011/08/19(金) 21:26:08|
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  4. | コメント:3
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コメント

NHKドラマ「外事警察」映画化について

 どうもお久し振りです。シリア情勢も、ようやく良い方向に少しずつ進み始めたようですね。黒井さんのアピールの成果?が出始めたようで何よりです。
 ところで記事内容とは関係ありませんが、黒井さんも協力したNHKドラマ「外事警察」が、新しいストーリーで映画化されるとの報を聞きました。これにも黒井さんは協力されるのでしょうか?されるのでしたら、麻生幾氏と共に、インテリジェンスの現場を観客にズシーンと伝えられる様な映画ができるよう、ぜひ尽力して下さい。勝手な要望ですが、よろしくお願いします。

 追伸:そういえば、実際の公安警察官は、ドラマ「外事警察」に対してどんな感想を抱いているのだろうか・・・。
  1. URL |
  2. 2011/08/20(土) 19:13:30 |
  3. イージス #MOEoYrDQ
  4. [ 編集]

 映画は私はまったく無関係です。麻生さんは尊敬する大先輩というか、私からすると大師匠のような方です。なので、とても私なんぞの出る幕ではないです。
  1. URL |
  2. 2011/08/21(日) 19:38:50 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

残念!

 そうでしたか。少なくともインテリジェンスに関する事ならば、麻生幾氏の小説と黒井さんのレポートは双方とも、「とりあえず買って読んでみる」だけの価値は十分あると思っています。それだけに、両者が組めばどんな作品が生まれるのだろうと期待していたのですが、残念です。ではまた。
  1. URL |
  2. 2011/08/22(月) 15:18:00 |
  3. イージス #MOEoYrDQ
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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