ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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ベイルートなう

 一度「××なう」というのをやってみたいと思っていました。
 で、ただいまベイルートにいます。15年前に一度来たことがあるのですが、そのときは戦争の最中だったので、ほとんど町を見る余裕はありませんでした。今回はスケジュールに若干余裕があるので、町をぶらついてみました。
 で、一度「旅ブロ」ふうにやってみたかったので、今回はそんな感じで書いてみます。

 今これを書いているのは、ベイルート屈指の繁華街ハムラ地区にある「シティカフェ」というレトロな西欧料理レストランです。昔からジャーナリストの溜まり場として有名な店ですが、周辺の小洒落た店に比べると、コストパフォーマンスも含めて少しディスアドバンテージな感じですね。客層は60代以上の地元の画家や作家さんが多いです。ちなみにハムラはキリスト教地区の西ベイルートにあるので、中東アラブとは思えないような派手派手なギャルがわんさかいます。
 ちなみに、このシティカフェのすぐ近傍にはハリリ前首相の家があって、その一角だけもの凄い警備体制です。一度、カメラを持ってウロウロしてたら、警察に呼び止められ、30分もかけて身元調べをみっちりとされました。まあ、西ベイルートで面倒くさいのはそこだけですが。
 私は若かりし頃にカイロには住んだことがあるのですが、カイロに比べると、ベイルートはとにかくいいです。よく「中東のパリ」とか言われますが、パリというよりニースとかの雰囲気です。ちょうど夏の観光シーズンで、実際に観光客だらけなこともあるのでしょうが。
 カイロの食事はイマイチだった記憶がありますが、レバノンの食事はメチャ旨です。アラブ料理といえばレバノンと言われていますが、まさにそうですね。さまざまなランクの店に行きましたが、今のところ「外し」はありません。とくに羊肉好きの私としては、まるで楽園です。
 さらに嬉しいことに、ちゃんとした食事の場合、こちらでは大量の「突き出し」がつきます。ピクルス、ナッツ、ハーブ、ラディッシュ、オリーブ、青唐辛子などが定番ですが、これがまた美味。その国が肌に合うかどうかは、半分くらいは食事で決まると私は思っているのですが、そういう意味では、私自身はレバノンがドンピシャな感じです。
 ただし、欠点はとにかく何でも「高い」こと。物価水準は、全体的にいえば日本の7~8割くらいでしょうか。20年くらい前に海外放浪をしていたので「途上国は激安!」という先入観があるのですが、現代のレバノンではもはや当てはまりません。食事も日本のファミレス程度のセットとなれば、ドリンク込みで1500円くらいは軽くいきます。ちなみに今いるシティカフェだと2500円はいきます。ちなみに、レストランやカフェでドリンク類が高くなるのは日本と同じ。1本150円くらいのビールの小瓶が、レストランだと500円くらいになります。
 宿泊費も高いです。私は今、かつて戦争特派員の定宿として有名だったハムラ地区の最高級ホテル「コモドール」にほど近い安ホテルに泊まっているのですが、1泊6000円くらいします。ハムラ地区でWI-FIフリーで最安値2番手のホテルだと思います。
 部屋は広いですが、設備や清潔度は日本の最安値のビジネスホテルと比しても10段階くらいは落ちます。私の過去の海外経験からすると、正直「これなら1500円でいいんじゃね?」という感じです。日本のビジネスホテル級なら、1万円くらいはします。「だったら日本と同じで普通じゃん」と思われるかもしれませんが、日本と同じというのは、途上国では破格の高さだと思います。
 ロンリープラネットに掲載されているダウンタウン外れにあるバックパッカー宿2軒も見に行ってみました。今はシリア国境が閉鎖されているので閑古鳥が鳴いていますが、個室3000円くらい。相部屋だと1500円くらい。1軒はエアコンなしで、旅行者というよりは地元の兄ちゃんたちの溜まり場状態。もう1軒は清潔でいい感じでしたが、残念なことにWI-FIが故障中でした。
 ちなみに、ベイルートはもともとハムラ地区が高級地区として有名でしたが、ダウンタウンが戦災で破壊された後、ハリリ一族が利権を独占して再開発を請け負い、いまやそこがパリやミラノの高級ブランドショップが軒を連ねる超近代的超高級エリアへと変身しています。西ベイルートは他にもいくつか繁華街があるのですが、とにかく全体的にカフェやナイトクラブが充実してます。たいして見るべき観光スポットもないのに観光で食っていけるのは、このアラブ世界屈指のナイトライフがあるからですね。
 経済のあり方としては、ラスベガスみたいなコンセプトなわけですが、実際、この季節にはアラブ各国から富裕層が単に遊ぶために集まります。かのオサマ・ビンラディンもイスラム原理主義に目覚める前の10代後半の頃には、他のサウジのドラ息子たちと同様に、ベイルートで遊びまくっていたとも言われています。
 ガソリンがリッター80円くらいするので、交通費も結構高いです。タクシーは山ほどいますが、15分くらいの距離でも800円くらいします。市内を走るバスは50円くらいですが、路線が少ないので、なんといっても、セルビスと呼ばれる乗り合いタクシーが便利です。近場であれば110円くらい。ただし、走っている車に瞬時に行き先を正確に告げなけばならないので、多少慣れが必要です。15~20年前のアラブ各国の取材経験では、セルビスなんてどこも30~50円くらいの感覚だったので、やはり高いといえば高いです。
 客がいない流しのタクシーの場合、乗るときに「タクシー? セルビス?」と聞いてきます。メーターなどはないので、タクシーの場合(つまり客1人専属)は乗る前に必ず要交渉。アラブ社会の私の経験では、常にボッタクリとの戦いの記憶しかありませんが、ベイルートはあまりそういうことはありません。ただし、ハムラのホテル街およびベイルート空港の客待ちタクシーだけは別で、相場の5割増くらいですが、それはそのための「待ち」も含めた彼らのビジネススタイルなので、一概にボッタクリということではありません。まあ、最初は相場の2倍くらいのことは言ってきますが。
 ちなみに、タクシー1日借りきりの場合、ベイルート近傍なら8000円前後。レバノンは狭い国で、どんな辺鄙な場所でも余裕でベイルート日帰り圏内ですが、南北の国境付近まで行く1日借りきりだと、だいたい1万2000円くらいになります。長距離はセルビスかバスが断然安いので、安く上げるなら、どこかの町までセルビスで行き、そこでタクシーをチャーターするというのが賢い方法になります。
 レンタカーは1日2500円くらいからあるので断然格安ですが、アラブ世界の常で交通ルールがまったく機能していないので、とくにカオス状態のベイルート市内を自分で運転するのは、ものすごいスリルを味わう覚悟が必要です。私はヨルダンやトルコではレンタカーを借りた経験がありますが、カイロ在住中は「ここではオレには無理だ」と諦めました。ベイルートはカイロほど酷くはないですが、かなり上級者向けです。
 ところで、レバノンでは地元の通貨レバノン・ポンド(レバノン・リラとも言う)だけでなく、米ドル紙幣もかなり普通に使えます。1ドル=1500リラに固定されています。地元の人は慣れているので、瞬時に為替計算を脳内でやってしまいますが、どうせなら簡単なように1ドル=1000リラにしてほしかったです。
 ついお金の話ばかりになってしまいましたが、旅ブロでいちばん有益なのがやはりカネの情報なので、少し詳しく書いてみました。それ以外の話は明日に続く、です。
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  1. 2011/07/12(火) 06:23:42|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

ベイルートですか,いいですねえ…

ベイルートですか…いいなあと…レバノン美人に興味があります.
といっても,実際に行ってみた訳でもないですし,レバノンのニュースをしっかり追っているとは言い難く,一般人よりはレバノンの事をよく知っているかな?という程度ですけど.
ただ,パレスチナ・シンパ(レバノン人はパレスチナ人の味方だった訳ではないだろう!と…),イスラム・シンパ(キリスト教徒などの立場は?!と…)な同情からイスラエルの2006年レバノン侵攻を批判する人が多そうで,いわゆるレバノン好きなサイトには行くのを躊躇してしまいます.
そのようなことで,黒井さまのレバノン関連のエントリーを楽しみにしています.
P.S.
前にレバノンについてエントリーを書いた事があります.黒井さまには多分参考にならないようなエントリーですが,読む人の誤解避けに少しは効果があるかなと…
イスラエルに攻撃されたレバノンが可哀想ってなんなんでしょうね?
http://www.emmanuelc.yuuna.org/ja/?p=107
  1. URL |
  2. 2011/07/12(火) 22:47:08 |
  3. Emmanuel Chanel #6j6J/0/g
  4. [ 編集]

 私がいるハムラ界隈では派手派手ギャルが多く、一見すると美人だらけに見えますが、よく見ると美人もいればそうでもない人もいます。
 ところで、レバノンではまたヒズボラが政権に入り、なにやらまた良からぬことをしそうな気配です。私からみると連中は暴力団にしかみえないですし、実際にシーア派住人の多くにさえ恐れられているのですが、選挙となると結構、票を集めますね。
  1. URL |
  2. 2011/07/13(水) 04:32:29 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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