ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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国民世論は原発反対?

 じつはマスコミ業界の知人のなかに、実際に原発反対論者の人は多くいます。そういう方々はたいてい、この話題に関しては、当方も当然「反原発」であることを前提にして話してくることが多く、べつに反原発でない私はちょっと戸惑うことが多かったりします。そういう場では「反原発に与しない者は極悪人」みたいな空気になるので、なかなかカミングアウトしづらかったりもします。
 最近パラパラと拝読したいくつかの雑誌では、編集部が「国民世論は原発反対。なのに東電と政治家と御用学者は金儲けのために国民を騙している!」と断定したり、現在の危険性を低く見積もっている専門家を「子供たちを殺そうとする極悪非道人!」と罵倒したりしていて、正直ちょっと引きました。
 私なんぞは専門的知識が皆無なので、メディアで専門家の解説を読むしかないのですが、実際は原子力工学の学者や放射線医学の専門家にも、さまざまな意見の人がいます。反原発メディアは、そのうちの反原発論者の意見だけを掲載しています。紙面づくりとしては普通のやり方ですが。
 私が多少関わっているインテリジェンスや国際テロの分野では、かの9・11テロのようにトンデモ陰謀論がものすごく多く、私自身は「東電の陰謀」などという論調に反射的に拒否反応のバイアスがかかってしまうのですが、それでもさすがに「国民世論は原発反対」などという断定はどうなのかなと思います。ホントに??むろんご本人たちは良かれと思って書いているわけで、その誠意を否定する気はないですが、要はインテリジェンス分析的にどうなのかなと。
 ちなみにちょっとググッて見つけた朝日新聞の「世界の世論『原発反対』増加 9割が東日本大震災認識」(2011年4月20日)という誘導丸出しの見出しの記事によると、スイスの調査機関の世論調査で、日本では原発反対派が47%、原発賛成派は39%だったそうです。こういう調査は設問次第のところがあるのであくまで参考値ですが、47%vs39%なので、たしかに反対派勝利ですが、べつにワンサイドゲームではないですね(残りの14%についての立場がこの記事からはわかりません)。朝日新聞の4月18日の記事では、原発容認が56%、同じ頃の毎日新聞では40%とのこと。他の世論調査もまあだいたい似たようなものが多いようです(その後の反原発記事大乱発で現在までに世論が変化した可能性もありますが、よくわかりません)。
 ところで、『軍事板常見問題』さんのリンクで、「誠ブログ」というサイトに掲載されている「原子力論考」という連載を拝見しました。執筆は開米瑞浩さんという企業研修講師をされている方ですが、インテリジェンス的にこの問題を考えるうえで非常に示唆に富んだ解説をされています。ぜひ一連の連載のご一読をお薦めします。(⇒リンク
 私としては、上記サイトでの下記の記述に賛成1票を投じたいと思います。
(以下、引用)
「放射能は危険だ」という論者は大勢います。
 一方で、「世間に思われているほど危険ではない」という論者も数は少ないながらいます。
 では、どちらを信用するのか?
「私は危険な気がするから、危険だと言ってくれる人を信用します」
 ・・・というのだけはやめましょう。これを感情的な判断と言います。感情的な判断をしていると、事実に気がつくのがどうしても遅れます。
 人間はどうしても間違えるものです。「これは科学的な事実です」という科学者の発言だって数十年どころか数年でひっくり返ることはよくあります。それが科学の発展の歴史ですから。
(以上、引用)

※追記⇒ある方から指摘され、「たしかに」と思ったのでひとこと。上記引用文のなかの「論者」を「専門家」に限定した場合、「世間に思われているほど危険ではない」という立場の専門家は、報道をみるかぎり「たくさんいます」。数で言えば、むしろ「福島県からすぐ逃げるべき」などと言っている「専門家」のほうが少数派ですね。反原発メディアが積極登用するので一部で目立っているようですが。反対派の方にいわせると「新聞・TVはだからダメなんだ!」ということになるのでしょうが・・・。
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  1. 2011/06/26(日) 12:26:54|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
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コメント

構成別のデータ

原発賛否のアンケート結果を見るたびに、経営者、サラリーマン、自営業者、学生、主婦、リタイヤされた老人など構成別の結果も見せて欲しいと思います。私の周囲という少ないサンプルでは、だいぶ偏っている印象を持っています。
  1. URL |
  2. 2011/06/26(日) 13:34:22 |
  3. ST #-
  4. [ 編集]

日本の情報機関について質問です。

質問です。
内閣情報調査室
公安調査庁
外務省国際情報統括官組織
警察庁外事情報部
防衛省情報本部

以上のなかで一番ヒューミントで海外情報を収集していると思われるのはどこでしょうか?
また極秘情報(海外の)を一番得ているのはどこでしょうか?
  1. URL |
  2. 2011/06/27(月) 15:58:26 |
  3. ゆうりん #-
  4. [ 編集]

どこもあまりやってないと思います。日本政府機関で海外情報に強いのは圧倒的に外務省の各地域担当だと思います(国際情報統括官組織ではないです)。
  1. URL |
  2. 2011/06/28(火) 07:24:02 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

ご紹介ありがとうございます

黒井様、こんにちは。「原子力論考」の著者の開米です。ご紹介ありがとうございます。
本業とはまったく関係ない話ながら微力を尽くして書いております。「軍事研究」誌はたまに買っておりました(^^ゞ
まだシリーズ続けてますのでどうぞご贔屓くださいませませ
  1. URL |
  2. 2011/10/26(水) 00:28:22 |
  3. 開米瑞浩 #-
  4. [ 編集]

開米様 コメントありがとうございます。
「原子力論考」を、いつも楽しみにしております。また、論点整理に関する他の記事でも勉強させていただいております。ご本業のほうでご多忙ななか、あれだけの論考をまとめられておられること、ただただ感服しております。
 重要な問題なのに、おかしな情報が跋扈している状況ですので、勝手ながら是非継続をお願いいたします。
  1. URL |
  2. 2011/10/26(水) 09:48:40 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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