シリアでは、全土で反政府デモがさらに拡大しています。また、ここ数日の動きとしては、これまでデモ隊に向かって実弾を撃ちまくっていたアムン(公安警察)の要員が、暴力を少し緩和してきています。もう2ヶ月も神経を張り詰めたフル稼働だったので、弾圧疲れが出ているのと、あとはやはりデモの拡大に直面して、アムン要員のモチベーションが下がっているものと思われます。
それでマーヘル・アサド指揮下の第4師団と共和国防衛隊を中心に、軍が出動するようになっているのですが、軍は今のところアムンほど露骨な暴力を使用することは控えています。
ところで、SNSで喜ばしい情報が流れています。映像はまだないので現時点では噂の段階ですが、この手の情報はこれまで比較的誤報が少なかったので、いちおう紹介します。
現在、ホムスで熾烈なデモ弾圧が行われているのですが、同地を管轄する第12師団のムハマド・ビン・ジャマル・ハムドゥーン司令官が反政府デモ側に合流し、アムン(治安部隊)と交戦状態に入ったとのことです。これまで末端の兵士の造反はありましたが、部隊ごとの反乱は初の情報です。事実であれば嬉しいのですが。
それで、いまや革命の最大拠点となっている南部ダラアに投入されていた第4師団が、ホムスに向かって移動を開始したとの情報も流れています。ここ数日は、ホムスの動静が注目されます。
ところで、要員不足のアムンが5000人の新要員を緊急募集したとのことです。よほど切羽詰っているのか、応募条件も「事務仕事はできなくていい」「読み書きができなくてもいい」となっているようです。ただし「肥満は不可」だそう。もうあからさまに戦闘要員の補充ですね。
肥満といえば、連日のデモで、日頃ほとんど運動をしないシリアの男たちが、だいぶ「減量してきた」そうです。映像をみるかぎりでは、日本人の感覚ではまだまだメタボな人が目に付きますが。
今年のシリアは珍しく雨振りがちで、今のところそれほど気温が上がっていないようですが、そろそろ灼熱の夏に入ります。そうなると、デモは夜間中心にシフトしていくかもしれません。
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- 2011/05/07(土) 12:12:49|
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