ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

シリア映像ユーチューブ・チャンネル

 アサド政権が前農相を首相とする新内閣を発足させました。非常事態宣言撤回を検討するようなそぶりも見せています。こうした動きに、主要メディアでは「政権が民主派に譲歩を示し、事態収拾を図っているが、先行きはまだ不透明だ」というような解説が多いですが、シリア国民はおそらくほとんどの人が「政権が譲歩を示している」とは考えていないと思います。
 アサド政権が打ち出した策は、エジプトのムバラク前大統領が打ち出し、民主派勢力に歯牙にもかけられなかったものと同様のレベルです。エジプトでは当時すでに首都の広場に民衆が集結し、声高に政権打倒を叫ぶ声が国際メディアにも流れていたので、ムバラクの案などあっという間に吹き飛んでしまいましたが、シリアではまだ国際メディアが自由に取材できていないので、そのあたりのフォローが遅れているだけだと思います。
 状況を左右するのは、まずは独裁政権の秘密警察の「恐怖」の強さです。中東アラブ諸国といっても、国によってその恐怖には大小の違いがありますが、シリアは最恐怖国のひとつといえます。かの国では、現在のように街頭に人々が出て「反政府」を叫ぶ光景が出現したというだけで、革命的な大事件です。
 シリアでは国民が武装していないので、反政府デモといってもみんな丸腰ですから、治安部隊もまだ本物の無差別銃撃にまでは乗り出していません。そのため死者の数は比較的低めに抑えられているのですが、公安警察「アムン」がデモ参加者を片っ端から逮捕していて、それなりにコワモテぶりを見せつけています。
 そんななか、人々は多くの町で今日も街頭行動を続けています。流れは完全に民主派勢力にあり、もうアサド政権は長くもたないと思います。ただ、軍が比較的独立色の強かったチュニジアやエジプトなどと違い、シリアの軍や治安部隊はアサド政権の私兵のような性格のものなので「反乱」があまり期待できません。その部分で、今後の見通しが不透明であることは確かです。
 アサド政権が倒れるということは、中東情勢にきわめて大きな影響を与えます。シリアはヒズボラやハマスを支援し、イランとならぶテロ支援国家(反米国家)として政治的に重要な立場にあるからです。その独裁政権が倒れるということは、チュニジアやエジプト、リビア以上の大事件になります。
 シリアでの民主化デモは、日増しに拡大してきています。アムンがネット監視に本格的に介入してきたらしく、ここ数日、SNSなどで混乱も見られますが、ユーチューブの下記のチャンネルで最新動画がアップされています。おそらく海外拠点です。
(最近、SNSや民主派のサイトには怪しいサイトや書き込みがかなり増えていて、アムン側のサイバー攻撃も行われている気配があります。以下に紹介してリンクを貼るサイトはすべてユーチューブのチャンネルなので、それ自体はおそらくアクセスしても安全ですが、そこからさらにリンクを辿っていこうとする方は、ウイルスに充分ご注意ください)

▽シリアン・フリー・プレス

▽イスラム1TV

▽2011シリア革命


▽収集資料

▽SyrBouazizi

 あと、以前に紹介した下記がやはり充実しています。
▽シャム・ニュース・ネットワーク

 こうした映像は、まさに現地の人々が置かれた状況をそのまま伝えてくれます。なかには非常に生々しい流血のシーンもありますが、それこそリアルなものです。
 かつて湾岸戦争の頃には、機械的な爆撃映像が米軍から配布され、テレビゲームのようだと言われました。家庭のテレビに流れる大量のそうした映像は、リアリティの欠片もないと批判もされました。
 こうした映像に必要なことは、メッセージ性でも映像技術でもなく、ましてや芸術性などでもなく、とにかくリアルさということに尽きます。携帯電話で人々が撮影した映像がユーチューブで世界中に瞬時に流れるということは、世界中が現場を擬似体験できるということです。きわめてリアルであり、それはたいへん有意義なことだと思います。
スポンサーサイト
  1. 2011/04/04(月) 13:28:21|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<シリア反体制派のインタビュー記事2件 | ホーム | アサドが襲撃された?>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://wldintel.blog60.fc2.com/tb.php/404-ec0e3e4e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

月別アーカイブ

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。