ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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ラタキアで暴れまくる無法集団

 ラタキアで暴れまくり、デモ隊を銃撃している「アル・シャビーハー」(死霊たち)について前に書きましたが、彼らの映像がありました。
▽チンピラ集団「アル・シャビーハー」
 衛星チャンネル「アル・アラビーヤ」も使っていた映像なので、本物だと思います。
 しかし、それにしても、もう何なんでしょうね、この連中。武装暴走族???それにしては武装がマジです。
 前のエントリーで、「反政府派であるはずのリファアト派と繋がるグループが、デモ隊を襲撃するのは何故?」という質問をいただきました。現時点で、私の調査では、以前のエントリーに書いた「リファアト派のレバノン民兵『赤い騎士団』とアル・シャビーハーが繋がっている」という情報は確認されておりません。が、そういう噂がシリアの民主派SNS内では盛んに流れています。地理的関係やアラウィ派系無法集団繋がりという点から考えても、両者が繋がっている可能性はそれなりに高いのではないかと、私自身は推測しています。
 少々専門的な内容になりますが、私の理解している範囲で、リファアト派なるものを解説してみようと思います。
 リファアト派という政治勢力はもはや存在していないと思うのですが、もともとリファアト人脈の中核は、レバノン利権マフィアとでもいえるアウトロー勢力でした。
 リファアト・アサド元副大統領は例のハマの大虐殺をやった人物で、粗野で冷酷、かつ腐敗した指導者だったというのが、シリアでの大方の評価です。アラウィ派の身内至上主義で、多数派のスンニ派からは非情に評判が悪い人物でもあります。兄のハフェズ前大統領はその点、アラウィ派だけでなく、自分に忠誠を誓うバース党幹部ならば、スンニ派でも重用しました(トラス国防相などがそうですね)。ハフェズも非情な秘密警察統治を行った独裁者でしたが「リファアトよりはマシ」というのが大方の国民の認識だったと思います。
 それと、兄弟の決定的な違いは、兄ハフェズがソ連(KGB)べったりだったのに対し、リファアトは反ソ派だったということがあります。つまり、ハフェズがアラブ社会主義(つまりバース党の表向きの綱領)を標榜していたのに対し、リファアトは悪くいえば剥き出しの拝金主義、よくいえば自由主義な面がありました。
 イスラムの宗教的な面では、リファアトのほうが圧倒的に世俗派です。リファアトはヤクザの親分のような感覚で、徹底して身内優先だったので、取り巻きの多くも同郷のアラウィ派でしたが、それは別に宗教的なアラウィ至上主義ということではありません。アラウィ派は厳密にいえばシーア派の異端派ですが、それほど戒律に厳しくなく、かなり世俗的な部分があります。
 かといって、リファアトはアラブ民族主義からも遠いところにいます。結局、リファアトは権力ポストにいた頃から、シリア裏社会の大ボスというような立場でした。
 ところで、80~90年代のシリアの裏社会は、誰もがレバノン利権に群がっていました。電化製品や自動車などの密輸もありましたし、武器密輸もやっていましたし、おそらく間違いなく偽札製造もやっていましたが、圧倒的に大きかったのは麻薬です。レバノン・マフィアは、レバノン中央政府が入れないベッカー高原で、大麻とケシの栽培をかなり大掛かりにやっていたと思われます。ヘロイン精製もまず間違いなくやっていましたが、規模でいえばおそらく大麻のほうが主流商品だったと思います。
 リファアトだけではありませんが、シリアの有力将軍たちは、シリア軍によるレバノン武力支配を利用し、その利権のキックバックをかなり大々的に享受していたことは疑いないと思われます。
 前述したレバノンのアラウィ派民兵組織「赤い騎士団」も、アラウィ派政党「アラブ民主党」の軍事部門ではありますが、実質的にアウトロー集団だったということなのだろうと、私は考えています。ということで、チンピラ集団「アル・シャビーハー」とも繋がりがあったのではないか、という推測になるわけです。
 アル・シャビーハーは映像を見てもわかるように、とにかく武装した無法集団です。他の映像でも、シリア警察官と殴り合いしている映像などが出ています。幹部が銀行強盗で逮捕され、数日後になぜか簡単に脱獄したなどという未確認情報話もあります。
 要するに、シリア国内でも厄介者なわけですが、それでも官憲が取り締まれないのは、アサド一族が背後にいるからで、そうした特権はやはりアサド独裁あればこそ。リファアトと人脈的にはおそらく近いのでしょうが、民主化などもってのほかと考えてもおかしくはありません。
 おそらく今回のラタキアでの狼藉については、表立って国民弾圧に動きたくないアサド政権の公安警察から、アル・シャビーハーに、水面下で相応の報酬が渡っていると思います。
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  1. 2011/04/01(金) 02:50:27|
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  4. | コメント:3
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日本の盗賊「泥棒官僚霞ヶ関法匪」

「被災者は避難してコロニーを作るべし」

被災者を孤立させてはならない。衣食住通信交通の便のあるところへ避難コロニーを作って受け入れ、そこで一人当たり老若男女の区別無く一律50万円の一時金を国家が支給する。各地からの義捐金はその一時支出した財源を埋めるために国庫へ入れる。時機を見て2回目3回目の一時金給付を国の責任で行う。まず国庫の支出ありきで現金を被災者へ配らないと義捐金の意味がないのである。よって現行の義捐金制度ではいくら送金しても全額を役人が抱え込んで役人の都合だけで利殖運用してしまい、本当に困窮している被災者へはただの1銭たりとも配られない。公務員による義捐金詐欺の実態が厳然としてわが国に存在する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
参考>>住民至上主義 裁判官まで泥棒の国で
>>http://www5.diary.ne.jp/user/521727/
>■2011/03/28 (月) 非常事態でもお役所は 2
・義援金の集め方にも大いに問題がある。様々な機関が義援金を募っている。しかし、皆さんはその使途について考えたことがあるだろうか。私は元公務員であるから、役所の実態を裏の裏まで知っている。その上で断言するが、役所は全ての機関で裏金を作っている。つまり、普段から我々の税金をネコババしているのである。あの警察ですら多額の裏金を作って税金をネコババし、幹部が贅沢三昧しているのである。これは紛れもなく真実である。現に、各地の役所や警察で裏金作りが発覚し、例えば北海道警察も裏金作りの事実を認めて謝罪し、職員やOBが計11億円もの金を国に返還している(本当は11億円どころではない。発覚した分だけ返還したに過ぎない)。
このような状態で、何の疑いも抱かずに漫然と義援金を送ってはいけない。現に、私が知る限りでも、某医療団体が義援金の多くを「必要経費」と称して被災地支援以外に流用している事実が発覚している。(後略)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
阪神大震災のときの教訓がまるで生かされていないのが泥棒官僚国家わが国の顕著な特徴である。
現行制度の下では義捐金は1円でも決して公的機関へ送ってはならない。
被災者受け入れ避難コロニーを各県に作って、支援者国民が最寄のコロニーへ直接持っていき被災者へ現金を自分の手で手渡しするべきである。泥棒官僚の手から被災者国民を守るためには現時点ではそうするより他に方法がない。

「泥棒官僚霞ヶ関法匪の汚れた手から国民の大切な命を守り抜け」
  1. URL |
  2. 2011/04/01(金) 07:24:48 |
  3. 通りがけ #-
  4. [ 編集]

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  1. |
  2. 2011/04/02(土) 10:45:40 |
  3. #
  4. [ 編集]

こんにちわ。先日ラタキアのことで質問を送らせていただいた者です。詳しく、しかも丁寧に解説して下さって感激しています!ありがとうございました。あの後、知識の無い僕なりに、黒井さんが書いていらっしゃったことをもとに、自分の頭でもう一度考えてみました。僕が考えるに、自分の派閥しか頭に無いリファートという叔父さんが最終的に考えていることは、帰国して再び権力の座につくことで、その目的達成のために色々たくらんでいるのかなーと。アンチ大統領アクティビティと、大統領ができない仕事の請負い(のお手伝い)をすることは彼の中では矛盾しなくて。。民主化がどーのと外から批判しておいて、影では嫌な仕事を請け負って恩を売っておき、ゆくゆくは「改造アラウィ内閣」(あの人たちは首相じゃないんで「改造アラウィー大統領府」ですかね?)の一員としてめでたく帰国。。。とか考えているんじゃないかなと。きのう、その辺にちょっと詳しい僕の留学時代の友だちにヒントをもらったんですけど、この友だちは、リファート叔父さんの長男(だったか次男だったかわからない)のインタビューを少し前にイギリスかどこかの新聞で読んだみたいで、そのときこの息子が「シリアは平和的に変わってほしい。体制打倒はいやだよー」みたいなことを言ってて、その後大統領や奥さんを褒めたり、なんか物欲しげな感じだったみたいです。つまり。。。ヨーロッパやサウジアラビア?の辺からも結構サポートがあるみたいなリファート親子が、評判の悪い何人かの政治家を追っ払って、まだ人気のある大統領と一緒に政府改造!みたいなことをたくらんでるんじゃないかと。リファート叔父さんの過去をみると、普通のシリア人にしてみりゃとんでもない話ですけど。。こんなシナリオもあるんじゃないかなと、考えてみたりしました。そのあたり、どうなんでしょうか?
それにしても、シャビーハの映像、恐すぎです!こんな奴らが暴れてると考えると恐いです。今こっちは真夜中(時差ぼけなのか変な時間に目が覚めるんです)で、一人でホテルの部屋でこれを書いているんですが、背筋が寒くなってきました(泣)。。さいごに、前回の回答、本当にありがとうございました(礼)。
◎さっき同じ内容を投稿したのですがうまくいきませんでしたのでもう一回させていただきます。二重投稿になっていたらお詫びします。
  1. URL |
  2. 2011/04/02(土) 11:19:26 |
  3. kensei #EHbM/WlY
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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