ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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「シリア謎の殺人部隊」続報

 昨日のエントリーで少し紹介しましたが、ラタキアでデモ隊を殺戮した謎の殺人部隊「アル・シャビーハー」(死霊たち)について、続報が入りました。アムン(公安警察)内の極秘部隊というのではなく、ラタキアやタルトゥスのアラウィ派エリアを地盤とするギャング団で、幹部はほとんどアサド一族とマフルーフ一族(アサド大統領の母方の一族)で構成されたグループとのこと。いわば太子党の武装愚連隊のようなものですね。
 そのリーダーは、ヌメイル・アサド。父親は先代のハフェズ・アサド前大統領の兄弟のジャマルなので、現大統領の従兄弟にあたります。ジャマルはもともとレバノンの地下経済に多大な利権を持っていて、息子のヌメイルもいわば大物経済ヤクザのような存在のようです。
 アル・シャビーハーについては、未確認情報ですが、レバノンのアラウィ派民兵組織「赤い騎士団」(アル・フルサン・アル・ハムール)から要員が合流しているとの情報もあります。
「赤い騎士団」は、レバノン北部トリポリ近郊のジャバル・ムフシンを本拠とするアラウィ派系政治組織「アラブ民主党」の軍事部門です。レバノン北部にはわずかですがアラウィ派が住んでいて、周囲の多数派であるスンニ派住民と内戦時代から抗争関係にありました。そんな背景で成長してきた勢力です。
 アラブ民主党はもともと、72年に創設されたアラウィ派組織「アラウィ青年運動」(AYM)を母体としています。リーダーは元化学教師のアリ・イードという人物で、内戦時代は要するにイード派民兵という存在でした。イード派は当初からシリアのリファアト・アサドの強力な支援を得ていて、レバノン内戦を通じて親シリア派として活動。民兵組織「赤い騎士団」を結成したのは81年です。当時の兵力は1000名。シリア軍の中の精鋭部隊でリファアト親衛隊だった当時の「共和国防衛隊」通称「ピンク・パンサーズ」より訓練を受けています。
 90年に内戦が終結し、「赤い騎士団」もいったんは解散しましたが、アラブ民主党は駐留シリア軍の後押しを受けてそれなりに勢力を保持しました。アリ・イードもアラウィ派初の国会議員になっています。
 しかし、2005年にシリア軍がレバノンから撤退した際、アラウィ派の防衛軍として「赤い騎士団」は復活しました。仕切ったのは、シリア政界への復帰に動いていたリファアト・アサドだといわれています。
 2007年に親アルカイダ系の民兵組織「ファタハ・イスラム」がトリポリのアラウィ派を襲撃したことをきっかけに、「赤い騎士団」は武装を強化。2008年のスンニ=シーア抗争では、親ヒズボラ系の民兵組織として活発に活動しました。現在の司令官はアリ・イードの息子のリファアト・イードで、兵力は1000~2000とみられています。
 シリア民主派のSNSでは、今回のラタキア騒動で暴れまわったアル・シャビーハーに、「赤い騎士団」のレバノン人アラウィ派民兵が参加していたとの目撃情報が寄せられています。その真偽はいまだ不明ですが。

 なお、26日のエントリーで、「マヘル・アサド共和国防衛隊司令官がファルーク・シャラ副大統領を撃ったらしい」との未確認情報を紹介しましたが、情報の出所がわかりました。レバノン紙『ベイルート・オブザーバー』のサイトに流れた情報だそうです。ただし、その後の情報をウォッチするかぎりでは、誤報の可能性が高いようです。
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  1. 2011/03/29(火) 14:47:20|
  2. 未分類
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  4. | コメント:3
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コメント

放射能毒には誰も勝てない

[放射能の毒には誰も勝てないがこちらの菅官毒は国会を開けばすぐにでも消毒できる ]

1.官毒は菅毒よりも強し
菅毒<<官毒・・・凶悪度比較

菅政策とは即ち霞ヶ関官僚が作った官製政策であり、小泉以来霞ヶ関官製政策が洗脳扇情マスゴミと共謀して強権で社会に実行されるようになった毒政がそのまま空き缶政権毒断専行凶器(狂気)政策執行に受け継がれている。

菅だけ下ろしても霞ヶ関は何の痛痒も感じない。くさい臭いは元から断たなきゃダメである。即緊急国会を開いて霞ヶ関即時解体を決議せよ。



2.「梶山静六に血涙を絞らせた臨界放射能」

放射能の毒には誰も勝てない。

>覆水盆に返らず
>March 28 [Mon], 2011, 20:09
>>http://yaplog.jp/ichijihinan/archive/978
  1. URL |
  2. 2011/03/29(火) 18:34:26 |
  3. 通りがけ #-
  4. [ 編集]

「騎士団」って、、、

こんにちわ。何年か前シリアに語学留学していて今シリアレバノン旅行中の者です。シリアにいたときもアラビア語の勉強のことばかりであんまり政治のことは勉強していなかったんですけど、たまたまこんなドタバタに巻き込まれて。。今インターネットを使って何がシリアで起きてるのか情報収集中です!黒井さんのシリア情報とてもためになります!こんな情報が日本語で見れるなんてすごいです。ところで。。。。。一つ質問ですけど、ここにでてきたリファートという大統領の叔父、確かヨーロッパに逃げてアンチ大統領アクティビストだったんじゃなかったですかね?いつの日か政権奪取して祖国に凱旋するのを夢見てるって、前にラタキアの友だちに聞いたんですけど。でもこの話では、その叔父さんが作った「騎士団」が、ラタキアのデモ隊狙撃を助けているみたいになってますけど、どうしてなんでしょう?本当だったらデモ隊を助けて武器とか色々送って政府を揺さぶるのがスジだと、僕は思うんですけど。。このあたりの利害関係?みたいなのがよくわからないんです。この辺教えてくださるととても嬉しいです!よろしくおねがいします!!!
  1. URL |
  2. 2011/03/31(木) 12:37:45 |
  3. kensei #jDIKR.3E
  4. [ 編集]

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  1. |
  2. 2011/04/02(土) 10:44:01 |
  3. #
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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