ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

シリア政変後は?

 シリアの反政府運動はいまだ萌芽の状態ですが、流血が各地に広がっていて、状況はきわめて流動的になってきました。今後、いっきに政権転覆へということになるかもしれません。
 ですが、問題はその後です。エジプトでは軍が、リビアでは寝返った高官や軍幹部がいましたが、シリアでは反独裁運動のリーダーがまったくいません。他の中東各地での民主化運動の高まりを受けて、▽SNSでデモ呼びかけるも不発⇒南部ダラアで少年たちが反政府運動のイタズラ⇒治安機関が弾圧⇒住民怒る⇒さらに弾圧⇒大規模デモ⇒弾圧で死者多数⇒SNSで情報伝わる⇒他の町でも抗議運動⇒弾圧、という流れでここまで来ました。
 あまりにも長いあいだ独裁が続いていたので、反乱側も弾圧側7もどうしたらいいのかよくわからず、当初は手探り状態でしたが、いったん流れが出来れば、あとはいっきに動くことになったわけです。
 現在のアサド大統領やアシフ・シャウカト陸軍副参謀長ら政権中枢は、父ハフェズ時代の古参幹部をほぼ一掃しており、流血で権力を築いてきた父親世代とは違いますから、カダフィのように徹底抗戦するかどうかはわかりません。性格的にもっとも強硬派なのは、大統領の弟のマヘル・アサド共和国防衛隊司令官です。さらなる流血騒動へエスカレートするかどうかは、この人物がカギを握っています。
 いずれにせよ問題は、この国では権力がアサド家とその取り巻きに集中していたので、政治家にも軍部にも有力な〝次期指導者〟がまったくいないことです。反政府陣営でもっとも実力があるのは、先代のハフェズ・アサド大統領の弟で、最大のライバルでもあったリファアト・アサド元副大統領ですが、シリア国内ではものすごく評判が悪く、民主派とは相容れません。
 その他には、海外亡命中の有力政治家にアブドルハリム・ハッダム元副大統領がいますが、この人物も国民人気はさっぱりです。シリアの反体制派としては、伝統的にモスレム同砲団とクルド人組織がありますが、これも両者ともマイノリティで、国内の影響力は非情に限定的なものです。イランと関係が深いシーア派のグループもありますが、やはり同国では特異なマイノリティにすぎません。
 つい今しがた、シリアの駐インド大使が抗議辞職という未確認情報がSNSで流れました。政権内部から今後、どういった人物が離脱するかというのも注目されます。
スポンサーサイト
  1. 2011/03/26(土) 10:40:43|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<シリア騒乱映像の続報 | ホーム | 「ダマスカスのデモ映像」その2>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://wldintel.blog60.fc2.com/tb.php/385-d8c9abbf
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

月別アーカイブ

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。