ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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内閣情報調査室の北朝鮮情報源

 08年に内閣情報官が、アメリカ国務省情報調査局長に「金正日に関するウチの最大の情報源は元専属料理人ですよ」と伝えていたとのことです。
ネタ元は「金正日の料理人」=内調トップ、情報不足を米に告白―ウィキリークス(時事通信 2011/02/21)

 これは、ウィキリークスが入手した在東京米国大使館発の公電の内容として、21日にオーストラリア紙『シドニー・モーニング・ヘラルド』が報じたもの。ウィキリークス公式サイトにはアップされていないので、同紙の独自スクープですね。
 ここで名前の出た元料理人とは、お馴染みの藤本健二さんです。内調どころか、私が聞き及んでいるかぎりでは、米韓中のインテリジェンスもその証言を最大のネタ元としているほど、その筋では注目されていた人です。
 日本のインテリジェンスは伝統的に朝鮮総連情報に強いのですが、近年は総連経由の情報がかなり劣化しているようです。それで支援組織、脱北者、あるいは内部情報源を開拓しているジャーナリストなどがもたらす情報に頼っている面が多くなっているみたいですね。情報の精査がたいへんみたいですが。
 同公電では、「08年9月までに、中国、北朝鮮を対象にしたスパイ組織の創設が日本で決定された」(上記時事通信記事より引用)と報告されていたとのことですが、スパイ組織の創設は決まっていませんから、何か先走った話になっていたのかもしれません。
 ただですね、いくら藤本さんがオモテの人だからといって、「自分たちの情報源は××です!」なんて、普通は他国のインテリジェンスには言わないものです。インテリジェンスの世界の最低限のルールですね。「こういうことをホイホイしゃべるということは、こちらの話も第三者にホイホイしゃべる可能性がある」と判断されかねません。これだけでは、どういう話の流れでそういう会話になったのかは、よくわかりませんが・・・。

 ところで、インテリジェンスといえば、こんなニュースも。
間抜けな韓国情報機関員 外国特使のパソコン盗図りホテルの一室で鉢合わせ(産経 2011.2.21)

 経済交渉で訪韓中のインドネシア特使団の手の内と探ろうと、国家情報院のスパイ3人がソウル市内のホテルの部屋に侵入し、パソコンを盗もうとして失敗したということです。こういうこと、やっぱり今でも行なわれているのですね。

 さて、北朝鮮の地下核実験場で、また新たな動きです。
北朝鮮豊渓里に新たな坑道掘削、3回目の核実験準備か (東亜日報日本語版 FEBRUARY 21, 2011)

 北朝鮮は現在、軽水炉建設とのセットで「平和利用目的」というタテマエでウラン濃縮を進めていますから、現時点でウラン型原爆の実験をやるかどうかは微妙な気がします。現在、ウラン濃縮問題の国連安保理提議を中国が抑えていますが、ウラン濃縮型で実験をしてしまうと、それも難しくなります。北朝鮮も現段階では、濃縮ウラン量産態勢が出来る前に北朝鮮包囲網が強化されることは避けたいのではないかと思います。
 ということは、プルトニウム型原爆の小型起爆装置の実験でしょうか? もしもそれが成功したら、先月の『週刊朝日』に書いたように、「今年、日本を照準する核ミサイル配備へ」ですね。

 リビアが内戦みたいになってきました。東欧革命でいえば、チャウシェスクのルーマニアみたいな感じでしょうか。カダフィのバカ息子7人衆(詳細はいま発売中の『週刊SPA』を参照ください)のうち、後継者候補のトップとみられる次男が出てきました。
カダフィ大佐の次男がテレビ演説で改革明言、デモには徹底抗戦(ロイター 2011年 02月 21日)
 次男セイフはイギリスで学んだ親欧米派というのが「売り」でしたが、やはり独裁者の息子なのですね。これだけの流血の事態になると、政変になったら自身の身が危ないということでしょうか。

 本日の『読売新聞』国際面に、中東情勢に関してイギリスの専門家ベービッド・ヘルド氏のインタビューが掲載されています。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(前述したセイフ・カダフィは最近、ここの博士課程を修了しています)の教授なのですが、仰っていることが全部、私の見方と「真逆」でした。逆に面白いので、一部紹介します。
▽中東の民衆蜂起は89年の東欧革命とは違う。
▽東欧では米欧流の民主主義を導入するという目標でも合意があったが、中東の民衆は違う。米欧流の民主主義を求めていない。
▽中東での米欧のイメージは対テロ戦争のせいで、薄汚れたものになった。
▽中国のように、国民の生活レベルが向上している限りは、専制支配も正当化できる。

 ホントに見事なまでに私の考えと180度違っています。著名な専門家ですから、もちろん緻密な分析による結論なのでしょうが、そうすると以下のような私の考えのほうが間違っているのでしょうか。
▽中東の人は、人前では「米欧流の民主主義を求めていない」とよく言うが、2人きりで話すと、「あれはね、嘘だよ」としばしば言う。
▽対テロ戦争で欧米を言葉で批判する人は多いが、出来ればみんな夢の国=欧米に移住したいと思っている。アメリカやイギリスの国籍がとれれば最高!
▽中国で専制支配が続いている最大の理由は、政府が怖いから。

 どこの世界でもいろいろな人が、いろいろな考えを持っています。なので、「みんながこうだ!」とはなかなか言えません。だいたい、同じ人物でも話す相手やタイミングで、違うことを言ったりします。私も内心では自分の見立てに自信があるわけですが、先入観というのはインテリジェンスの最大の敵でもあるわけで、そのあたりはなかなか難しいです。
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  1. 2011/02/21(月) 12:14:29|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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