ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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北朝鮮暴走は「外交カード」ではない

 北朝鮮の最近の一連の動き「核実験準備」「軽水炉建設」「ウラン濃縮」「黄海の島砲撃」などに関し、「アメリカを振り向かせる外交カードだ」とか「瀬戸際外交だ」とかの解説がメディアでは多いですね。気になっていろいろ読み込んでみましたが、どう考えても違うんじゃないかなあと思います。
 当ブログでも書きましたが、北朝鮮がアメリカと交渉したいのは、「制裁解除」&「体制保証」ですね。自分たちが以前から言ってきたことで、それはそのとおりなのでしょう。
 ですが、アメリカと直接交渉しても、核開発を放棄しないとそもそも第一歩が始まりません。核開発を止めたふりをしたことはありますが、実際には止める気は毛頭ないですから、アメリカから「制裁解除」&「体制保証」を得られるとは考えてないはずです。
 2006年に北朝鮮が核実験を実行したとき、かつての枠組み合意、6カ国協議が結局は北朝鮮のタダの時間稼ぎだったということが露呈しました。「北が危機を煽るのは、援助を引き出すための外交カードだ」という分析は目的と戦術を読み違えた分析で、インテリジェンスとしては本質的に間違っていたわけですね。
 北朝鮮は自分たちの体制維持のためにはアメリカ本土まで届く核ミサイルを開発することが最低条件だと考えています。それは揺ぎなき最優先課題ですが、実際、独裁政権の維持を担保するいちばんの策であることも事実で、その意味で非常に合理的な施策ではあります。
 北朝鮮の外交カードは、その最優先課題に邁進するためのカムフラージュだということが、過去の行動から容易に導かれます。それで時間稼ぎする合間に得になることがあればそれに乗っかりましょうという、なかなか上手い商売です。
 現在、北朝鮮にとって、アメリカと交渉して得になることなどありませんから、「アメリカに振り向いてもらう」必要はないです。核ミサイル開発が軌道に乗っている今、むしろほっといて欲しい局面でしょう。
 このあたりの視点の違いは、外交の面から見る立場と、軍事・インテリジェンスから見る立場の違いなのかもしれませんが、現在の北朝鮮はアメリカにかまってもらいたくて暴走しているのではなく、やはり27歳の後継者では今後が心もとない金正日と軍幹部が、強盛大国を目指して今のうちにやれることはやっておこうということだろうと思います。
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  1. 2010/11/25(木) 09:19:26|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

そうかな~

経済支援がなければ、
将軍様も生活できませんよ!
  1. URL |
  2. 2010/12/01(水) 11:51:03 |
  3. 帆の葉っぱ #6YySSgy.
  4. [ 編集]

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黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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