ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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ムスダン発射と核融合?

 産経新聞が「北、ムスダン発射準備」と報じました。ムスダンは旧ソ連製の潜水艦発射型弾道ミサイル「SS-N-6」をもとに地上発射型に開発した中距離弾道弾で、数年前から「謎の新型ミサイル」情報として噂されていたものですが、2007年の軍事パレードで初めて登場したものです。先日の軍事パレードでは車載された実物の映像が公開されました。
 液体燃料型の単段式ロケットで、推定射程は3000~4000キロとみられています。沖縄までラクに届きますし、3000キロ説の産経記事ではグアムは射程外になっていますが、4000キロ説であれば届くことになります。なかには5000キロいけるのではないかとの説もありますが、実際には誰もわかりません。
 ムスダンの発射実験はこれまで行なわれていません。元のSS-N-6のロケット技術を使っていますが、地上発射型になっていますし、ちょっと大型化されてますし、形状も少し違うので、北朝鮮軍としても実射実験は重ねていきたいところでしょう。これが軍事の当然の要求で、実験そのものはそれほど政治的な意味があるわけではありません。そのタイミングはもちろん政治的配慮がなされるでしょうが。
 産経のスクープ記事では、「数ヶ月以内」に発射実験を行う準備が進められているそうです。ソースは「情報筋」としか書いてありませんが、米韓軍のインテリジェンスからの情報であれば、米韓軍はどうやってそんな情報を得たのか非常に興味深いですね。テポドンのように地上施設があって、そこで準備が始まれば偵察衛星でわかりますが、ムスダンは車載なので、基本的にはノドンのように地下に隠し、外に出して発射ということになろうかと思います。
 また、実験前には軍の関連通信が増えるので、その解析から発射の予兆を掴むこともある程度は可能ですが、それも実験が迫ってきてからの話です。なので、数ヶ月前から徴候を掴むのは、なにか特殊な情報収集ルートがあるということなのかもしれません。ちょっとそのあたりはよくわかりません。

 よくわからないといえば、水爆計画です。
 北朝鮮は今年5月12日に「核融合実験に成功した」と発表し、「そんなの無理だろ」「嘘っぱちだ」と大方の専門家やメディアに嘲笑されていました。ところが、6月21日付の『朝鮮日報』によると、「韓国原子力安全技術院が韓国北部の江原道に設置している測定所が、5月14日に通常の8倍のキセノンを検出した」と報じたのです。
 これもよくわかりません。核融合には高度な起爆技術と核分裂級の高エネルギーが必要と思っていたのですが、なにか関連の実験でも行なったのでしょうか。
 ただ、技術的な壁は高いのでしょうが、北朝鮮が「核融合」と言っのであれば、彼らは本気で水爆を作る気かもしれません。北朝鮮は嘘つきだと誰もが知っていますが、意外と有言実行の国でもあります。悪辣なことをやっておいて「“やった”ことを“やってない”と嘘をつく」のは毎度のことですが、「“やらない”ことを“やる”と嘘をつく」ことはあまりありません。ウラン濃縮にしろ、「やる」と宣言してからきっちりやっていますし、今回の砲撃も「そちらが訓練をやるなら断固報復する」と宣言したとおりのことを実行しています。拉致問題の再調査のように”言うだけでやらない”こともありますが、国のメンツが関わる“宣言”は、それなりに重視しているのでしょう。
 そういえば、以前に「東京を火の海にする」と宣言したこともありましたね。少なくとも「東京を火の海にできる戦力」を実現する決意はあるでしょう。すなわち核ノドンですね。
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  1. 2010/11/25(木) 08:33:16|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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