ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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警視庁公安部外事3課資料流出

 最近、衛星チャンネルでよくイギリスのドラマ『MI5~イギリス機密諜報部』というのを視ます。イギリスをテロから守る大活躍メンバーが常に同じ数人だったり、しかも若くてオシャレでプライベートなことで結構ウジウジ悩んでいたりというのはご愛嬌ですが、さすがイギリスだけあって、モチーフ自体はそれなりにリアリティがあります。
 翻ってわが日本では?
 ということで、10月29日に警察の内部資料がネットに流出し、大問題になっています。全部でどれだけ漏れたのか正確なところは知りませんが、だいたいざっくり目を通してみました。警視庁公安部外事3課からの漏洩ですね。これが本物であれば、かなり問題な内容です。というか、警察が対策に動き出しているところから察するに、おそらく本物なのでしょう。
 話には聞いていたのですが、かなり本気で在日イスラム教徒の捜査をしていたようです。日本でイスラム・テロなんてほとんどリアリティがない話ですが、外3としてはそうも言ってられないのでしょう。
 資料の内容についてここでは触れませんが、ちょっと面白い(といってはマズイですよね)のは、ホーム・グローン・テロリストの予備軍として、イスラム第2世代というものに言及されている点です。なるほど、若者ですか。どうなんでしょう。たしかに感化されやすいですが、それは日本人も同様ですし、古今東西共通ですね。
 1点だけ、私の著書の内容に関わってくるので、情報を引用します。2007年出版の拙著『日本の情報機関』で、外3について下記のように記述しました。

「ここに来てまた増員され、百数十名規模に復活しているものと推定される」(同書P116)
「比較的新しい部署である第3課の陣容は、短期間でかなり急激な増減が続いてきたことからもわかるように、いまだ流動的であるようだが、推定では4個の係が配置されているようだ。おそらく第1係が庶務担当、第2係が情報分析担当、第3係と第4係が事件担当となっていて、具体的な捜査活動の内容としては、公刊情報分析、国内研究機関・専門家との接触、在京外国機関との接触、国内イスラム系社会の監視、事件捜査、米情報機関提供の通信記録に基づく監視対象の確認作業、不正送金監視などが行われている。とくに事件担当は、日本国内に居住するイスラム系の外国人を片っ端から調査しはじめている形跡がある」(同P117)

『日本の情報機関~知られざる対外インテリジェンスの全貌』(講談社刊)
(→紹介エントリー(→アマゾン

 今回漏洩した資料によれば、2008年時点で、人数はだいたい正解でしたが、係の数が違いました。まあ百数十人規模にもなれば、外1や外2くらいの陣容にはなるわけですね。全体で6係体制。1係、2係はそのとおりでしたが、作業・捜査・事件担当が3~6係の4個係体制ですね。ということで、拙著の内容をここに訂正させていただきます。
 
 また、別件ですが、さらに訂正で申し訳ありません。
 以前のエントリー「シリア世襲事情」 (09/30)で、バシャール・アサド大統領の家族関係について詳述しましたが、そこで弟のマジドについても記述しました。もともと電気技術者で、シリア国内では精神異常と言われていて、長く消息がわからなかった人物です。
 ところが、このマジド・アサドが昨年12月に死亡していました。享年43歳。いちおう「長い闘病の末の病死」とされていますが、真相はわかりません。彼は若い頃から精神的に不安定で薬物中毒であり、90年代にはロンドンで入院して治療を受けていたといいます。マジド死亡はさほどニュースにもならなかったので、見落としていました。たいへん失礼いたしました。
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  1. 2010/11/01(月) 11:05:22|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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