ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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尖閣問題と認知バイアス

 尖閣問題で日本は中国に完敗です。今の流れだと、これからも負け続ける公算が大ですね。
 政府の情報分析と戦略の弱さが露呈したかたちですが、今回の件は、インテリジェンス分析の世界で「コグニティブ・バイアス」(認知先入観)と呼ばれるものの典型例でもあると思います。「確たる根拠なく、希望的観測にしがみつく」「相手も自分と同じように考え、判断すると思い込む」というようなことで、いずれも社会心理学でお馴染みの誤謬のパターンです。
 対中だけではないです。対米も同様で、たとえば「尖閣は日米安保の範囲内」ということをめぐり、日本側は米政府から言質をとろうと努力しているようですが、「核の傘」まで含む安保の範囲内となるかどうかは、そのときの米大統領の判断です。「現実問題としてあり得ないだろう」という分析も可能なはずですが、米政府の誰それが「安保の範囲内」と言ったとかどうだとかということにしがみつき、それ以外の可能性を見ないようにしているのはアマいですね。外交はタテマエの作業ですから、米政府当局者から言質をとることは重要ですが、その一方で、「そんなのアテにならない」という前提での準備も必要ではないかなと思います。 
 私自身は、この問題はアメリカでは「日中間の領土問題」と実質的に見なされていくことになろうかと見ています。現時点では問題がそれほど切迫していないので、米政府当局も暢気に構えていますが、仮に日中間が軍事的対立まで切迫した場合、「領土問題には介入しない」と米政府が態度を変える可能性は充分にあり得るのではないでしょうか。インテリジェンスの基本ですが、まずはとにかく考えられうるすべての可能性を検討することが必要だと思います。
 それと、下記のこんな記事を見ると、もっと本格的な対米世論工作というものも必要ではないかなと思いますね。こういうのも心理戦なんですから。
外務省、尖閣問題で「中国に分がある」コラム掲載のNY紙に反論(産経)
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  1. 2010/09/26(日) 11:32:02|
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黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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