ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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今更ですが『虐殺器官』

 SF小説というのはほとんど守備範囲外なのでこれまで読んでいなかったのですが、ある企画の参考資料として伊藤計劃著『虐殺器官』を読みました。
 SF分野での近年屈指のベストセラーということで、もちろん内容は文句ナシの大傑作なのですが、私が「すごいなー」と思ったのは、そこに描写されているインテリジェンス関連の情報が非常に精緻であることです。主人公が近未来のアメリカ軍特殊部隊隊員ということなのですが、米軍関連の情報、米情報機関関連の描写に関しては、著者の知識はまさに専門家クラスといっていいかと思います。
 同小説の主軸はむろんそういった分野ではなく、科学的なものから哲学的なものまで広範囲にわたっているのですが、そのいずれもが非凡なレベルに達しています。文学的な好みは人それぞれでしょうが、同書の凄みはそうした著者の凄まじい「勉強量」にも拠っています。
 同書は伊藤氏の処女作で、2007年の出版。当時32歳の著者は、20代の頃から癌を患っており、同書の出版も手術後の病床で迎えたといいます。同書を含め長編3篇と短編2篇を刊行した後、昨年3月に34歳で死去。同書における「死」に対する深い洞察には、おそらく著者のこうした境遇も関係しているのでしょう。
 私があまり知らなかっただけで、日本の小説界では大注目された作家だったようですが、未読の方にはぜひお薦めします。→アマゾン現時点で今年2月発売の文庫版のランキングが510位。レビューが56件!)
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  1. 2010/09/23(木) 10:23:01|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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