ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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『日米秘密情報機関』

 講談社様より平城弘通・元陸将補の著書『日米秘密情報機関~「影の軍隊」ムサシ機関長の告白』をいただき、さっそく拝読しました。
 詳細は本書を読んでいただきたいですが、私も初めて知る新事実がいくつも紹介されています。たとえば、「ムサシ機関」の存在がバレそうになり、名称を「小金井機関」に変更したなどという話もあります。途中で何か違う名称にしたらしいということは私も聞いていたのですが、それが「小金井機関」という名前だったことは初めて知りました。
 また、別班長時代のことだけでなく、その後の東部方面二部長時代の回想も非常に興味深いものです。ちょうど70年安保闘争の時代で、平城さんは「東部方面特別調査班」という秘密機関を創設していて、その隊員たちは身分を隠して左翼組織に潜入したりしています。現代の感覚なら「そんなことまで」という印象を持つ人も多いでしょうが、当時はたとえば「過激派が自衛隊に潜入して武器を盗む」なんて可能性もあったわけですね。治安出動が本気で検討されていたような時代のことです。
 宮永陸将補のソ連スパイ事件の裏話も、初めて聞く話です。同事件の裁判では、宮永氏は『軍事情報月報』など「秘」程度の情報をソ連に売ったとされていて、私もそれに基づいて同事件に関する記事を書いた経験があるのですが、実際には「極秘」指定の日米情報連絡会議の中国関連資料まで流していたそうです。日米中の関係悪化を懸念して、防衛庁の要請で公安警察もその事実を伏せたそうです。いやあ、そんな裏事情があったとは驚きです。
 いずれにせよ、さすが元別班長の手記だけあって、非常に詳細です。戦後冷戦期の裏面史に興味のある方にはお薦めです。→アマゾン
 なお、「あとがき」にこんな一文がありました。
「~が『自衛隊秘密諜報機関』なる書のなかで、『ムサシ機関長平城一等陸佐』と実名で発表したため、さっそく軍事雑誌『軍事研究』の黒井文太郎氏、(中略)らから取材の申し入れがあった。しかし、高齢であり、なおかつ毎週三回人工透析を受ける身でもあったため、大変な迷惑を被った~」
 まことに申し訳ありませんでした。

 
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  1. 2010/09/15(水) 18:06:16|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:12
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コメント

平城さんにコピーを送りました。ああは書いてありますけど、心底迷惑というわけではなかったように思いますよ。
  1. URL |
  2. 2010/09/20(月) 23:47:08 |
  3. Aちゃん #-
  4. [ 編集]

はじめまして。

ブログを興味深く拝見しております。

私も「日米秘密~」を読みました。
黒井さんの書籍も拝読しておりますので
「迷惑被った」の一文には笑ってしまいました。

私のような素人インテリジェンスマニアにとっても、
とても興味深い書籍でした。

黒井さんにこのコメントを見て頂けたなら、
下記の質問に見解を頂けるとありがたいです。

自衛隊のインテリジェンス関係書籍が
ここ数年次々に出版されておりますが、
その背景には「日本もこういう活動を周知・支持させないといけない」
と言う政府(防衛省)の思惑があるのでしょうか?

よろしくお願いします。
  1. URL |
  2. 2010/10/20(水) 11:58:14 |
  3. テツ #Wm9Qa.6Y
  4. [ 編集]

 テツ様 コメントありがとうございます。
 ご質問の件ですが、政府・防衛省の思惑というのは、まったく関係ないと思います。現役の省庁の人は、「ふーん、昔はそんなことあったの? それは知らなかった」といった感じですが、OBなどはむしろ「昔の秘密はあまり触れないで欲しい」というところですね。
 当事者には「もう古い話なので、そろそろ知っていることを明らかにしておきたい」という方もいるのですが、「あまり話すな」と圧力をかける人もいます。
 手記の出版については、出版社の編集者あるいは仲介役のフリーライター・編集者の人が主導して(説得して)話が進むケースが多いようです。
  1. URL |
  2. 2010/10/22(金) 04:00:30 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

ご回答ありがとうございます。

国も省も関係ナシですか・・・。
ちょっと残念な気もします。

しかし、出版に至るまでは
意外と普通なのですね。
驚きました。

でも書籍がたくさん出ることにより、
インテリジェンスの重要性が認知されると
良いなと思います。



  1. URL |
  2. 2010/10/22(金) 22:37:15 |
  3. テツ #-
  4. [ 編集]

宮永陸将補ロシアスバイ事件懐かしく記事拝見しました。


書籍も興味示す内容につい深夜まで読んでしまいました。


懐かしさは、私が当事陸上自衛隊入隊して5年過ぎた頃でした。
あれは私が陸士長と言う階級の陸士の古株時代に秘密作業として携わった機密、極秘、秘 作業のひとつでした。

まさか旧防衛庁から漏洩してるとは誰もが思わなかった事件名です。
秘作業を行う隊員として任命された事から、あの事件ではかなりの迷惑を被った私でした。
自衛官としての職責も疑われ、自宅や毎度の飲み屋、友人関係や、あの作業を行ってロシアスバイ事件行為として明るみに出てから毎日警務隊等の取り調べにとても嫌な思いでした。


簡単に言えば被害を被った後味の悪い事件。

陸将補のくせにふざけるなと思った次第です。
記事懐かしく拝見させて頂きました。

私の携わった作業は当事、アメリカの衛星から撮影された衛星写真(ランドサットマップ)でした。
旧ソビエト連邦領土くっき鮮明な軍事偵察には欠かせない情報。

  1. URL |
  2. 2012/01/31(火) 05:42:46 |
  3. のらくろ二等兵 #-
  4. [ 編集]

のらくろ二等兵様 コメントありがとうございます。
 平城さんをはじめ、近年、冷戦期に自衛隊で情報業務に携わった方のお話を聞く機会が何度かありました。当事は旧ソ連の軍事的脅威がリアルな時代で、日本の安全保障を人知れず担ったお話に感銘を受けています。
 当事は極秘作業ということで、そういった活動内容は一切秘匿されましたが、重要な任務だったことを、今はきっちりと明らかにすべきと考えています。
 こういった体験をお持ちの方は、是非とも当ブログ右下のリンク欄「黒井への問い合わせ等」もしくは『軍事研究』編集部を通じてご連絡をいただけますようお願いいたします。
  1. URL |
  2. 2012/02/08(水) 18:36:22 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

一言申し付けますと現代の自衛隊機関がずさんな秘密管理と日本の国家期間のいい加減な一面をお伝えしたいのです。

海上保安庁でのYouTubeに出た問題も含めて国家機関としてずさんだからこそ隊員にも被害が…

情報漏洩は誰のせいでもなく、日本にはまだまだ世界に比較すると未熟な防衛管理策です。
当事から大差なく現代もかわりのない国家機関だと私は思う次第です。

  1. URL |
  2. 2012/02/14(火) 08:09:38 |
  3. のらくろ二等兵 #-
  4. [ 編集]

 のらくろ二等兵様より、コメント一部非開示のご要望がありましたので、削除させていただきました。
 非開示コメントをご希望の方は、コメント欄の下部の「秘密」とある部分で、「管理者にだけ表示を許可する」にチェックを入れていただければ、私以外には非開示になります。
 また、その上の「pass」でパスワードを入れておけば、いったん送ったコメントを変更することができます。
  1. URL |
  2. 2012/02/14(火) 10:39:55 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. |
  2. 2012/02/14(火) 19:02:53 |
  3. #
  4. [ 編集]

昭和50年代はよく右翼団体が自衛隊正門前に来ていましたね。
右翼の意味も知らない奴らが騒いでいました時代でした。
幹部から言われた指示だけのマイクを片手に…

それに飲み屋では自衛官を目星して喧嘩を売って何かにつけて騒ぎを自衛隊に色を付けたかった時代だったと思います。

私も当事は立川では少しばから喧嘩早い自衛隊と目をつけられ喧嘩して怪我を負わせて駐屯地に帰ってきた繰返しの時もありました。
次の日には正門前に右翼幹部が数人来て私の名前を叫び騒いでいたものでした。

何かにつけて自衛隊内に入り込もう意思がたえない50年代です。
いまの時代ではあり得ない法の整備が進んだのでしょうか。
  1. URL |
  2. 2012/02/20(月) 08:40:41 |
  3. のらくろ二等兵 #-
  4. [ 編集]

黒井さんの様々な書籍拝見すると未来の防衛がどうなるのか先を予測したく成ります。

今後も頑張って世に広めて社会へ国際防衛意識を伝えて下さい。
  1. URL |
  2. 2012/02/20(月) 08:46:17 |
  3. のらくろ二等兵 #-
  4. [ 編集]

コメントありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
  1. URL |
  2. 2012/02/22(水) 14:32:44 |
  3. 匿名 #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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