ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

写真館④密林のゲリラ

 所用が一段落したので、久々に仕事部屋の整理整頓をしました。ついでに引っ張り出した古い写真ファイルのポジのなかから、中米ニカラグアのゲリラ取材の写真をまとめてアップしてみたいと思います。
 撮影年は1988年から89年にかけて。周辺国も合わせて半年以上の長期取材でした。当時、私は週刊誌編集者を退職したばかりの、25歳の駆け出し戦場カメラマン。この取材は、私の原点です。
コントラ突撃隊
 当時は冷戦時代末期で、中米ではまだ左右両陣営に分かれていくつかの国で内戦が続いてました。
 今の戦場写真は舞台がイラクやアフガ二スタンがメインなので、いわゆる乾燥地帯の風景がほとんどですが、私の世代だとまだまだベトナム報道の影響を受けていて、「戦場=ジャングル」というイメージが強かったですね。
 なので、私もフリーランスの初仕事に、中米ニカラグアのゲリラ「コントラ」の従軍取材を選びました。
contra2.gif
(写真はポジをデジカメで接写しただけなので、周辺部ちょっと歪んでます)
contra3.gif
 密林地帯での取材は、どちらかというと「探検」みたいな旅になります。その後、あちこちの戦争を取材しましたが、肉体的には密林はかなりシンドイです。「湿地帯や泥濘の山岳を徒歩で踏破しなければならない」「ときにカヌーを1日中漕がなければならない」「基本的に酷暑」「2時間毎にスコール」「泥まみれで野宿」「蚊や蛭の大攻撃」「泥水を飲まなければならない」などなど。若かったからなんとかやれましたが・・・・。
 私の場合、この取材での病歴は「マラリア×1回」+「正体不明の風土病による高熱で失神×1回」。これは、半年の熱帯取材では少ないほうだと思います。
contra4.gif
 その後、ニカラグアでは内戦が終結し、平和が訪れました。このゲリラ部隊も今は存在しません。
contra5.gif
 この時代の中米の内戦については、オリバー・ストーン監督の『サルバドル』、あるいはニック・ノルティ主演の『アンダー・ファイアー』がよく現場の雰囲気を伝えています。私たち外国人ジャーナリストのノリも、あんな感じです。
contra6.gif
上写真は、政府軍支配地域に潜入中のコントラの偵察部隊。
contra7.gif
 カリブ海岸の湿地帯地方には、原住民インディオ主体の反政府軍もあったのですが、そこでは黒人系混血の人も多く、アフロ・ヘアがよくいました。この部隊が比較的広い占領地域を持っていたので、私はインディオ系ゲリラの従軍取材がいちばん長かったです。ちなみに、私は左右どちらにせよ反政府ゲリラを英雄視するのが嫌いなので、「解放区」という言葉をこれまで記事で一度も使ったことがありません。武力で掌握している「占領地域」です。
contra8.gif
 もうこんなところばっかり歩いていきます。地雷はほとんどありませんが、敵のトラップや待ち伏せは察知しにくいので、結構緊張します。
contra9.gif
 ワニもいます。生きているのを見たことはないですが、骨は見ました。
contra10.gif 
 川を高速ボートで移動するのが、いちばんラクです。ただし、ものすごい嵐の中、真夜中に海路で敵地沖合を猛スピードで横切ったことがあったのですが、揺れと寒さで地獄のような一夜でした。
contra11.gif
 ゲリラといっても、もともとそこに住んでいる人々なので、住民との垣根はほとんど感じられません。
contra12.gif
 ヘリにも乗せてもらいました。といっても、ゲリラは武装戦闘ヘリは持ってないので、物資輸送用の偽装民間ヘリです。アメリカの資金で運営されています。操縦士もアメリカ人でしたが、「アメリカ人はいない」ことになっていたので、彼の撮影は禁止されました。
contra13.gif
 コントラは装備や迷彩服から訓練内容まで、原則的に米軍方式です。幹部はアメリカ本土で軍事訓練を受けていました。事実上、アメリカの傭兵みたいな立場でした。
contra14.gif
 コントラの本部キャンプは、隣国ホンジュラス領内にありました。親米派のホンジュラス政府は実際にはコントラを支援していましたが、公式には「自国領内に外国人武装組織などいない」ことになっていたので、外国人ジャーナリストの取材をかなり厳しく制限していました。私は日本人としては初のコントラ取材者のはずです(プチ自慢ですが)。
contra15.gif
 コントラには少年兵もかなりいました。といっても、アフリカのように「拉致して洗脳」しているわけではなく、経済難民のようなかたちで本国から逃げた人々のなかから、子供の志願者が続々と名乗りを上げているのです。食うためです。
contra16.gif
 コントラの訓練風景。ちなみに、私もこの機会に簡単な訓練を受けてみました。射撃の成績は、まあまあ悪くなかったです。
contra17.gif
 ニカラグアは実は、珍しく野球が盛んな国です。『アンダー・ファイアー』にもその話は出てますね。
 コントラも、出撃や訓練の合間に、野球をやってます。
スポンサーサイト
  1. 2010/09/08(水) 23:24:27|
  2. 写真館
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:0
<<写真館⑤ダメダメな国の代理戦争 | ホーム | 中学生ウイークリー>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://wldintel.blog60.fc2.com/tb.php/262-0fb868e7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

酷暑のイラク、暑すぎてまさかの事態に

酷暑のイラク、暑すぎてまさかの事態にイラクにて。暑すぎて、アスファルトが大変なことになっています。路面の温度は118度とか。気温が下がったら路面はガタガタですね。くれぐれも...
  1. 2012/08/25(土) 12:01:06 |
  2. 映像トピックス【バックナンバー】

プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

月別アーカイブ

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。