ちょっと畑違いですが、最近かなりの人数のインタビュー&座談会記事をこなしてきたことと、多少は軍事をかじっているということでご指名をたまわり、今月20日発売の別冊宝島『僕たちの好きなかわぐちかいじ』(→
アマゾン)で、漫画家のかわぐちかいじ氏と作家の福井晴敏氏の対談記事の司会・構成をやらせていただきました。
周知のとおり、かわぐちさんは『沈黙の艦隊』や『ジパング』、福井さんは『亡国のイージス』や『終戦のローレライ』などで、ともに戦争活劇モノでは著名な大御所です。
私は福井さんの作品ではやはりなんといっても『亡国のイージス』が印象に残っています。とにかくストーリーテリングが見事で、終盤の盛り上げ方とかさすがです。フィクション界における北朝鮮モノはこの『亡国のイージス』をはじめ、麻生幾さん(『ワールド・インテリジェンス』に寄稿いただいていました)の『宣戦布告』、五條瑛さんの『プラチナ・ビーズ』(五條さんも『ワールド・インテリジェンス』でインタビューさせていただいたことがあります)、さらには韓国映画の『シュリ』などなど、98~99年に大傑作が続出しました(ちなみにちょっと毛色が違う村上龍氏の『半島を出よ』は2005年ですね)。
98~99年当時はちょうどテポドン事件とか能登半島沖工作船事件などがあって、北朝鮮問題や国防問題がいっきに注目された時期でした。私が企画編集を担当した別冊宝島『自衛隊の実力』も99年の出版でしたが、これもおかげさまで10万部超え(筆者推定・文庫版含む)のヒットとなっています(ちょっと自慢ですけど、結局それ以降それを超えるヒットは出せてません)。
一方、かわぐちさんの作品は、私は『アクター』と『沈黙の艦隊』が個人的には印象に残っています。というのも、その頃の私は某週刊誌の新人編集者だったのですが、当時、その出版元では社員に希望する自社雑誌を支給していたため、それらのかわぐち作品が掲載されているコミック誌を毎週欠かさず読んでいたのですね(他にもいろいろもらえたので、関連会社刊の健康雑誌とかもいただいてました)。
私は昨年、念願かなって初の漫画原作『大日本帝国 満州特務機関』(扶桑社SPA!コミック)をやらせていただきましたが、なにを隠そう10代の頃からの漫画ファンです。とくに高校の途中で体育会からオチこぼれてしまってからは、毎日、地元の「ヤマニ書房」のコミック本コーナーに入り浸ってました。
好きな漫画はいっぱいありますが、今ふっと思い浮かぶのは、たとえば『熱笑 花沢高校』の第1話でしょうか。顔がコワイという見かけだけを武器に不良高校の番長たちをビビらせ、「戦わずして軍門に下らせる」。まさに究極のバーチャル抑止力です。もしかしたら北朝鮮指導部は力勝男を参考にしてる……わけはないですね。
『ワイルド7』には、警視庁超法規白バイ隊の飛葉ちゃんたちがラオスに行き、共産ゲリラ『パテト・ラオ』と戦う話とかもありました。共産ゲリラ「パテト・ラオ」……初めて聞く名前でしたが、なぜか異様に興味を覚えました。今こんなことをやっているのも、そんなマンガ体験が刷り込まれているからかもしれません。
梶原一騎さんの後期のピカレスク作品に『人間凶器』という「よくもこんな悪人の主人公を考えつくなあ」というような作品があるのですが、これにはたしかキューバに渡った極悪主人公がチェ・ゲバラと出会うシーンがあったように思います。ここでのゲバラはとにかく「ケタ違いにスゴい男」として登場します。共産主義とか革命とかの言葉にヒロイックでロマンチックな響きがあった時代でした。
もちろん『ゴルゴ13』は徹底的に読破しています。もしも『ビッグコミック』ゴルゴ原作担当関係者の方で、当ブログに目を留めていただいた方がいらっしゃったら、テロ組織とか諜報機関とかはそこそこ得意分野なので、是非ともご用命のほどをご検討ください(売り込みです)!
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- 2010/02/23(火) 18:18:10|
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